本日の映画
今回は映画『ジョーカー』の世界的な盛り上がりを受けて、もっとジョーカーを知ろうということで、『The LEGO Batman Movie』についてお話ししていきます~!
タイトルを2000年代のニコ動みたいに書いたけどめちゃくちゃヲタクっぽくてわろてる。
あらすじ
高い犯罪発生数で知られる都市・ゴッサム。この都市で最も裕福として知られるブルース・ウェインはその正体を隠してバットマンとして犯罪と戦ってた。
ある日、バットマンの敵の一人である奇人・ジョーカーによる凶悪犯罪の報せを受けたバットマンは現場に急行する。愉快にそして最悪な展開を呼んでまるでバットマンと遊ぶのを楽しんでいるかのジョーカーをバットマンは辟易しながらも追いかける。いつもの光景であった、あの一言までは…。
「俺はお前の最大の宿敵だろ、バットマン?」
「…?何を勘違いしているかは知らないが、お前は俺にとって多くの悪党の一人でしかない。そして俺の最大の宿敵はスーパーマンだ」
「はぁ?!?!?!」
その後、ジョーカーは逃してしまったものの、なんとか彼の犯罪を食い止めたバットマンは、今度はブルース・ウェインとして警察の新本部長の就任式へと参列する。新本部長として就任したバーバラはそこで高らかに「バットマンへのさよなら」を宣言し、ゴッサムはもうバットマンを必要としないと主張する。
そんな中、またもジョーカーがこの就任式へと乗り込んできた。ブルースはすぐにバットマンとして戦闘に加わろうとするが、なんとジョーカーは降伏を申し込んできたのだった…。
こうしてゴッサムに平和が訪れ、ブルースはバットマンとしての役割を失ってしまい…?
詳しくはこちらをご覧ください。
映画『レゴバットマン ザ・ムービー』 特報 【HD】2017年4月1日公開
今作を観る前に必要な知識は?
「バットマン」とは何者なのか
今作を観るにあたっては、「バットマン」の基本設定を知らないと「え?それってどういうこと?」ということがたくさんあるかと思います。今作に関しては120%コメディなので設定知らないでいきなりこれを観ちゃってもいいのかなって思ったんですが、今作をきちんと楽しむためには設定をちゃんと知っていたほうがよいと思います。まぁどんな映画も正しく予習した方がそら面白いよ。(『カメ止め』とかは微妙だけど)
まずバットマンとは誰なのか、というのはあらすじのところでお話しした通りで、超お金持ちのおじさんです。(おじさんかどうかは話によって別ですけど。)
ヒーローと言えばスーパーパワーがつきものですが、バットマンに関してはスーパーパワーはありません!
source:https://thequotes.me/2017/11/23/batmans-superpower/
バリー・アレン*1「あなたのスーパーパワーってなんでしたっけ?」
ブルース・ウェイン「”金”だ」
こちらはスーパーマンやバットマンを集めたDC版チームアップ映画『ジャスティス・リーグ』の一場面。バリーに「スーパーパワーって何?」って聞かれて「俺は金持ちだ」と答えるブルース・ウェイン、面白いです。
とにかくブルースはこのお金を使ってありえんくらい強力な武器や乗り物を使って犯罪者たちと戦っています。MARVELでいうところのアイアンマンと似ていますね。ちなみに劇中でブルースの自宅のSiriみたいなコンピュータのパスワードが「Iron-Man Sucks!」(アイアンマンはクソ!)だったので笑いました。本当に悔しいんだな…MCUの成功が…。
ではなぜブルース・ウェインはバットマンになったんでしょうか、というのはですね、小さい頃に映画館帰りに強盗に襲われて両親が彼をかばって目の前で死んでしまってこんな世の中間違ってるぜ俺が変えてやるぜおりゃ~!!!って感じです。(雑)
とにかく押さえておくべきはブルース・ウェインは超金持ちで世間的にはとても恵まれているように見えるけど、彼には家族と言える人が召使のアルフレッドしかいないんだよ~という話。さみしい人なのです。
source:https://tvtropes.org/pmwiki/pmwiki.php/Main/ServileSnarker
ちなみにアルフレッドは皮肉あふれる召使で個人的にはほんとにすき。性格がねじ曲がっているブルースにこんなにぐさぐさ物事言えるアルフレッドほんとすき。
で、先日こんなイベントがあったことを皆さんはご存知でしょうか。
