きねまないと

最近映画が好きになった20代が素人目線で好き勝手に映画の感想を綴るブログ。

こんなクソ映画観たこと無い!どこに出しても恥ずかしい!『ヲタクに恋は難しい』を徹底批評!

 

本日の映画

今回はヲタクに恋は難しいについてお話していきます。

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source: 高畑充希・山﨑賢人主演の映画「ヲタクに恋は難しい」にセルシスが「CLIP STUDIO PAINT」で協力|株式会社セルシスのプレスリリース

 

 

あらすじ

桃瀬成海高畑充希)は至って普通のOL。あることがきっかけで転職をしたのだが、そこで偶然出会ったのは幼馴染の二藤宏嵩(山﨑賢人)だった。思わず声をかけてしまった成海だったが、宏嵩は自分の秘密を知っているのだったと思いだして、急いでその場を離れようとした。ああ、これで私の秘密は守られた、そう思った瞬間だった。

「そういえば成海、相変わらずコミケとか行ってんの?」

実は成海は職場が同じだった元彼にヲタバレしたことがきっかけで彼氏と別れ、職場にも居づらくなったことが原因で転職をしていたのだった。

その後成海と宏嵩は二人で飲みに出かけ、宏嵩は成海がヲタクであるということを隠していたことを知らなかったため、自らの発言を謝罪する。宏嵩もゲームヲタクであったが、自身はヲタクを隠していないため成海がそんなことを気にしているとは思わなかったのだという。

「ヲタクはモテないよ~。もう今度の彼氏には絶対ヲタクを隠し通す!」

そう宣言した成海を見て、宏嵩はふとこんな事言いだす。

「じゃあ、俺でいいじゃん。」

こうして始まったBL大好き腐女子とゲームヲタク男子の恋の行方は??

 

詳しくはこちらを御覧ください。

www.youtube.com

 

2000円で行ける地獄へようこそ

はい、というわけで2020年はまだ何も漫画実写映画作品を鑑賞できていなかったのでこれはまずい!!!2020年の作品を鑑賞しなければ!ということでふと思い浮かんだのが今作でした。もうすでにこの作品がやばい、とにかくひどいという話はTwitterで目にしていたのですが、私のモットーは「観ていないものは悪く言わない」なので、実際観てみないとわからないですよねぇ!というわけで今作も観てみることにしました。

いやしかしこれ観てみたんですけど……『銀魂』で福田雄一を調子に乗らせたヲタクへの因果応報以外の何物でもない映画が仕上がってて最高なヒップホップかましてんなァ~~~ってなりました。ひどいひどいとは聞いてたんですけど、予想以上にひどくてこれを映画と呼ぶのは『TENET』に失礼ですよ……と頭を抱えましたね。同時期にやってた映画全部に謝ってほしい。

福田雄一演出が辛い

まぁまず開幕からもう頭抱えるわけです。もう『TOO YOUNG TO DIE 若くして死ぬ』で長瀬智也が「地獄へようこそ!」とか言ってたけど*1、これのほうがよっぽど地獄です。

映画が始まって体感5分ほど見せられるのが福田雄一が大好きな佐藤二朗のあの演技なんですよね。。。あれってなんか深夜に頭回ってないときに酒とツマミと一緒に観るから良かったのであって、2000円払ってスクリーンで見せられると「バカにしてんのか?」っていう気分になるしかないんですよね……。ていうか私が高畑充希だったら佐藤二朗に「カホコのときの演技はどうしちゃったんですか?!」って泣きついちゃう*2。そういう意味では佐藤二朗は演技の引き出しが豊富で素晴らしい役者だなと思うのですけれど。ほんとでもこんなバカみたいな映画観るくらいなら『過保護のカホコ』見たほうがよっぽどいいですよ。竹内涼真かっこいいしね。

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source: 竹内涼真が「おいで」とハグ! 視聴者大興奮の『過保護のカホコ』 /2018年9月20日 1ページ目 - エンタメ - ニュース - クランクイン!

