初めましての方も、お久しぶりの方も、前回ぶりの方もこんばんは。
あやめです。
しばらく更新が滞ってしまってすみません。卒論とバイトに追われていました…。
今後も12月まではこのような状態が続くと思いますが、末永く見守っていただければ嬉しいです。
本日の映画
今日は、吉高由里子さん主演映画「ユリゴコロ」についてお話ししていきたいと思います。
(source:映画『ユリゴコロ』あらすじ・キャストまとめ【吉高由里子が殺人犯に】 | ciatr[シアター])
あらすじ
(この映画については、あまりあらすじを知らずに、予告も見ずに鑑賞していただきたいので、ざっくりとしたあらすじ紹介で失礼します。※意図的に情報を少なくしています。)
田舎の山で飲食店を経営する亮介(松坂桃李)は、ある日、押し入れの中にあった「ユリゴコロ」と書かれたノートを発見する。
亮介はそのノートをなんとなく開くと、そのノートはびっしりと文章が書きこまれていた。そして、その文章の始まりは「私のように平気で人を殺す人間は、脳の作りがどこか普通と違うのでしょうか。」という何とも恐ろしいものだった。読み進めていくと、それは創作か手記かは謎だが、女の殺人犯について綴られたものであった。
全く共感できないのにもかかわらず、そのノートを読むことがなぜかやめられない。亮介はどんどんそのノートに引き込まれていき…。
ネタバレが少ない予告はこちら!(このトレーラーでは何もわかりませんが、雰囲気は伝わるかと思います。)
感想
「ユリゴコロ」は近くの映画館にどーんと大きくポスターが貼ってあったことからとっても気になっていた作品でした。
(source:ユリゴコロ : 作品情報 - 映画.com)
と、いうのも、世の中的に「かわいい」と言われていて、ついこの間までリアルなアラサー女性を演じていた、あの吉高由里子に殺人鬼の役をやらせようと思うなんてどこの変態の映画だ?!ゼッッッテー観たい!!と思ったからなんですが。
スケジュールが妙にうまくいって、「ユリゴコロ」はなんと公開初日のお昼に観に行けたんですが、公開初日は土曜日だっていうのに、お昼だったというのに、どうしてこんなに人の入りが悪いんだろうか?!というほど人がまばらでしか入っていなくて、「もしかしてこの作品は面白くないんだろうか…」と悲しくなってしまったんですが、
正直言って、「ユリゴコロ」、近年の邦画の中だったら圧倒的に面白い作品の一つだと思います。
なのに!!!!あの!!!!人の入り様よ!!!!!!!
いや、この作品的に
※暴力表現があります
※性的暴行を連想させるシーンがあります
※流血表現があります
※自傷シーンがあります
などから、まぁ確かに日が出てる時間帯に観る映画じゃないなっていうのはわかるんですけど、それにしたって話題になってなさ過ぎる!こんなに面白いのに!
とかなり悔しい思いをしているので、今回は「ユリゴコロ」激推し記事を書いていきたいと思います。
ただ、前述したとおり、暴力表現などが多々ある映画でして、割とストレートに描かれているので人を選ぶ映画であることは間違いないです。なので鑑賞は自己責任で。
①吉高由里子の新たなハマり役が美沙子である
(source:映画『ユリゴコロ』豪華キャスト情報解禁! | 東映[映画])
吉高さんといえば皆さんはどの役が好きですか?私は結構「婚前特急」の役が好きでした。
さて、そんな私にとって吉高さんのイメージといえば、ちょっとうるさくて高飛車で自分のことは棚に上げて周りに文句を言ってばっかりの役のイメージが強いです。(恐らく「蛇にピアス」なんかで吉高さんを知った人は違うと思うんですが…)
なので、私にとって今回の殺人犯・美沙子の役を演じる吉高さんというのはイメージとは全く違う役で面白いなー!と思いました。
ただ、全く違うと言っても、「すっごい似合いそうだな!」とは思いました。というのは、吉高さんって表情豊かなんですけど、どこか人を警戒しているような表情がとってもうまいな、と思っているので、殺人鬼なんてまさに四六時中人を警戒しているだろうしぴったりだなぁと鑑賞前からワクワクしていました。
そして蓋を開けたら、これがまたすっごくハマり役なわけですよ…。あまり人に共感できない美沙子という役をうまく演じています。
