はじめに
2017年、私は勝手にこんな目標をたてました。「どんだけ面白くなさそうな映画でも、少年漫画を原作とする実写映画は全部観てみよう」というとんでもない目標を。この目標を知った私の友人たちは、心配するでも止めるでもなく、「えっ(笑)めっちゃ(笑)楽しそう(笑)じゃん(笑) どれがよかったかブログにまとめて発表してよ(笑)」と言いやがった言ってくれたので、今回はその約束を果たすための記事です。
というわけでいってみましょう!!第一回!2017年少年漫画原作実写映画ランキング~!!!!!!!!!
↑こんな話はしません。
■ノミネート作品
①『土竜の唄~香港協奏曲~』
source:土竜の唄 香港狂騒曲 : 作品情報 - 映画.com
②『銀魂』
source:テレビ東京・あにてれ 銀魂
③『東京喰種 トーキョーグール』
④『逆光の頃』
⑤『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』
⑥『亜人』
source:「亜人」既刊・関連作品一覧|講談社コミックプラス
⑦『斉木楠雄のψ難』
source:斉木楠雄のΨ難のアニメ見放題 | dアニメストア
⑧『鋼の錬金術師』
以上8作品です。本当はもっと少年漫画(※今回は青年漫画も「少年漫画」に含ませていただきます。)を原作とする映画があったのかもしれませんが、私が今年観た少年漫画原作映画をノミネート作品としてさせていただきました。
■評価方法
評価のポイントとしては、以下の3点を重要視していこうと思います。
①映画としてちゃんと面白いか
→漫画を原作としているとはいえ、媒体としては「映画」なので、まず映画として面白いものになっているかどうかを一番重要な点とします
②原作漫画の設定や展開を捻じ曲げていないか
→とはいえ漫画を原作として作っているものなので、改悪するよな設定はなしだな、と思います。そのため、改悪がないということを次に重要な評価点とします
③期待値との良いギャップ!
→面白くなさそう~と思って観に行った映画がかなり面白かった!というのは映画体験の中でもかなり良い体験だと思っているので、この良いギャップがかなり感じられた作品は高ポイント!とします
■早速ランキング!7位~3位!
第7位
当ブログでもすでに記事を作成済みの『鋼の錬金術師』が7位にランクインです。
今作は7位という順位ではありますが、個人的にはかなり健闘したと思っています。というのは、まず欧米人のキャラクターであるのに全員日本人キャストで挑んだことや、邦画のCG技術、そして予算の中で、『鋼の錬金術師』を描こうとしたらこれが限界だろうと思うわけです。
ただやっぱり映画として面白かったかと言われればかなり微妙かと思います。原作を知らずにこの映画だけ観に行った場合にはなんだか展開が多すぎてついていけないと思いますし、さらに言えば原作を知らないと急展開なストーリーを補完しながら観進めていくことができないので、何が何だかわからないうちに映画が終わっているように思います。
そして今回一番残念だったのは上掲した記事でも述べましたが、ディーン・フジオカさん演じるロイ・マスタングのロイ・マスタング要素の無さでしょう。ディーンさんは本当に原作を読んだり、アニメを観てからロイ・マスタングを演じようとしたのかどうかかなり疑わしいです。
この記事を読む限りでは彼は原作に目を通したようですが、それであの演技にたどり着いたのであれば彼は役者に向いていないのではないのか?とも思いました。それほど彼がこの映画に与えた負の要素はでかいです。
あとは、やっぱりこの映画は全体を通してお金をかけたコント映画にしか見えないというところがしんどいですね。「SMAP×SMAP」や「めちゃイケ」「はねるのトビラ」などのコント番組をみて育ってきた世代だからなのか、この作品を観たときに「きっとこれはコント番組の劇場版なんだな」という感想がうまれたんですよね。お金がかかっているのにコント以外の何物にも見えないのはすごいです。
私はこの映画を「クソ映画だろうなぁ」と思って観に行ったのでだいぶ楽しめたんですが、『ハガレン』の純粋なファンの人が0巻のために観に行ってこれを観させられるのかと思うとすごい気持ちになります。
第6位
source:斉木楠雄のΨ難:実写映画にムロツヨシら“福田組”&橋本環奈 “違和感ない”ビジュアルも - MANTANWEB(まんたんウェブ)
第6位には大人気俳優山崎賢人さんと大人気監督福田雄一さんのタッグの『斉木楠雄のψ難』がランクイン。こちらもすでに単独記事でご紹介済みです。
こちらの作品は、福田雄一の作品の中でも失敗作とでも言うべき作品かもしれません。決してつまらないわけではないのですが、期待以上を見せてくれない作品です。