 あと福田雄一作品といえばムロツヨシね……。ムロツヨシ佐藤二朗をどうにかしてねじ込みたいという福田雄一の傲慢さには本当にほとほと呆れるよ。わかりますよ、わかります。佐藤二朗ムロツヨシが出てくることがあなたの作品の一つの特徴になっていることは認めますけれども!だからといって無理やり出さなくても大丈夫です……!!!!ムロツヨシバーテンダーという役で出てくるんですけど、これがまた本当に関係ない。というかムロツヨシを出すためのバーに行くためにゲーヲタである宏嵩が何を血迷ったかいきなり一人でちょっと酒に浸りたい気分になるという明らかに逆!!!逆だよ!!!!!!みたいな展開になっていくんですよね。

まだ佐藤二朗の主人公たちの上司っていうのはまだ100歩譲ってわかるとしても(※原作には出てこない)、ムロツヨシの役、いらね~~~~~!!!!!!!!!(※原作には出てこない)

あと私はなんとしても賀来賢人福田雄一の手から救い出したい。本当はもっといい演技ができるのに、なんであんなおもしろお兄さんみたいな役ばっかりやらされているの賀来賢人……。辛い……。(※賀来賢人の役も原作にはいない)

 

②作り手のヲタク知識がガチャガチャ

皆さんはどこのご出身ですか?私は東京です。さて、出身地をいうと「あ~○○県人は✕✕だよね~~」とあらぬレッテルを張られることはないですか。例えば一番わかり易いのだと「大阪出身の人は面白いことを言う」「京都人は嫌味っぽい」「沖縄の人はゆったり」とかとか。でも、果たしてそれは本当にそうなのか……?!?!と思いませんか……。比較的そうかもしれないけど、どいつもこいつもそうなのか……?!みたいな。

この作品はヲタクに対するそんなレッテルで構成されているんですよね。しかもどちかっていうと、『電車男』とかそれくらいのヲタクのテンションで作ってるんですよ……*3。今令和ですよ、みなさん……。

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source: 高畑充希と山﨑賢人のヲタクカップルが愛おしくなる! 映画『ヲタクに恋は難しい』は攻めたミュージカル映画です | Pouch[ポーチ]

 いやもういつの時代のヲタクやねん……!!!!!!!みたことある?!こういうヲタク?!私はない!!!!!!私はないよ!!!!!ほんとにいるんかこんなヲタク?!いやいるとしても、これはあまりにも「ヲタクでない人々が思い浮かべるステレオタイプヲタク」すぎませんか?!今のヲタクってこれでしょ?!

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 こういう好きなアニメとかのグッズに身を包む感じでしょ……!法被にはちまきサイリウムて!!!!!!

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ヲタ芸極めてる人々でさえこのカッコですよ。ちょっとヲタクアップデートが足りないんじゃないんですかね????

しかも登場人物たちも漫画のほうが2014年に投稿されたものなので少しヲタクとしての喋り方に時代を感じるものが多かったりとかして「おk」とか「よろ」とか今どきどこのヲタクが使ってんだ???なんJ語ですらねえのか*4????「○○しか勝たん」くらい言えねえのかとか思ったりするわけですね。

かと、思うと「FGO」とか「梶裕貴」とかちょっとそれっぽい話題も入れてあったりするんですよね*5。そして、梶裕貴については説明とかあるんですけど、FGOとか全く説明ないんですよ。ていうかコミケでさえ説明もない。せっかく原作にいない非ヲタク女子キャラ作ってんだからそいつを使って用語の説明をしてやれよ!山﨑賢人のファンとか可哀想だろ!なんにもわかんなくて!!!!

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source : 元乃木坂46メンバーが『ヲタクに恋は難しい』でコスプレ! - シネマトゥデイ:映画の情報を毎日更新

あと主人公が会社の飲み会で来てた居酒屋でコスプレしてるヲタク友達と会うっていうシーンがあるんですけど、もうここの違和感がやべえ。さすがにコスプレは許された場所でしかヲタクもやってないということを認識してますよというポーズなのか、「コスプレのイベントがやってたから今日に限ってコスプレしたまま来店が可能」という設定にはなっているのですが、この主人公の友達たち以外にコスプレのまま来てる客はいないんですよ!ほかはみんなサラリーマンとか普通の人たちなんですよね……。

しかも半径2mは無いだろう、ソーシャルディスタンスは皆無だろうという席で急にそのヲタクたちがいきなり自分のキャラになりきって話し始めるんですよね……。いや痛てぇ~~~~よ!!!!!自分の友だちがいきなりそんなことやり始めたらさすがに引くわ!!!TPO考えろこのクソヲタ!!!!!って言うわ!!!ていうかまず大前提として、コスプレする系のヲタクたちは自分が一生懸命こさえた衣装をそんな酒屋でどんな匂いがつくかもわからん、どんな好奇な目にさらされるかわからん場所に持っていきたいんですか?!私だったら買ったばっかりのお気に入りの服とかはあんまり飲み屋に来て行きたくないんだけど!!!それが自分で作っている衣装ならなおさら嫌では……????