今年2019年はバットマン生誕80周年であるので、全世界でバットシグナルが点灯しました。バットシグナルとは、上図のバットマンのイラストにもあるこんなのです。
source:https://edition.cnn.com/2019/09/21/world/batman-day-signal-trnd/index.html
これは、人々がバットマンが必要になった時に空にこのバットシグナルを映し出せばバットマンが現れてくれるというそういうものなのです。「なんだそりゃ」って思ったかもしれないけど、コミックだから、もともと。
感想
やっぱり私はヒース・レジャーのジョーカーがすきだな…。ホアキンのジョーカーもよかったけど。
はい、というわけで世の中『ジョーカー』で盛り上がってますね!『ジョーカー』の感想は何が正しいのか合戦みたいになってるのもなんかジョーカーにしてやられているみたいですごい。次のオスカーが本当に楽しみになってきました。
さて、私が今作を観るに至った理由ですが、実はこんなツイートを目撃したからでした。
レゴバットマンはジョーカーとバットマンのラブコメでありつつ、バットマンの抱える孤独とかしっかり掘り下げててちゃんとバットマンしているのでオススメです
— スマツラ (@sumatula485) October 10, 2019
ジョーカーがヒロインです pic.twitter.com/JPwe3DxNnn
いやもうこんなかわいらしい動画見たら無理じゃん。一瞬でもこんなやり取りがあるなら観たいじゃん、と思って観始めたのでした。
①レゴ映画すげぇ!
実はレゴ映画って結構前からいろいろ作られています。たとえばこんなの。
2013年の『レゴバットマン』。かなりCGアニメ感が強いですね。
ですが、今作はCG?いやもしかしてストップモーション?と思ってしまうくらいちゃんと「LEGO」として描かれているのがすごいです。炎や水といったものまでレゴというこだわりよう。
実は私まだ『レゴムービー』を観ていないので、これはかなり感動しました。『レゴムービー』はかなりの良作と聞いているので早く観ないとなと思っていましたが、今作を観て本当に思いましたね…。
あとちょっとネタバレになってしまいますが、今作のクライマックスはレゴだからこそといったものになっていて、なぜレゴとしてのバットマンの物語を描くのか、というのをストーリーとギミックの両面でしっかりと描くのも魅力的でした。
子供向けでありながら、説得力を持たせて来る感じ素晴らしいですね。子供向けとは子供だましを意味しないという言葉を思い出させました。
②キャラクターの特徴を振り切らせてて面白い
source:https://batman-news.com/2017/02/04/lego-batman-movie-voice-cast-new-images/
ここ最近の実写映画たちはヒーローに「実在感」をもたせるためにキャラクターの新庄の複雑さなどが際立っていましたが、今回は割と一見さんいらっしゃい映画なので、それぞれがどんなキャラクターなのかわかりやすく強調されています。コメディ映画なので、それがバランスを崩すということにもなっておらず、むしろ映画にいい影響しか与えていなくて面白いですね。
ちなみに私が一番意味わからなくて面白かったのはボイスパーカッションをし始めるバットマン。え?!ボイパ得意なん?!?!と混乱。そんな設定があるならベン・アフレックバットマンでも観たかったんですけど(笑)*2
③バットマンとジョーカーのラブストーリーです。これはガチです。
はい、つーわけでね、今までいろいろ話してきましたけど全部忘れてもいい。でもこれだけ覚えて帰ってほしい。『レゴ・バットマン』はジョーカーとバットマンのマジのラブストーリーってことだけ。ほんとにこれだけ。
いや先のツイートを見て本当にあのシーンだけ見られれば儲けもんだなって思っていたんですけど、実際本編見てみたらなんというか全編にわたってジョーカーとバットマンの痴話げんかっていうか青春物語っていうか、一番わかりやすく言うと『スターウォーズ』のエピソード2って感じで「俺は何を見せられているんだ?」っていう風に思っていると話が終わる。これはマジ。
自警する必要がなくなったゴッサムにはバットマンが要らなくなってしまいブルース・ウェインはバットマンという自分のコアを失くしてしまうってこのストーリーライン考えた人天才か?ジョーカーを否定したことでアイデンティティ失うってこれ何