福田雄一監督作品はいつだって予算と出来が反比例とでもいうような、低予算でもしっかりと笑わせてくるというなんというか「コスパのいい」作品が多いのですが、今回の作品は期待値と実際の出来が反比例しています。
何度でも言いますが、決してつまらない作品ではありません。劇場でゲラゲラ笑わせられました。個人的には橋本環奈ちゃん演じる照橋さん、そして新井浩文さん演じる燃堂力のふたりのぶっとびがすごくてかなりよかったです。
ただ、笠原秀幸さん演じる灰呂や吉沢亮さん演じる海藤は登場から最後まですべりっぱなしで、かなりきつい。この二人のキャラクターはアニメや漫画で見るから面白いのであって、実写にすると「何この人マジで痛い」って感じで本当に笑えない。つらい。観ながら演者は楽しかったんだろうなっていうのは伝わってくるけど、観客からするとただただ空回りしているのを見せられてるだけで本当にきつい。
それからこの作品は映画にむいていない!それは断言する!深夜ドラマでやるべきだった!!!一般が1800円、大学生が1500円、高校生以下は1000円だして映画館で観る映画。90~120分を平均とする上映時間に2000円近く払うのはちょっと財布に痛いっている人もいる中でこんな脱力映画を観ようと思う人はたぶんだけどあんまりいないと思う!こういう脱力系作品は、深夜で疲れた体で何も考えたくないって頭で何となくぼーっとみるから面白いわけですよ!なんでこれ映画にしちゃったかな~…。
というわけで、決して面白くないわけではないけれど、映画という媒体でやるべきだったのか???そしてそもそも実写に向いているのかこれは?という点でマイナスでした。
第5位
ジョジョの奇妙な冒険 ダイアモンドは砕けない 第一章
source:実写映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』予告編第2弾が公開! : KiNVone(キンヴォネ)
私が一番心配していた『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』が5位にランクイン!こちらもすでに単独記事でご紹介済みです。
こんな二つも記事を書いてしまうレベルで「もう絶対やばい やばいよ」って思っていた映画ですが、正直言ってそんなに悪くなかったけど良くもなかったという感じでした。
正直言ってミスキャスティングがちらほらみられるのはマジでその通りなんです。私が口うるさく言ってるのは神木隆之介演じる康一くんはマジでミスキャスティング。今すぐに鈴木福くんに代えてほしい。(これは友人から不評で賛同を得られたためしがない)
でも、この映画は切り取り方がうまかったような気がする。確かに山岸由花子と広瀬康一の設定の改悪は否めなかったけれど、それ以外は原作でここは外せないというところはしっかりと入れていたし、何よりも新田真剣佑と山崎賢人をはじめとする徹底的な原作研究が素晴らしい。これは一見の価値があると思う。
そしてそれ以上に素晴らしかったのはCG!『鋼の錬金術師』のCG班の人たち聴いてる???っていうか『ハガレン』も『ジョジョ』も海外ロケやってるのにどうしてこの差が開いたんだろう。話がそれたけれどとにかく今作はCGが素晴らしい!スタンドって存在するのかもしれない!とちょっと納得させられてしまうような感じな出来。素晴らしい!特に素晴らしかったのはVSバッドカンパニーのシーンです。このシーンはマジですごい。ちょっと身震いしてしまうくらい素晴らしいシーンなので、『ジョジョ』が好きな方は全編観なくてもいいのでこのシーンだけでも観てほしい!ほんとに素晴らしい!このことについては詳しく上掲の記事の中で話しているのでよかったらそちらも読んでいただけると嬉しいです。
第4位
source:映画『銀魂』ブルーレイ&DVDリリース
福田雄一監督作品2つ目『銀魂』が第4位にランクインです!『銀魂』は世間からの期待値も本当に高くて、蓋を開けても「面白い!」「最高!」の声ばかりで本当に素晴らしい作品でした。金をかけて馬鹿映画を作るっていうのも楽しいものですね。
『銀魂』がここまで成功したのは原作やアニメ版の「銀魂」がすでに「銀魂ならなんでもありです」という土台を作ってくれていたからに違いありません。素晴らしい。
そしてそんな元からカオスな作品を彩るのがかなり有名な俳優陣!小栗旬に長澤まさみ、菅田将暉、安田顕、山田孝之、柳楽優弥etc…こんだけ有名な俳優陣集めて何撮るの?!『怒り』みたいな重厚な作品と思いきや『銀魂』ってズコーーーーーー!!!!というギャグ!ここでもう一ギャグウケてるわけですよね。ずるい!『銀魂』ってずるい!
