きねまないと

最近映画が好きになった20代が素人目線で好き勝手に映画の感想を綴るブログ。

今年注目のアサシンはジョン・ウィックだけじゃない!イギリスコメディ節が炸裂!『やっぱり契約破棄していいですか!?』

 

 

本日の映画

今日は『ダンケルク』のアナイリン・バーナード出演『やっぱり契約破棄していいですか!?』についてお話していきます。

f:id:slhukss1:20190901221256j:plain

source:https://www.amazon.com/Money-Original-Motion-Picture-Soundtrack/dp/B07KCJTCB3

 

あらすじ

小説家志望の青年・ウィリアムは今日も自分自身の存在の理由が見いだせず、自殺をしている最中だった。首つり自殺をしようとしてはひもを括り付けた電気の部分が天井ごと抜け、車にひかれようとしたら自分を轢いた車が救急車で一命をとりとめ…などことごとく自殺に失敗しているウィリアムが今回挑戦していたのは橋からの飛び降りだった。

飛び降りようと勇気を振り絞っている最中、ウィリアムは謎の老人に話しかけられる。

「押してやろうか?」

まさかこんな死のうとしている人間に話しかけてくる人間がいるとは思わず、思わずたじろぐウィリアムに、老人は構わず話しかけてくる。

「なぁ、見学をしていってもいいだろうか」

「いいけど、止めたりしないでくれよ」

「そんなことは毛頭する気がない。…これって結構時間かかるか?

「あぁ!もう気が散るから話しかけないでくれ!」

「自殺なんて面倒じゃないか?こんなことをするくらいだったら私に任せたほうが楽なのに

「…?とにかくもうとやかく言わないでくれ」

そんなこんなでウィリアムはようやく決心し、橋から飛び降りたウィリアムだったが、運悪く飛び降りたタイミングで船が橋の下を通過し、彼は船に着地してしまい、またも一命をとりとめる。

あまりにも自殺がうまくいかず、ウィリアムはむしゃくしゃし始める。そんな時ウィリアムはあの謎の老人に名刺をもらっていたことを思い出す。その名刺を見てみると、おそらくあの老人の名前と、その下に「暗殺者」という文字があることを知る。

恐る恐る電話をかけ、再び老人に会うことになったウィリアムはそこで老人に自分を暗殺してもらう契約を結ぶのだが…?

 

詳しくはこちらの動画をご覧ください。


DEAD IN A WEEK (OR YOUR MONEY BACK) Official Trailer (2018) - Comedy, Action Movie

日本語予告はこちら:

やっぱり契約破棄していいですか!? : 作品情報 - 映画.com

 

感想

f:id:slhukss1:20190901222646p:plain

source:http://yappari-movie.jp/

(公式サイトのURL「yappari-movie」ってすごいな)

今回の『やっぱり契約破棄していいですか?!』はまた映画ポスターが日本と本国で全然異なる印象を与えるものになっている映画でした。

ですが、今回の場合はこのポップな感じで大正解なんじゃないかな、と個人的には思います。まぁこんなかわいらしい映画ではないんですが、まず原題が『Dead in A Week (Or Your Money Back)』(1週間以内に死に、そうでなければ返金)という身もふたもないあまりにもそのまますぎるもので正直それはセンスないな!と思い、個人的には邦題の圧勝だと思っています。また、本国版ポスターはこんな感じ。

f:id:slhukss1:20190901223144j:plain

(source:https://www.microsoft.com/en-us/p/dead-in-a-week-or-your-money-back/8d6kgwxn38hx?activetab=pivot%3aoverviewtab)

いや、色味死にすぎでしょう(笑)これは日本版ポスターのがかわいらしいですし、ちょっと観に行こうかなという気がしますね。

で、かくいう私もそんなかわいらしいフライヤーで観に行くことに決めたんですが。

この映画ほんとに面白かったです!冒頭でもご紹介した通り『ダンケルク』のアナイリン・バーナードさん出演ということで実は怖い話とかめんどくさい話になってるのかなーと思ったんですが(『ダンケルク』のイメージに引っ張られすぎ?)、この映画100%純度のブリティッシュジョークで作られている映画なんですよね!笑