人として何かが欠落しているというよりは、「人間ではない」生き物のようにも感じられる美沙子を不気味に演じている吉高さんの演技は必見です。
そんな美沙子が人との出会いを通して変化していく過程も素晴らしかったです。
②松山ケンイチが色気をまとった坂口健太郎にしか見えないって話をしたい
(source:映画『ユリゴコロ』主演・吉高由里子×松坂桃李×松山ケンイチ、沼田まほかるのベストセラー小説を実写化 | ファッションプレス)
先に断っておきますが、「ユリゴコロ」に坂口健太郎さんは出ていません。「ナラタージュ」には出演されますので、坂口健太郎さんを観たいひとは「ナラタージュ」を観てください。
この感想については友人に「松山ケンイチが坂口健太郎みがあるっていうお前の意見はよくわからなかった」という意見をもらってますが、構わずドンドン言っていきたいと思います。
松山ケンイチさんがどんな役を演じているのかというのは、個人的にネタバレになるのであまり言いたくないんですが、美沙子を支える人の一人です。
ちょっと世間からは浮いていて、馬鹿正直のいい人で、心優しい青年を演じています。
この役がまぁ坂口健太郎っぽいんですよ。すごく。(※私のなかで坂口健太郎というのは「世の中の女がだいたい好きそうな穏やかな色白男と同意義です)
スクリーンに映った瞬間に「あれ、「ユリゴコロ」にも坂口健太郎出てくるんだ~。人気者は大変だな~~」なんて思ってしまったくらいには、私の中では坂口健太郎でした。ほんとに。
ただ、見ていくうちに、「ああ、これは松山ケンイチじゃないとできない」と思わせるような演技の連続になっていきます。
なんというか、坂口健太郎さんのいいところって、まだフレッシュで学生にも見えるところだと思うんですが、松山ケンイチさんが演じる坂口健太郎(?)は決して学生ではなくて、一回愛する人を失った、なんというか、純文学の作家みたいな色気が出ているわけですね。つまりは太宰治とか芥川みたいなことですね。
(source:ご存知ですか? 7月24日は芥川龍之介が35歳で亡くなった日です | 文春オンライン)
もうこの色気をまとった松山ケンイチがスクリーンにドーン!フェロモンがヴァ――ン来た時にああ、もう駄目だ松山ケンイチと結婚するしかない…って感想を抱かざるをえませんでした。ああ、なんでもう人のモノなんだ松山ケンイチ…。
(こんな感想いっつも言ってるなって思うんですけど、スクリーン越しに求婚したくなったり飼いたくなったりしてしまう俳優たちの色気がすべての元凶だと思う。私は悪くないと思う。)
参考までに。
オダギリジョーと結婚したくなった映画↓
「湯を沸かすほどの熱い愛」には松坂桃李さんも出演されています。
綾野剛を飼育したくなった映画↓
ちなみに「怒り」には松山ケンイチさんも出ていますので、今作で結婚してしまいたくなった方はぜひ~!
③オタク必見の性癖突き刺さり映画なので観てほしい
俳優オタクの何割かが悩む問題、それが
推しの役がいつもつまらなすぎてつらい
だと思います。実際「トクサツガガガ」という漫画ではこんなコマがあります。
わかる…!!!!の一言しかでねぇ!!!ってくらい共感できてしまうこのコマ。
どうして俳優(特に若手の売れてるやつら)ってのはおんなじ役しかやらねえんだこの野郎!!!!
ファンが見たいのはサイコパスな殺人鬼の役だとか、感情が理解できなくて世の中に適合できない役だとかクセが強い変な役なんだよ~~~~!!!!!
というような主張を何か月かに一回Twitterで見かけるのですが、この「ユリゴコロ」はそんな俳優オタク、いや全オタクの5人に1人はすごく好きだ、って強く頷く役を主演の三人が演じているので、ぜひともオタクには観てほしいと思う作品です。
まず吉高由里子が演じる美沙子は、人の死で精神の安寧を得られるという役なんですよ。
…ほら…もう最高でしょ…。なにそれ…もっとくれよ…ってなってるオタクは私だけじゃないでしょ…?
次に松坂桃李が演じる亮介は、基本的には心優しい青年なのに、ふとした時に攻撃的になっちゃうところがキズなお料理が得意な男子です。
……それ乙女ゲームの攻略対象にたまにいるやつじゃない…???エッ…って私が劇場で震えあがったのも無理はないなって思いませんか?