しかしこの作品にいらなかったのは確実に本編ですね。なんだそりゃ、という感じかもしれませんが、正直原作やアニメ版から「銀魂」を見てきた人間からすれば「また紅桜編を撮るのか」という思いも相まって、マジで本編みたいなシリアスな部分マジでいらなかった。本当にいらなかった。たとえアニメ版の劇場版が「紅桜」でなかったとしてもこの映画にシリアスな部分はいらなかった。ずっとギャグ回の実写化をやっていてほしかった。それほど蛇足なシリアスシーンであった。なぜかって?だって小栗旬とか柳楽優弥とかがシリアスシーンやる映画なんて腐るほどあるんですよ?それをなんでコメディ作品の巨匠福田雄一の監督する作品で観なきゃいけないのよって気分になるのは自然の摂理でしょう!
というわけで、第2作作るみたいなので次の『銀魂』からはシリアスシーン抜きで全然大丈夫ですからね!金をかけて脱力系ではない全力ギャグ映画作ってください!
第3位
source:逆光の頃 : 作品情報 - 映画.com
第3位に全く巷で話題にならなくて本当に悔しかった『逆光の頃』をランクインさせました!はい!主演は「仮面ライダー鎧武」やファブリーズのCM、『渇き。』などで知られる高杉真宙!イケメン!顔が宝石!目も宝石!
この作品は京都の町での高校生の青春ストーリーをなんとたった66分で描くという作品です。66分なのにかなり濃厚!だけど特に何も起こらない!別になんの特別な感じもない青春映画!本当に何も起こらないんですが、この映画を通して青春を追体験できるものになってまして、これがすごい切ないのにすごく満たされる!さみしくもあり、充足感も得られるというこんな映画あったんだと大発見です!世間は早くこの映画のすごさに気が付くべきだ!
それからとにかく葵わかなちゃん演じるヒロインが一瞬一瞬どこを切り取っても素晴らしくかわいい!もうこんなかわいい幼馴染がいたら天にも舞い上がっちゃう!って感じのかわいらしさ。
しかもしかもこの作品が最高なのは全編にわたって京都が舞台なので、みんながはんなり京都弁!最高!!!!!葵わかなちゃんのかわいさがはんぱじゃないのにそこに京都弁ですよみなさん!よく考えて!!!ちょうかわいい!!!!なんだこれは!!
葵わかな×セーラー服×幼馴染×京都弁=なんまらかわいい!!!!
そしてこの作品はひたすらに画が綺麗なので、観ていながら癒されること間違いなしです。ぜひ、ご覧くださいませ。
■いよいよ第2位!第8位!第1位の順で発表!
第2位
source:亜人 - 作品 - Yahoo!映画
第2位に『亜人』をランクインいたしました。これは本当に原作の設定だけちょっと借りただけの映画です。ただ、個人的には改悪ではないと思っています。
まず綾野剛演じる佐藤はこんなに若くない、そしてこんなに弱くないだろう!ということが言えるかと思うんですが、まぁキャストに華を添えるために佐藤が若いイケメンになったことは仕方ないです。そして佐藤が弱くなったことは、これが映画だからですね。それに弱い弱いと言ってますが、映画の中では結構「やばい」感は出てますし、全然倒されなさそうな感じは出てます。
それからこの映画が面白いと思うところは、やっぱり見せ方がうまいなーということですかね。監督が『踊る大捜査線』シリーズの本広克之さん。私が『踊る』シリーズがだいすきなことがかなり関係しているとは思うんですが、そこかしこに本広克之イムズとでも言うような要素が組み込まれています。まずヒカキンさんをヒカキン役として出しているところや、声優である鈴村健一さんがアナウンサー役としてカメオ出演しているなどのネタ要素をちりばめることで、実は本編にはほとんどギャグ要素がないのに、ちょっとクスりとしてしまうところ、しかも実はもっともっと小ネタが仕込まれているところです。個人的にはSWATの隊長が『踊る』と同じシリーズの人じゃん!という小ネタがかなり面白かったです。『踊る』関係でいえば、亜人研究所のボールペンを本編の中で出してグッズとして販売するところが本当に本広克之イムズがすごくてだいすきでした。お金なくてボールペン買ってないけど。すみません。
そんなわけで、この映画は漫画を改変して面白い映画を撮った成功例だと思います。ただし、一方で原作ファンが好きだと思っていた点も削いでいるので、この映画に関しては原案:漫画『亜人』という扱いで、タイトルなんかは全部変えてしまったほうが良かったのではないかとも思います。『マトリックス』と『攻殻機動隊』みたいな感じで。
第8位
土竜の唄~香港協奏曲~
source:「土竜の唄 香港狂騒曲」予告 - YouTube
生田斗真さんと宮藤官九郎さんのタッグ『土竜の唄~香港協奏曲~』が今回最下位です。こいつはひでぇ。ほんとにひでぇ。ひどすぎてよく覚えてねえ。
これは実は2017年1月1日に観に行った映画だったんですが、これが今年初めの映画だったので、私は今までの映画でこれよりひどい映画を観ることなくすごしていて、そういう意味では感謝をしています。
さて、この映画がひどいと思うのは、あたかも「ギャグっぽく描きながら、最後は泣けるエンターテイメント作品です」みたいな顔をしているところなんですよね。実際はトンデモB級映画のくせに。
ほんとにひどすぎてマジでよく覚えてないんですが、堤真一がひでえアクションシーン(これは多分ギャグなんだろうけど、堤真一をつかってひでぇアクションというのはマジで悪趣味だと思う。あたかもアクションするかのようにして、全くアクションしないみたいなシーンとかにしてた方がよかったと思う)を見せたり、大根役者だなんだと名高い本田翼ちゃんを抑えて大根っぷりがすごい生田斗真だったり、もうすごいんですよ!くそっぷりが。
あとはギャグシーンがすべりにすべりまくってて、「…もしかして、この映画は滑り芸を見せる映画…なのか…?」みたいな感じがします。あとは『踊る大捜査線3』ってのはマジで面白くなかったんですけど、あれと同じで動物が襲ってきちゃうぞ~~みたいな感じのネタは笑えない。笑えないよ。だってありえないすぎる。そんな安易なネタで客が笑うと思うなよ!客をなめるな!!!
