本日の映画
今回はNetflixオリジナル映画『エノーラ・ホームズの事件簿』についてお話していきます。
source: Films | Worn out Spine
あらすじ
時は19世紀のイギリス。イングランドの自然豊かな土地で育ったエノーラ。父親は彼女が幼い時に他界し、年の離れた2人の兄も家を出て行ってしまっていた。しかし、母親に時に厳しく、そして優しく思いやりにあふれ、そしてその思いやりややさしさと同じほどユーモア豊かに、そして自由に育てられた彼女は周りの一般的な女性とは異なる育ち方をしていたのだった。
そんな彼女の16歳の誕生日、そのだいすきな母親が家からいなくなっていた……。母親の失踪を聞きつけてやってきたのは幼いころに自分を置いて出て行った兄二人。長男はマイクロフト、次男はシャーロック。そう、エノーラはかの有名なシャーロック・ホームズの妹だったのである。
シャーロックが来てくれたのだからきっと母親を見つけてくれるに違いない！と思ったエノーラだったが、マイクロフトはエノーラを女学校に入れ、教養のある女性として育て直すこととする。しかし、エノーラはそんな生活を拒絶する。マイクロフトではなく、シャーロックに育ててほしい！とエノーラは懇願するが、シャーロックは彼女の願いを聞き入れてはくれなかった。
二人の兄に不満を抱いていると、エノーラは母親が残してくれた誕生日プレゼントにメッセージが隠されていることを知る。「お母さんは私が見つけてみせる！」と決心したエノーラは自分宛てに隠されていた財産を手に勇敢にも家を飛び出し、母親探しの旅に出かけるのだが…。
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「女性エンパワーメント映画」だけどそれ以上にスーパーヒーロー映画だ！
source: Pin on Totally The Bomb Blog
先に結論から話しますが、私はこの作品すっごくすきでした！！やっぱりイギリスが好きなので、イギリスが題材の映画は少しひいき目で観てしまうところがありますが、それにしてもこの映画は面白い！なんつってもホームズ家が題材なのにシャーロックが主人公じゃないのも面白いし、それでいてマイクロフトじゃなくて、エノーラという妹が主人公なのが新しいですよね。全く見たことのないホームズストーリーとでも言いますか。
で、まぁ最近はてな界隈というかインターネット界隈（というものが2020年の今あるのか知りませんけども）でも話題のフェミニズム（笑）みたいな風潮ですけど、まぁこの映画も言ってしまえば女性エンパワーメント映画なので、そういう界隈からはちょっと距離を置かれそうです。
多分、2020年って元々『ブラックウィドウ』『ムーラン』『WW84』の公開があるはずで、女性エンパワーメント映画の年になるはずだったので、Netflixとしてもそこの潮流に合わせて女性スーパーヒーロー映画としてこの映画をリリースしたのだと思います。時代の流れを読み間違えないNetflix、すきだ……。
でも私は声を大にして言いたい！この映画普通にアドベンチャー映画として面白いから観たらいいじゃない、と！この映画、実はスーパーヒーロー映画なんです。
え、ミステリー映画じゃないの？！と思ったかもしれませんが、同じホームズ系で言うとロバート・ダウニーJrが主演を務めたガイ・リッチー監督の『シャーロック・ホームズ』に近いくらいアクション映画で（ブ）ロマンス映画だと思っていただければ……。（ガイ・リッチーの映画ってブロマンス映画と言うべきかロマンス映画と言うべきか悩むよね）
source: Enola Holmes: Who Are the Real Suffragists on the Flyer? | POPSUGAR Entertainment UK
この映画で面白いのはやっぱりアクションシーンの充実でしょうか。エノーラが思ってたよりも動くんですよね。こんなドレスを着てようが全然動くんですよ。どうやって動くの？！って感じなんですけど、服なんかお構いなし！って感じで。
服なんかお構いなし！って書きましたけど、結構エノーラはお着替えをしていて、というのは彼女は賢いので自分をどうみせたら相手が自分をどう評価するか、どう判断するか、というのを知っているので、いろんな服を着るんですよ。買ったり、人と交換したり、また買ったり、そして交換したり。すっごく面白いです。なのでスーパーヒーロー映画の要素と女の子のかわいい要素も抑えてたりして絶妙なんですよね。たぶんMCUのブラックウィドウの髪型が映画によって異なるのが好きな人は、エノーラのころころ変わる衣装チェンジも好きだと思います。
ちょっと話がそれましたが、アクション！アクションシーン、すごくいいんです！彼女が柔術（Jujitsu）を特訓していたという設定なので、本当によく動くんです。しかもそれが「女の子もこういうことできます～」みたいなアピールのおまけアクションシーンというよりも、結構この映画のメインなんじゃないかと思うくらい結構なボリュームで入れられているんですよね。しかもアクションシーンの中で成長が描かれたりなんかもして。それが、もう使い古されたやり方ではあるんだけど、やっぱりベタは面白い！問答無用でアガるのです。
source: [WATCH] Millie Bobby Brown In Netflix's 'Enola Holmes' Teaser
あとこの映画、というかエノーラは結構第四の壁を越えてくるデッドプールみたいな感じです。