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source: 【衝撃】最近の「ニコニコ動画」で見なくなった言葉ランキングトップ10発表 | バズプラスニュース

そしてもう私が大学生だった頃にはオワコンなどと呼ばれていたニコニコ動画……。今作ではそのニコニコ動画の象徴とも言うべきコメントが流れていくような演出が5回くらい出てきます。もう私は目を疑ったよ。2011年か、ここは……?とね……。怖くない?ヲタクはいつまで経ってもアップデートされない間抜けな人種だと思われてんだよ?ヲタクコンテンツでがっぽり稼いでるやつがこんな意識なんだよ?やばくない?普通ヲタクで稼いでるんだからヲタクのこと調べるでしょ、敬意があれば。ま、ないんだろうね……。

つまりこの作品は「ヲタクってマジきもいよねw」みたいなよく知りもしないで作ってるおっさんの偏見が詰まってる作品なんですね~。ヲタクはキモいけどキモさはアップデートされてるんでちゃんと研究してください。

 

③映画としてブサイクすぎる

まぁここまではお前の好みだろうという話かもしれませんがね、じゃあそうだとしてもこの映画本当にひどいですよ、作品としても。これは私の好みとかじゃなくて「え?これもしかして映画撮ったこと無い高校生が文化祭で初めて撮った作品なのかな?」みたいなところがめっちゃあるんですよ。ていうか今どき高校生でももう少しいいもの撮れると思いますけどね。

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source: あの映画そっくり!?『ヲタクに恋は難しい』でまさかのパロディー - シネマトゥデイ:映画の情報を毎日更新

まず第一によくもまぁこんなに恥ずかしい『ラ・ラ・ランド』パロディーを撮れますよね*6。本当にあきれるっていうか、ある種才能を感じますよ本当に。ほんとこのシーン始まった瞬間キレましたよ私は。『ラ・ラ・ランド』は私の大好きな映画の一つなのにこんなブサイクなパロディーを作られるなんて思わず、これまで信頼していた斎藤工にまで失望を感じましたよ。わかってる、斎藤工高畑充希になんの罪もないことは……!

にしてもこのシーン、映画としての必然性がまったくないんですよね。突然正気を失った(としか思えない)斎藤工高畑充希に「踊ろうぜ」と言い出してタップダンスを踊りだし、高畑充希もよくわからんとなりながらしっかりバッチリ踊ってたりして、なんなんだ、これは何を見せられているんだ……?!と困惑します。

あとこういうこと書くと「このシーンは宏嵩と少しのすれ違いを感じている成海が先輩である樺倉と(先輩後輩として)親密になり、その後宏嵩が勘違いをするというシーンにつながるための布石だということもわからないのか」みたいなコメントいただくんですけど、じゃあ言うが、その話の展開それ自体がブサイクだっつってんだよ!!!でもそのシーンが必要だったとしてもよ、この恥ずかしい『ラ・ラ・ランド』のパクリでそれを表現しようっていうのは本当に恥ずかしい以外の何物でもないんですよね。そしてもっと言うなら、原作において樺倉と成海はこんなふうに恋愛面で発展することはないんですよ……。

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source: Everything you need to know about The Phantom Of The Opera in London

 そしてさらには『オペラ座の怪人』のパロディまでやらかすからね、このクソ映画。あ、クソ映画て言ってしまった。(ちなみに上の画像は本家『オペラ座の怪人』からですが、本作には上記のシーンの恥ずかしいパロディがあります)

なんかもう本当に映画を作る人々としてこれに関わった人間は恥ずかしくないのか?と正気を疑ってしまうレベルで恥ずかしい『オペラ座の怪人』パロディですよ。本当に。よくこのクオリティのミュージカル映画で『オペラ座の怪人』をパロディしようと思ったなと『オペラ座の怪人』ファンはブチギレていいですよ。

