本日の映画
今日は松坂桃李さん主演『不能犯』についてお話ししていきます。
あらすじ
多田友子(沢尻エリカ)は新人刑事・百瀬(新田真剣佑)とともに事件の捜査を行っていたのだが、署内でとある「不能犯」の情報を耳にする。不能犯とは、その行為自体は犯罪を目的として行われたものであっても、その行為が直接犯罪に結びつかないことを指す。署の管轄内で起きた事件は、喫茶店でとある金融屋の男(水上剣星)が黒スーツの男(松坂桃李)と話している間に突然もがき苦しみ、死に至ってしまったというものであった。しかし、その場にあった水も、黒スーツの男が持ち込んだ瓶の中にも毒物は検出されず、死因も心筋梗塞であった。
その事件の詳細を耳にした多田は、以前にも黒スーツの男に出会った女性が「刺された」と言って死んでしまったが、女性は刺殺ではなく心筋梗塞で亡くなっていた上に、刺された傷など一つもなかったという事件があったことを思い出し、黒スーツの男こそがこの「不能犯」の犯人だと確信する。
その黒スーツの男は都市伝説として人々に知られており、「電話ボックスの下に殺してほしい人間の名前と自分の連絡先を書いておくと殺しを請け負ってくれる」という噂になっていたのだった。そして多田の知らない間に黒スーツの男はまた次の依頼に向かう…。
詳しくはこちらをご覧ください。
感想
source:色気漂う危険な男に松坂桃李、女刑事 沢尻エリカ、全力疾走!!妖しさ際立つティザーポスターとともに映画『不能犯』特報が完成! - シネフィル - 映画好きによる映画好きのためのWebマガジン
いや~製作が発表された際にこのビジュアルが公開されて「なんじゃこの最高のビジュアルは~~~!!!!!観ま~~~~~~~す!!」ってなったんですが、公開日が近づいて公開された予告編の「つまらなそう感」が異常すぎてすっげー心配していたんですが、恐ろしいほどつまらなかったですね…。観終わって真っ先に浮かんだ言葉が「三点!!!!!」だったんですよね…。やばすぎ…。私今まで観た映画で一番面白くなかったのは『土竜の唄 ~香港協奏曲~』と『MONSTERZ』なんですが、それらと同じくらい面白くなかったです~!!!いえ~~~い!
マジでこの映画観るんだったら、昨年12月公開の『鋼の錬金術師』とか『未成年だけどコドモじゃない』を観た方がまだマシだぞ~~~~!!!!と心の底から思ってしまいました。これはマジだぜ…!『ハガレン』の方が100倍面白いぜ…!
では以下詳細な感想です!
①黒スーツの男は何がしたいのか?
source:映画『不能犯』キャスト・あらすじ【松坂桃李主演で2018年公開!dTVでオリジナルドラマも配信】 | ciatr[シアター]
黒スーツの男の目的は一度だけなんとなくさらっと明かされるんですが、それが「…つまり?」と聞き返したくなってしまうもので、結局黒スーツの男は人のために殺しを行うことで自分に何の利益があるのか全くわからないんですよね。
監視カメラに映って自分が不能犯を行っていま~~~す!でも不能犯だからつかまりませんよね!みたいに堂々と出てくるリスクを負ってまで警察に存在を明かす理由もわからないんですよね…。
っていうか、都市伝説になるってことはすでに何千という数の「殺し」を行っているはずで、何度も堂々とあんな風に現場近くにいたなら絶対警察の方にも情報がずっと前からありますよね…?なんで「へ~~~!最近はそんな事件もあるんすね~~~!物騒~~~!!」みたいなテンション…?この世界の日本の警察は無能…?最初から多田さんたちは不能犯担当の刑事とかでもよいのでは…?
②事件起きすぎ
いや『踊る大捜査線』か!?って思うくらい事件起きるから途中で頭が疲れました。しかも『踊る』と違って別にそれぞれが関連しているわけでもなく、「なぜその事件を描かなければならなかったのか」ということが「映画の尺」以外に見当たらないので、マジで納得がいかないんですよね…。
最初のナイトローグさんこと水上剣星さんの唯一が殺されるシーンはつかみはばっちり!って感じで、見せ場としてあるのはめちゃくちゃにわかるし、私もあのシーンは結構楽しんでしまったのですけれど、次の若夫婦のシーンはマジで要る…?要るかな…????ってなりませんでした?たとえば、殺しを請け負ってもその殺した相手が必ずしも「悪人」であるわけではないということを描きたかったのだとすれば、次の真野恵里菜と芦名星さんのシーンで十分描き切っているわけですし、あの若夫婦の殺害シーンは正直言って「ただの胸糞シーン」以外の役割がないと思うんですよね…。
確かにあの事件が起こって、その現場に黒スーツの男がいて、そこで任意同行を行って、そして矢田亜希子演じる女刑事が黒スーツの男に狙われるのだが…みたいなシーンにつながるんですが、女刑事を狙うっていうのも必要でした…か…?あの、だって任意同行とか例えば芦名さんのところでもうガッツリ顔見られてるし…しかも不能犯は立証できないので、目の前で起こったからって「わ!ほんとだ不能犯ですね!」ってならないし…。だって目の前では死んでないわけだし…。
あと主人公が黒スーツの男のマインドコントロールに屈しない特別な存在だって示す方法もあんなのだけなの…?どう考えてももっといい方法があったでしょ…!!!それだったらクソ映画と名高い『MONSTERZ』の方がお上手でしたよ!!!