つってもデップーみたいにメタ発言とかはしないんで、『スパイダーマン ホームカミング』の冒頭、ピーター・パーカーが自分用にビデオを録っていてそれに向かって話しかけているシーンがありますが、それに近いような感覚です。
つまり彼女は幼いので、自分の感情の高ぶりを抑えきれず、誰かに話しかけたくなっちゃう！というような感じで、その誰かに選ばれたのが観客だったっていうような感じですね。
特に冒頭、エノーラ・ホームズという誰もが知っているシャーロック・ホームズの誰も知らない妹という自分についてを観客に呑み込ませるために観客に自ら「今こういうことがあって、あ！ていうか私ね、こんな人なんだけど！それでね！今はこういう状況なんだ！」と無邪気に話しかけてくるのですが、これがテンポがいいし、セリフで全部説明するんかい！って感じですけど、第4の壁超えちゃってるしね！って感じだし、彼女の16歳感がうまく表現されているし、これは妹だわ！と膝を打ちたくなるような感じで本当にうまいです。
source: Fascinating Facts About Louis Partridge From Enola Holmes | POPSUGAR Celebrity UK
エノーラはずっと母と二人で暮らしてきたのであまり男性と関わったことがないということから恋愛というものに対してあまり耐性がないっていうのも古典的だけれど、とってもかわいくてよかったですね。16歳という年齢設定からしてもそんなに無理があることではないですしね。
このたまたま出会った名前の超長いお金持ちの青年、テュークスベリーくん。彼に熱い目線を送られたエノーラのかわいいこと、かわいいこと。「や、やめてよ！！次そんな目で私のこと見たら殺してやるから！」みたいなこと言うんですけどほんとかわいいんですよね。そんな彼女が恋愛的にもどう成長していくのかという帰結も私はすごくすきでした。
まぁあとこれはマジで月並みのことを言うんですけど、テュークスベリーを演じたルイス・パートリッジくん……顔綺麗すぎないか……？いやもう人類はティモシー・シャラメに出会ったからもう私は並大抵の美形にびっくりしないよ？もうびっくりしないと思ってたんですけど、なんだこの人は…………。びっくりするほどかわいいな…………。綺麗だな……。と思ってググったら17歳って知ってひっくり返りました。犯罪になってしまう。ちなみに主演のミリー・ボビー・ブラウンさんも16歳！期待の新星って感じですね。もうどんどん若い才能が出てくるな～！私は未見で申し訳ないのですが、『ストレンジャー・シングス』シリーズで一躍有名になった方だそうです。
source: In Enola Holmes, Sherlock’s kid sister solves a pretty good case of her own - LOUDLABS
そして忘れてはいけないのが、あの『マン・オブ・スティール』でスーパーマンを演じたヘンリー・カヴィルが今度はシャーロック・ホームズを演じているわけですよ！アメリカの代表的なキャラクターとイギリスの代表的なキャラクターを演じたのはRDJかヘンリー・カヴィルかみたいになってきましたね。
さて、そんなヘンリー・カヴィルの演じるシャーロックですが、シャーロック感はない。それはさすがにない。というのもやっぱりシャーロックっていうとやせ型でなんとなく顔は細長そうで筋肉とかはついてるんだけど、マッチョというよりは引き締まっているという感じじゃねえのか……？というぼんやりとだけれど確実にヘンリー・カヴィルではないだろうというようなイメージをこんなぼんやりとしかシャーロック・ホームズを知らない私でも持っているわけですね。
でもじゃあ悪いのかと言うとそうではないと強く言いたいです。彼の演じたシャーロックはこの『エノーラ・ホームズ』では最高のシャーロックだったと言えます！というか最高だ！！！信じてくれ！！！
何を考えているのかわからないように見えるんだけど、そしてすごく無敵そうで、なんでもできそうな人に見えるんだけど、実は不器用な人で彼には彼の思うところがあるんだよ～！というのをヘンリー・カヴィルはすごくうまく演じていると思いますね！不器用だけど、なんとなく余裕そうというか人には本当のところを見せないというか、でも妹のことは気にかけてるみたいな、もう、ヘンリー・カヴィルずっとそういう不器用だけど優しいみたいな役やっててほしい！！！クラーク・ケントやめないで！！！
まとめ
全然プッシュされてないからどうかな～って思ったけど全然面白かったね、この映画……。もっとどんどんプッシュしろよ……。
結構最後までハラハラドキドキ展開が待ってますし、意外とそこは結構えげつないのか……！と思わせるところとかもあって、意外性たっぷり、だけど古典的というよう絶妙なバランスを保った一作だと思います。
アドベンチャーとしても、ヒーロー映画としても、そして女性エンパワーメント映画としても、そしてそして何よりホームズ映画としてもとっても楽しい一作です！ぜひぜひNetflixにて好評配信中ですのでご覧ください！
個人的にはシリーズ化希望！テレビシリーズでもよかったくらいです！続編はもっとマイクロフトと戦ってほしいのと、お母さんにもスポットを当ててほしいかも！でもシャーロックとの推理対決も面白い！とにかく続編！観たいぞ～！！！！！！
私の好きなシーンは、エノーラの部屋にテュークスベリーがやってきて…からのやかんでバーン！ドアブローーーック！！のシーンです。あのシーン、コロコロと展開がやってきて楽しい。