ミュージカル映画として本当に無粋だな~と思うのは、ミュージカル映画さえもバカにしてるところなんですよね。「突然歌い出しちゃうなんて馬鹿じゃないの?」感がそこかしこに表れているというか。それが悪いってんじゃないんですよ。かつて森山未來タモリもミュージカルがわからん!って盛り上がってましたからね*7。(その後森山未來はミュージカル作品に出演したことでその気持を改めるのですが)だからミュージカル作品をバカにするのがよくないんじゃなくて、作る側ならミュージカル作品をバカにするなって話ですよ。菜々緒ムロツヨシが歌い出すシーンで宏嵩演じる山﨑賢人が「歌とかいいんで」とか言い出すんですよ。え、じゃあこの作品では歌っているシーンは全部本当に現実で人が歌っているということなの?バカじゃないの?リアリティラインという言葉をご存知でない?そしてこのシーンが対して面白くないんですよ。百歩譲ってこのシーンがどっかんどっかんウケるシーンならいいんですけど、これがまぁ面白くない。だからリアリティラインまで取っ払ってまで差し込むシーンなのかよとうんざりしてしまいます。

そんでこいつミュージカル映画やりたいだけで全く関係ないこの作品を巻き込んだんだろうな~って思ったら、まじでそうでした。福田雄一はアニメはアニソンが流行ってるし、合うやろ~~って思ったらしいんだけど*8、お前はもしかして、アニメはずっとミュージカルみたいに進むと思っているのか?大丈夫か?僕はミュージカルアニメなんて言われても『マクロス』くらいしか浮かびません……*9。『ぴちぴちぴっち』とかですか……*10?わからん……。福田雄一のその理屈全然わからん……。

もうこの映画のミュージカルシーンで知れることは高畑充希やっぱ歌うめ~~~~~くらいです。

 

④ていうかこれ原作読んだのか

私はこの作品を見終わったあとにアニメは5話まで、原作はPixivコミックで読めるところまで読みました。

comic.pixiv.net

これを言ったらおしまいといえばそうなんですけど、この作品は映像化が全く向いてないですよ……。例えばです、例えば。

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source: ブーンAA|顔文字ちゃんねる

 この作品が発表された2014年、まだギリギリこんな顔文字を使っていた人もいたと思います。そして作品内ではこんな顔文字のような表現が漫画の中で用いられています。そして私は実際この漫画は面白いなと思いましたよ。なぜならこの漫画は文字でありただの絵であるから……!!!!だから痛くないんですよギリギリ!だって声にならないし動かないから……。聞きますけど、このブーンとかいう表現、しょこたん中川翔子)以外で本当に声に出して言ってた人ってヲタクの中でも稀だと思いませんか*11?!実際はこんなこと現実で言わんのですよ。そしてこの作品はわかりやすくヲタクってこういうものだよねってある種のセルフパロディ的にキャラクターたちに言わせてるわけよ。(まぁ「成海どん」「宏嵩どん」とか呼ばせてるのはやりすぎだと思うけど。そんなふうに呼び合ってる人見たこと無いし流石にキモヲタじゃんってなる)だからこれは文字、そして動かないからギリギリ成立する作品なわけですね。

 

そしてそんな漫画を忠実に映像化したアニメはどうかというとね、きっついですよ……。見るに耐えないですよ……。いや誰も悪くないんよ、アニメーターもいい仕事してると思う。(少し作画崩壊あるなって思ったけど)声優も頑張ってる(ちょっとテンション間違えてると思うけど)、漫画の雰囲気出そうとしてる。そしてこの漫画の作者だってそりゃ作品が映像化されるのは嬉しいから断る理由もない。……お前だよお前、監督てめえだよクソ……。ヲタクだって『銀魂』喋りの女キモいって思うみたいにな*12、現実でネットみたいに喋ってるヲタクのことは痛いと思ってんだよ……。だから映像化するときに「これはちょっと聞くに耐えないのでセリフをもう少し柔らかいものにしましょう」とかなかったんかなって……。

そして今回の実写化……アニメはそれでも原作にただ忠実にあっただけといえばそう。でも今回の実写化はただの改悪なんですよね。過剰にヲタク喋りを加速させて(しかも追加されているような喋り方は2000年代初期らへん)、そして変な設定まで足しているわけですね。例えば先程の樺倉(斎藤工)が成海と宏嵩の仲に亀裂を入れかける存在になっていたり、花ちゃん(菜々緒)なんか成海との接点は皆無でただただ宏嵩にちょっかいかけてくるバーで出会ったよくわからんコスプレ好きのお姉さんになってるし。この作品のファンで樺倉や花ちゃんがすきな人はどんなふうに今回の実写化を観たんだろうか。私だったら久々に「原作レイプ」っていう言葉を使ったと思いますね。これは推しのコスプレをした誰なんだ……?ってね。

 

⑤原作に忠実にあるには恰好を忠実に再現するべき……なのか?