もうそれが面白すぎてまた劇場でげらげら笑ってしまいました。ほんとにおかしい!笑

 

①暗殺者ネットワークがある

f:id:slhukss1:20190901223647j:plain

source:https://www.vox.com/culture/2019/5/10/18514727/john-wick-3-parabellum-review

「暗殺者ネットワーク」なんて言葉を聞くと『ジョン・ウィック』が思い出されますが*1、今回の『やっぱり契約破棄していいですか!?』に出てくる暗殺者ネットワークはあんなにスタイリッシュに洗練されているものではなくて、いうならば同じ業界のネットワークくらいの気持ち。弁護士のネットワークとかそういう感じですね。

主人公・ウィリアムが契約を結んだアサシンのレスリーは暗殺者が勤める暗殺会社に雇われている暗殺者の一人で、営業成績のように暗殺ノルマが決まっていて…とかなんか「なんじゃそれ?!」みたいな設定なんです。

だからレスリーも営業ノルマならぬ暗殺ノルマをクリアすることに必死で、どうしてもウィリアムを殺したい!と思っているんです、ノルマのために。もうそれがおかしくておかしくて。

ちなみにウィリアムとレスリーが契約を結ぶシーンなんかは特に可笑しくて、レスリーが会社支給の自殺偽装暗殺のパンフレットを持ち出して、「どの死に方がいいか選んでくれ」とか言い始めるんですけど、すごい本当によくありそうなわかりやすいイラストともに死ぬときのシチュエーションが説明されていて笑っちゃいました。(笑)

あと契約が済んだときに「君はいい人だ。君を殺せてうれしいよ」というセールス挨拶を忘れないのも面白かった。

 

②ポップに人が死んでいく

f:id:slhukss1:20190901224604j:plain

source:https://decider.com/2019/03/12/dead-in-a-week-or-your-money-back-netflix/

映画観ていると割とポップに人が死んでいく映画に出会うときがありますが、今作も結構ポップに人が死んでいきますし、その割に死体の描き方がしっかりしてて「なんだこの映画…」となります。

(さすがイギリス。『アナと世界の終わり』とか作っちゃう国は違うな)


アナと世界の終わり 2019年5月31日 公開映画予告

さて、どれくらいポップに人が死んでいくかというと、例えばみなさんこんな経験がありませんか?

「あれ?あそこにいるの○○ちゃんだな、おーい」

と街中で話しかけた結果、すごい他人の空似で、間違えて全然知らない人に話しかけちゃった、とか
 「隣のおじさんやたらとこっちに体重かけてくるなあ。寝てるからって調子に乗りすぎだよ、肘で少し押してやろう」

と、電車で居眠りしている人にささやかな報復をしたりだとか。

もうこの勢いで人が死にます。

「え?」って感じだと思うんですけど、私も「え?これ人死んだ?あ、死んだんだ!?」ってくらいのポップさで人が死んでいきました。しかもそれに対してあんまりワーキャー騒ぐ人が出てこないので、いちいち人が本当に死んだという命の重さとかを考えさせられるシーンがなくて、コメディとしては良かったです。笑いやすくて。

ちなみに現在公開中の『永遠に僕のもの』という映画も本日観てきたんですが、今作と同じくらいポップに人が死んでいくのでちょっと笑いそうになりましたが、こちらはなんとびっくり1970年代にアルゼンチンに実在した少年の話だというから驚きです。こちらの映画も面白かったので、ぜひ!(上映館が少ないので東京でも観られるところが限られるのがつらいですが。。。)

gaga.ne.jp

若干話が脱線しましたが、今作においてはポップに人が死んでいくといっても、そして死んだ場面ではその命の重さが取り扱われないといっても、人が死んでいったということの重大性が損なわれるわけではなく、そのあとで人が死んでいったからこういう影響があったということが描かれていきますので、決して殺人や人の死を美化している作品ではございませんのでご安心を。