それで最後に松山ケンイチですよ…。松山ケンイチ演じる青年は、前述したとおり世間からどこか浮いていて、それでいてとても寛容で優しい役なんですけれどもね、どこか薄暗いものを背負っているんです。いつも。いつ会ってもなんとなく暗いというか、悲しいというような表情をしているんです。
もう…もうやめて…。これ以上私の性癖を刺激してくるのはやめ…やめてくださ…と劇場で東映さんと日活さんに心から願ったんですけど、原作者の沼田まほかるって人は恐ろしいな~っていう設定も盛り込んできていて、帰るころには「ユリゴコロはいいぞ」しか言えなくなっていました。
ちなみに直後のツイートがこれです
エッ ユリゴコロやばくない?????本当にやばくない…???なんかもう事件じゃない…???いやほんとあの怒りとか好きな人絶対好きだから観てくれ…????もうこの映画が流行らないとか信じられないからみんな観てくれ???ユリゴコロ本当に良作すぎない???大好きすぎ…
— 🕷⚡️下呂あやめ🏳️🌈🦗 (@slhukss1) 2017年9月23日
ねえ ユリゴコロやばすぎてやばいからみんな観に行ってくれない?????これ今年ナンバーワン邦画すぎない????エッ やばくない…????
— 🕷⚡️下呂あやめ🏳️🌈🦗 (@slhukss1) 2017年9月23日
語彙を失ったただのオタクでした。すみませんでした。「ユリゴコロ」はいいぞ!!!
④エログロナンセンスの皮をかぶった…
(source:映画『ユリゴコロ』あらすじ・キャストまとめ【吉高由里子が殺人犯に】 | ciatr[シアター])
さて、今作は殺人犯を主人公にしていることや、性的なシーンが含まれることから、一見「エログロナンセンス」のような作品に見えるかもしれません。
しかし、この作品はポスターのコピーにもある通り、「人殺しの私を、愛してくれる人がいた」という、哀しい愛の物語なんです。
愛の物語とかめっちゃサムい、とか思うかもしれないんですが、人殺しの話なのにこんなに美しいことがあっていいんか…???と感動しまくってしまうほど、美しい物語なので、サムいなんてことはないと思います。
まぁものっそい血の表現はあるし、自傷シーンもあるし、吉高結構マジで平気で人を殺すから軽くハンニバルと戦っていけそうだなとか思っちゃうくらいの感じなんですけど。
カップルで観に行くにはきついかもしれませんが、レイトショーで一人で観に行くにはとてもいい映画だと思います。血塗られた純愛の目撃者になってください!お願いします!!!
まとめ
(source:https://twitter.com/yurigokoromovie/status/893666645272670209)
というわけで、今回は「ユリゴコロ」についてお話しさせていただきました。
このポスターの「あなたの優しさには容赦がありませんでした」というコピーが好きすぎて絶対観に行こうという決心が固まったのを覚えています。観てよかった、ほんとに!
「ユリゴコロ」をここまでアゲておいてなんなのですが、個人的に「美沙子、大胆な犯行過ぎんだろ~~~」と思うことも多々あった(というか大胆な犯行しかない)ので、どうして犯行を繰り返すことができたんだ?という点についてはあんまり考えないほうがいいのかな~と思いました。
そこの点について引っかかってしまうと、美沙子が犯行を起こすたびに「ん?」となってしまって、何にも楽しめなくなると思います。そこらへんが気になってしまう人は楽しめないかと…。
ただ、最後に言った通り、この物語が描こうとしているのは極悪非道な殺人鬼の女性ではなく、哀しい血塗られた愛の話なので、そこのところはそこまで重要ではないと思います。
フィクションなので、まぁそこは…目をつむれるかどうかがカギですね…!!
何はともあれ、「ユリゴコロ」はかなり良作だったので、流血表現などの過激な表現に耐えられるという方はぜひご覧になってみてください!
ちなみに「ユリゴコロ」の原作者である沼田まほかる先生の「彼女がその名を知らない鳥たち」も今秋映画作品が公開されるので、興味がある方はぜひそちらもチェックしてみてください。
私は同じ殺人鬼つながりでこんな映画も気になっています。
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