— 🕷⚡️下呂あやめ🏳️🌈🦗 (@slhukss1) October 15, 2019
マジでこれ何?ジョーカーとバッツのラブストーリーとかもうそんなの超えたじゃん ジョーカーとバッツの愛の記録じゃん
— 🕷⚡️下呂あやめ🏳️🌈🦗 (@slhukss1) October 15, 2019
最初はキャッキャと観ていた私もすべてを観終って「何これ」というような始末です。それほどジョーカーとバットマンの二人の痴話喧嘩だったんです。本当です、信じてください。
『ジョーカー』からDC入って『レゴバットマン』次に見たら混乱して自害しそう。よかった先に『ダークナイト』トリロジーとか『スーサイドスクワッド』とか観てて。
マジで近年まれにみるラブストーリーでした。『レゴバットマン』の次くらいにすごいラブストーリーは『ヴェノム』かな…。
まとめ
というわけで今回は『レゴ・バットマン』についてお話ししてきました。ちなみにジョーカーとバットマンの話ばかりしてしまいましたが、公式の根幹のお話しは「バットマンにも家族はいる」です。すみません。
それにしても本当に子供向けとは思えない仕上がりになっていて、心の底から楽しめる作品でした。コメディとしても、バットマンのストーリーとしても、そして普通に映画としても十分楽しめる一本です!
子どもだけに飽き足らず大人にもお勧めできる作品です!(※でも『ジョーカー』の後に観るのはやめよう!)
おまけ『ジョーカー』感想
source:https://www.uhdpaper.com/2019/09/joker-2019-movie-poster-joaquin-phoenix.html
上でも書いたんですけど、この作品に関しては感想を語ってしまうことこそがなんというかジョーカーに遊ばされている感じがして負けって思うんですけど、正直あんなもの観て何も言うなっていうのも無理な話ですよね。
巷ではいろんな考察?や感想が見られますが、私はもうあの映画に関してはあのまま受け取りました。この映画においてはジョーカーはバットマンに執着している奇人ではなく、世の中に作り出されてしまった犯罪者…というか、ピエロなのだな…と。
というかジョーカーがなぜ生まれてしまったのか、という話よりも私はこの映画がとにかくやばいって話を純粋にしたい。
彼の人生は本当にどん底でああ、可哀想にと思わざるを得ない人生だったんだけど、それでもあの人がいてよかったね、あなたにはこういうところがあってよかったね、って思っているところがあったんです。でも、その一つ一つが非情にもどんどんガラガラと崩れていくというか、そんなもの最初からなかったのだよ、と突きつけられて「絶望」を経験させられ、「不要」の烙印を押されてしまう。これを観客がこんなにも同時に体験できる映画があるんだろうかと、私は劇場で本当にまんまと監督とホアキンにしてやられた悔しい!負けた!と思いながら観ていましたよ。
そしてやっぱりなんといってもホアキン・フェニックスが減量して作り上げたあの痛々しくも「気味が悪い」背中。彼の悲哀と、絶望と、怒りと、寂しさが全部あの背中につまっているようでした。
この映画が素晴らしかったのかどうかは私にはわからなかったけど、少なくともしばらく忘れられそうな映画ではないし、今この映画がアメリカで公開されて「しまった」ことは大事件だなと思いました。勝手にジョーカーが生まれるのではないのだという痛烈なメッセージ。日本にも通じるところがありますね。
「社会」に入れなかった人はどうしたらいいんでしょうね。誰かが助けてくれるのを待ったらいいのか、ジョーカーになるしかないのかな。
*1:バットマンやスーパーマンが所属するコミック社DCに同じく所属する超高速で動けるヒーロー、フラッシュの正体。演じるのは『少年は残酷な弓を射る』『ファンタスティック・ビースト』シリーズなどで知られるエズラ・ミラー。フラッシュは今後単独映画が製作されるとアナウンスがあるが、詳細は不明。
*2:ベン・アフレック…『バットマンVSスーパーマン』や『ジャスティス・リーグ』でバットマンを演じた俳優。『ゴーン・ガール』や『アルゴ』などで有名で、俳優業だけでなくプロデューサーや監督としても活躍している。先日バットマンからの卒業をテレビ番組で発表。次のバットマンにはロバート・パティンソンが決定している。