 

アナイリン・バーナード演じる主人公、あまりにも間抜けすぎる

f:id:slhukss1:20190901225804j:plain

source:http://www.wizzoandco.co.uk/dead-week-money-back-luke-bryant/

主人公は「自殺マニア」と周りに呼ばれるほど自殺を繰り返している青年なのですが、彼の自己愛というか優柔不断さというか間抜けさが面白すぎて笑いが止まらんでした(笑)

自殺がうまくいかないから暗殺者に殺してもらお!って思う頭の軽さも本当に間抜けで大好きなんですが、とある予定が入った彼は、レスリーの元を訪れ

「ねえ、ごめん、今週中に殺すって言ってたけど、実は水曜日にどうしても外せない予定ができちゃったから木曜日以降に殺してくれない?」

と言ったりするんですよ!信じられます?自分で暗殺頼んでるのにですよ?!まぁそれがきっかけでとんでもないことが起きていくんですけれども…。

あとそもそもの契約のシーンでは、彼は目の前にいるのが暗殺者だというのがどうにも信じがたく、

「なんだかイメージと違った。暗殺者がタートルネックなんか着てるなんて。」

と言ったりしちゃったりします。すごいですね。目の前の人自称暗殺者だって知っているのにこんな発言をするなんて…。私にはできないよ…。すごいよ…。めちゃくちゃ度胸あるな…。さすが自殺マニア…。

ちなみに『ダンケルク』で見せている演技とは全く違う演技だったので、私はずっと彼を『ダンケルク』に出てきた俳優だとは思い出せませんでした。それくらいコメディの演技とシリアスの演技にギャップがある方だったので、一見の価値ありです!

 

④オチが秀逸!

 観終わった後にとにかくオチがすごく好みで、思わずこんなつぶやきをしてしまいました。

オチを観た後だと、いろいろなやり取りだとかが伏線になっていたというか、ピースがちりばめられていたのだなぁと感じられます。

さすがにネタバレになるのでオチについては詳しくは話せないのですが、私はHappily ever after的なオチになるのかな~と思っていたんですが、「あ?!そこ回収するのか!!!」というようなオチで、なんともイギリス映画っぽいし、確かにあの部分しっかり描いてたのってそういうことか~~!!!と。

とにかくうまい、というか一本取られた!と私は思いました。それくらいオチがよかったんです…。ぜひ一度ご覧いただきたい。

 

まとめ

f:id:slhukss1:20190901231323j:plain

source :https://www.ocmoviereviews.com/movie-reviews/dead-in-a-week-or-your-money-back-review/

(上図は私のお気に入りのシーンの一つ。奥さんかわいかった)

というわけで、本日は『やっぱり契約破棄していいですか』についてお話してきました。今年はイギリス~~~!!!色が濃い目の映画を2つも見られて幸せです。

これから007も公開されるし(もっと先ですけど)、イギリス映画も日本でいっぱい公開してほしいですね!

ちなみに今作、私がだいすきなエンドクレジット凝っている映画だったので、ぜひぜひエンドクレジットもご覧になってくださいませ。とてもとてもかわいいですよ~!

まだまだ劇場公開中ですので、劇場でほかの人と観ると面白さが共有できてさらに面白いと思います!ぜひ、劇場でご覧くださいね!

イギリスといえばこちらの作品もよろしくお願いいたします!

 

slhukss1.hatenablog.com

 

 

slhukss1.hatenablog.com

 

 

 

*1:ジョン・ウィック』:『マトリックス』のキアヌ・リーブス主演のガンアクション映画。とにかくキアヌ・リーブス演じるジョン・ウィックという殺し屋が強すぎて銃無双しまくりすぎてギャグ映画みたいになっている。Netflixで今までのシリーズが全部ご覧いただけます。10月には最新作の『ジョン・ウィック:パラベラム』も公開。