あとは爆破事件ね!!!!!!!!!!!!あれは完全にいらないでしょう!間宮祥太郎を出したかっただけか!?!?!?!いい加減にしろ!??!?!??!
③多田刑事に対してのツッコミ
source:写真9/31|映画『不能犯』人気漫画を実写化、妖艶なダークヒーローに松坂桃李&ヒロイン役に沢尻エリカ - ファッションプレス
そもそも原作漫画の『不能犯』では、多田というキャラクターは男性だそうです。エッ!!!男性のままでよかったんでは!?!?!?!?!?!?って思ったのは私だけですか?まぁそこは私は原作ファンっていうわけじゃないんで、そこまで気にしてはいないんですが…。
私がひっかかったのは、この映画の多田というキャラクター、何かにつけて、大した理由なくやばいことやっちゃうんですよね。一番ひどかったのは、一応人を殺したっていう人の手錠を「あなたにはもう必要ないよね!」とか言って取っちゃうわけなんですよ…。いや、ダメでしょ…。それ普通にダメだよね…。
あとは仕方なしに黒スーツの男を多田がナイフで刺すシーンがあるんですけど、黒スーツの男は何度も言っているように法律としては、「無罪」なんですよね…。全然罪に問われることないんですよ。なのに刑事である多田が、何の罪にも問われない黒スーツの男を刺すってやばくないですか?刑事が一般人刺すのは相当な理由がないとだめでしょ。しかも公務執行妨害、というわけではないですし…。うーーーーん?
あとは、多田に黒スーツの男が接触するシーンがあるんですけど、別に多田さんは何者かに襲われたわけではないのに、タクシーに乗っていたのに、なぜか息切れ。なぜ。なぜなの。しかもそこで黒スーツの男に襲われるので、さらに息切れ。何にそんなに疲れてるんだ…。とか結構謎が多いシーンが多くて「????」ってなってしまいましたね。
あと、やっぱり刑事としては人をどれだけ守れるかが大事だと思うので、目の前で部下が息絶えそうになっていて、別に黒スーツの男も犯罪を今すぐ起こそうとしているわけではないという状況で、なぜ…なぜ部下のために病院に行くという選択ができないんだ…。黒スーツの男にかまってる間に死んじゃうよ!部下死んじゃうよ!死んだよ!!!多分死んだよ!!!!ってすごい心の中で叫んじゃったよ。
④結局この映画の描きたかったこととは…。(ネタバレ含みます)
途中で多田が黒スーツの男に「あなたが僕を止めるには僕を殺すしかない」と言われて、自分は黒スーツの男を殺すべきなのか?と迷うんですが…。
刑事がそんな簡単に人を殺そうとしてんじゃねえよ………
と私はもうここで多田さんにめちゃくちゃ失望したんですよね…。結果として多田は、黒スーツの男のルールに従って黒スーツの男を止めるのは違うという結論を出して、殺すことはしないのですが、じゃあどうするのかって言ったら別に解決策はありません~~~!!!というなんという投げ出し!!!!みたいなエンドで終わるわけなんですよね…!!!!
そ、そんなこと言ったら『デスノート』の夜神月だって捕まることはなかったじゃあないか…!!!!!黒スーツの男に死刑囚を殺させてそれで死んだら殺人を立証できるでしょ…。(デスノート脳)そんな投げ出しエンド私は認めないからね~~~~!!!!!!と思ってたら映画が終わってました…。これが私が納得いかなかった一番の理由かもしれません。
まとめ
source:映画『不能犯』キャスト・あらすじ【松坂桃李主演で2018年公開!dTVでオリジナルドラマも配信】 | ciatr[シアター]
というわけで、個人的には今年ワーストが早くも出てしまったな…と思うくらい面白くなかったです。びっくりした。
上では書かなかったんですが、
『不能犯』の監督はホラー映画専門の方らしくて「だからあんなおどろおどろしいのか」と納得がいったわけですが同時に演者の演技が過剰なのにもかなり納得がいったのとあの実は何も解決してないエンドもホラー映画だからなのかな…って。『ミュージアム』とテイストが似通いながら完全に別物に…。
— 下呂あやめ (@slhukss1) 2018年2月1日
という感じで、本当に演者の演技がくどすぎて胃もたれするレベルです…。疲れる…。松坂桃李と結婚してえって常々言っている私が観に行ってもこれなんだから、『不能犯』を演者への贔屓目なしで観に行ったらどうなってしまうの?大丈夫なの…?
あと、Twitterで「グロかった!」という方が結構いらっしゃいましたが、グロでいったら小栗旬さん主演の『ミュージアム』の方が頑張っていると思います!そして『ミュージアム』の方が面白い…!!!!漫画原作映画、連続殺人犯、主人公は刑事、犯人を捕まえるのは困難を極める、という共通点があるので、私は勝手に『不能犯』と『ミュージアム』を比べてしまったんですが、『ミュージアム』の方がえぐいし、グロイし、面白いし、遺体の演出が最高で、ドキドキ感もすごいんでお勧めです!はい!
というわけで、みなさんよかったら『ミュージアム』観てね!!!Amazonプライムビデオで観れるよ!よろしくね!!
松坂桃李さん出演作はこちら!