この映画の良かった点は女性陣がひたすらにかわいかったところですかね。本田翼、仲里依紗、菜々緒という女性陣が本当にずっとかわいらしい。私がおすすめするのは菜々緒さんですかね。アクションも頑張ってるので、菜々緒さんファンの方は観てみてもいいかもね?って感じの映画です。
『土竜の唄 ~香港協奏曲~』は2017年ラジー賞間違いなしです!そちらも今後記事を書きたいと思っているのでよろしくお願いします。
第1位
東京喰種 トーキョーグール
source:実写『東京喰種』初映像公開 「赫子」出した窪田正孝や清水富美加の姿も - 映画・映像ニュース : CINRA.NET
今年の少年漫画原作実写映画第1位は『東京喰種 トーキョーグール』です!こちらも単独記事ですでにご紹介済みです。
この映画は期待に反してすっごいものを見せてくれたな!!!!!という本当にすごい映画でした!
まずは何より主演の窪田正孝くんの演じるカネキがマジでカネキ!原作リスペクトを演技から感じることができたのは窪田くんが初めてかもしれない。窪田くんの演技が5つ星です!すばらしい!
それから上掲の記事でも述べたのですが、やっぱり潔いですよね。原作のどこまで描くのかって言う切り取り方が。原作は結構長いストーリーなので、しっかり描こうとすると少なくとも5~6巻くらいまで描いてるだろうと思うんですが、この映画は原作を忠実に実写化するために原作の3巻までしか描いてないんですね。だから人気キャラもまだ出ていなかったり、話の序盤も序盤で終わってしまうんです。
ただ、そうであるから映画の尺ですべてを忠実に描くことができたと言えるでしょう。もちろん、原作とは異なる部分も多いんですが、それは「映画」として面白いものにするために改変されたもので、それもしかも最低限のものになっています。
それから私は蒼井優をリゼにあてたのはかなりよかったよな…!と思っています。もし続編を描く予定だったのだとしたらそりゃあリゼはいい女優であるべきでしょうし、何よりリゼのやばさというか、狂気というか、恐ろしさを表現するには蒼井優レベルの超演技派女優が演じるべきなので、本当にこの映画はキャスティングが神でした。
この作品もCGがかなり残念な出来ではあるのですが、それをアクションシーンをほとんど夜にすることで補うという!(というか原作でもそんなに昼間に戦うことがないのですが)CGの低クオリティを演技と脚本で補うという超正攻法。最高。
この映画は映画としてもかなり面白いですし、こんなに映画が面白いのならば原作もちゃんと読んでみようという気になりました。こちらが2017年ベスト実写化映画でしょう!
まとめ
source:映画『BLEACH』オフィシャルサイト
というわけで、好き勝手にランキングをつけさせていただきました。このランキングを作るために少年漫画原作映画を8本も観てきたみたいなところがあるので、このランキング記事を書けて本当にうれしいです。
そして一連の原作漫画を持つ映画を観て、いろいろ学ぶことができました。面白くなさそうな映画でも、実はかなり面白いってことはやっぱりあるし、お金がかかってるからとか、監督や脚本が有名な人だから面白いに違いないってことはない。一度自分の目で確かめて観ることが大切だなと思いました。
2018年も引き続きこの企画を継続させるかどうかまだ悩んでいますが、反応が良ければ続けてみようかなと思ってます。『BLEACH』の実写も待ってるので、多分十中八九観るのかな…とは思っているんですが。
それでは!