今回の実写化、福田雄一の手掛ける実写映画によくある特徴の一つとして、「静止画で見れば良い」というものに当てはまっています。というのはこちら。

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source: 高畑充希×山崎賢人 福田雄一監督『ヲタクに恋は難しい』に菜々緒、斎藤工 - 映画・映像ニュース : CINRA.NET

 まぁよさそうじゃないですか。本当にコミックから出てきたような出で立ちで。いやでもね、それは『銀魂』の場合は求められていたと思いますよ。ええ。だって『銀魂』ってみんなありえない世界の住人だし、みんなのビジュアルがキャラクターの魅力の一つみたいなところありますから。

でも『ヲタ恋』の場合はどうでしょうか。成海がピンクのスーツを着てたり、花ちゃんが緑の頭なのって漫画としてキャラクターを個性付けるためにされているだけで、重要な要素ではないと思うんですよね……?だってこの世界は私達が暮らしているこの世界であって、キャラクターたちも私達となんら変わらないという設定なので、マジで頭の色が緑だったり、ピンクのダサいスーツ着てるわけじゃないんですよ。わかりますか、福田雄一。あなたに言ってるんですよ。

だってこの作品がヒットした理由、一応こんなふうに言われてるんですよ。

書籍化以前から、オタク趣味を持つ女性たちから広く共感を得ており

source: 

ヲタクに恋は難しい - Wikipedia 

 (まぁ私自身はこの作品に共感するヲタクはみんなどうかしてると思うけど)

じゃあ実写映画にする場合はもっとリアルに描くべきなんですよ、漫画に忠実であるんじゃなくて。山﨑賢人は髪の毛を青色にする必要もないし、高畑充希はもっとおしゃれなOL(非ヲタの擬態がうまいという設定だから)のカッコをすべきだし、菜々緒だっていつもの菜々緒でいいし、斎藤工は顔が怖くないのでもっと顔が怖い人をキャスティングすべきだと思います。

でもね、この福田雄一って人は多分よく読みもしないで、そして分析することもなく「実写化するならこういうアプローチでいいんだよ」みたいな『銀魂』でなまじうまくいったからって(『銀魂』でさえブサイクな出来なくせに)バカみたいに同じやり方でぜんぜん違う作品を実写化させてるんですよ。ほんとお前漫画の実写化なめんなよって話なのよ。

そんでもう福田雄一はインタビューで「ヲタクに恋は難しい」というタイトルにあるからってヲタクを表現するために「ヲタクの人たちが使っているかどうかわからないけど」、ヲタク用語をしゃべるようにさせたっていうんですよ*13。いや、バカか?????って感じなんですよね……。ヲタクが喋ってるかどうかわかんないのにヲタク用語入れたのかよ。でもこれ福田雄一は原作者であるふじた氏に脚本を監修してもらったらしいんですけど、これふじたさんのせいにすんなよ。お前の力量不足をふじたさんに押し付けんな。お前がもっと真面目に勉強しろよ。って感じです。

 

まとめ

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source: 映画『ヲタクに恋は難しい』観るならここに注目!実際の感想は?「山崎賢人の顔面が尊い…」|numan

 はい、というわけで今回は『ヲタクに恋は難しい』という作品についてお話してきました。全体的に福田雄一の遊びの餌食になったっていう可哀想な作品だなぁって思ってます。唯一良かったのはスタイリストかなって思ってるんですが、スタイリストも途中で気が狂い始めるのでだんだんこの映画は死にます。(山﨑賢人のスタイリングと、高畑充希の擬態モードの服はかわいくてよかった)

あと上で書き忘れたんですけど、この映画冒頭らへんの高畑充希が池袋の街でミュージカルしだすシーンでガストが映るのですが、その後山﨑賢人と高畑充希が行くガストらしきファミレスの看板はわざわざ「グスト」に直されていて、映画の中でもこういう細かい矛盾があってほんとにブサイクなんですよね~。もう福田雄一一回クリストファー・ノーラン*14とかクエンティン・タランティーノ*15とかに後ろから刺されて最後アリ・アスター*16に頭もがれればいいのにな~って思いながら観てました。それかデイミアン・チャゼル*17にしごかれればいいのにね。

いやでも原作にもちょっと難ありかなとも思いましたけどね。だって「ヲタクに恋は難しい」とかいうけど、ヲタクを理由にすんなって思いますもん。ヲタクでも恋愛しまくってる人はいるし、ヲタクじゃなくても恋愛できなくて困ってる人いますよね。実際私の周りはヲタクだけどわりとやべ~恋愛かましてる人とか多いです。恋愛が難しいと思うのであれば、それはヲタクが原因なんじゃなくてその人のパーソナリティが原因だと思っています。だって本当に恋愛したいんだったら恋人を優先するようにするか、恋人の優先順位が低くてもいい人とか、趣味に対して理解がある(一緒にはまらなくてもいいから否定しない)人とか探す努力をするでしょ。それをしてないんだったらあなたの中で恋愛は優先順位が低いんだよ。無理に恋愛する必要ないよ。焦るな。楽しめ、ヲタクを。宮田俊哉の生き方を見習え*18

*1:『TOO YOUNG TO DIE 若くして死ぬ』…宮藤官九郎の監督・脚本による神木隆之介長瀬智也出演の地獄コメディ。この作品は結構ひどくて個人的には最悪な映画でした。世間的には賛否両論だけど賛のほうが勝っているイメージ。

*2:過保護のカホコ』…日テレ系の2017年のドラマ。高畑充希主演で、佐藤二朗高畑充希演じるカホコの叔父役として出演。

*3:電車男』…2ちゃんねるへの書き込みが話題を呼び、後に書籍化、映像化などがされたもの。2004年の書き込みから始まる。

*4:「なんJ語」…2ちゃんねるスラングの一種。「~ンゴ」「クレメンス」などが有名。

*5:FGO」…正式名称は「Fate Grand Order」。『Fate/Stay Night』を始めとする『Fate』シリーズから出たオンラインゲームでヲタクに死ぬほど人気。

*6:ラ・ラ・ランド』…デイミアン・チャゼル監督のミュージカル映画エマ・ストーンライアン・ゴズリング出演。一見キラキラしたいい映画っぽいが普通にトラウマになるレベルの傷抉りまくり映画。同監督の『セッション』を観てだめだった人は見るのをやめたほうがいい。

 ちなみに以下の記事では福田雄一を褒めています。(まぁ福田雄一というより『アオイホノオ』がすきだという話なのですが)

slhukss1.hatenablog.com

*7:

タモリは「観たくない」と公言するほどミュージカル嫌いで知られる。

source: 

タモリが“大嫌い”なミュージカルを初めて観た真相を語る。「三谷幸喜が意地になった」 (2013年12月20日) - エキサイトニュース

*8:出典元:映画「ヲタクに恋は難しい」福田雄一監督インタビュー【ディレクターズカット版】 - YouTube

*9:マクロス』シリーズ…可愛い女の子が歌って怪物を倒すような作品(語弊)。SFロボットアニメです。近年だと『マクロスF』が有名。

*10:ぴちぴちピッチ』…少女漫画雑誌「なかよし」で連載されていた少女漫画。アニメ化もされている。人魚である主人公るちあが人間界へと忍び込み、人間界に潜む敵を歌唱力でぶっ倒すという今で言うプリキュアに近い作品。

*11:しょこたん語…もともとは2ちゃんねるなどで用いられていた言葉だったり、それを基にして中川翔子が作った造語だったりなど。ちなみに近年では2ちゃんねる用語しょこたん語Twitterなどで用いている様子はない。参考:

twitter.com

自身のYouTubeチャンネルでは挨拶として「とぅっとぅるー」を使っているようだが、動画の中ではあまり2ちゃんねる用語を用いている様子はない。

参考:

www.youtube.com

*12:「だよォォォォォ」みたいな喋り方を俗に『銀魂』のような喋り方という

*13:出典元:映画「ヲタクに恋は難しい」福田雄一監督インタビュー【ディレクターズカット版】 - YouTube

*14:クリストファー・ノーラン…『TENET』『インセプション』の監督

*15:クエンティン・タランティーノ…『ヘイトフル・エイト』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』などの監督

*16:アリ・アスター…『へレディタリー』や『ミッドサマー』などの監督

*17:デイミアン・チャゼル…『ラ・ラ・ランド』『セッション』の監督

*18:宮田俊哉ジャニーズ事務所Kis-My-Ft2所属の男性アイドル。ヲタクであることを公言しており、ラブライバーなことでも知られる。自身プロデュースで同グループのメンバーで、仲のいい玉森裕太とのBL風のライブ演出を行ったり、『Be Love』というドラマに出演するなどしている。いや何やってんの?

www.youtube.com