きねまないと

最近映画が好きになった20代が素人目線で好き勝手に映画の感想を綴るブログ。

【書評】『屍人荘の殺人』から考える推しとヲタクとクソコンテンツ【ネタバレ有〼】

本日の話

今日は『屍人荘の殺人』についてキレながら話します。めっちゃネタバレしているので観る/読む予定のある方はご注意を。

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映画『屍人荘の殺人』×おカネレコプレゼントキャンペーン!

 

 

推しとクソ映画とヲタク

突然ですが、みなさんは推しがいますか?

「一推しのメンバー」を意味する略語「推しメン」のさらなる略語。
グループ内で「一番お気に入りの人」「一番応援している人」を指す。

引用元:推し (おし)とは【ピクシブ百科事典】

 ↑を検索してたらOggiでもこんな記事が出てるのを知って震えました。

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source: 「推し」ってどういう意味? 後輩社員が言ってた謎の言葉をチェックしよう | Oggi.jp

 「推し」、すっかり日本語として定着してしまった。Oggiで取り上げられてしまった。

まぁそんなわけで日々の生活を輝かせてくれる推し。みなさんにもいるでしょう、アイドル、俳優、運動選手、はたまた同僚、コンビニ店員、電車の駅員……とにかくあらゆるところにいる推し!推し文房具がある人もいるでしょう。

私もそんな推しを持つ人間の一人。推しは良いです。楽しいです。推しのために海外遠征をしてしまったり、推しのために生活拠点を変えてしまったり、推しのために言語を学んでみたり……。とにかく人間としての幅が広がります。

しかし推し、とにかくいいことばかりではありません。例えばガチ恋(リア恋)の場合、推しに恋人や配偶者ができるとつらいですよね。それから地方遠征でお金が飛ぶ。などなど。

私が直面しているのは、「推しの仕事との解釈違い」ですね……。例えば私は最近の福田雄一さんの作品がとにかく嫌いです。申し訳ないが嫌いだ。

アオイホノオ』や『33分探偵』はめちゃくちゃ好きだったのだが、『銀魂2』を観てから「こんなものが評価されてしまうなら邦画なんて廃れてしまえばいい」とさえ思ったほどだ。ですます口調からである口調に変わってしまう程度には理性を失うのだ。

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source: 『銀魂2』大ヒット記念非売品ミニポスターの劇場配布が決定! | アニメイトタイムズ

しかしそれでももし『銀魂3』が公開されるのであれば観に行くだろう。いや、観に行かざるをえない。なぜなら、推しを人質に取られているからだ……。こんなことを言うと地下俳優が好きな人々に刺されてしまいそうだが*1、それでも私にとってはあんな「映画」という媒体を愚弄した作品を推しのために観に行かなくてはいけないのは身が裂けるような思いなのだ。

ちなみに推しがいない人からすると「なら観に行かなきゃいいだろ」という感じかもしれないが、資本主義社会、人気こそ、金こそがすべてな中で推しの「新規絵」を見るためにはなんでとにかく「この人は人気」ということを運営サイドに示さなければならんのですよ。駄菓子もひっそり消えるじゃないですか、人気がないとかで……。だから私も推しにひっそり消えられては困るから観に行くのです。それがいくらつまらないとわかっていても……。でも本当は面白い映画が観たい。面白い映画で素晴らしい働きをしている推しが観たいよ。

 

ヲタク VS 『屍人荘の殺人』

ヲタク、『屍人荘の殺人』と出会う

いつも通り映画館に行くとある日こんな予告と出会う。

www.youtube.com

主演:神木隆之介!共演、浜辺美波!!中村倫也!!!(しかも古川雄輝までいる!!!)

こんなん観ろって言われているようなものじゃないですか……。神木隆之介ヲタク歴……は知らないけど(気が付いたら推してたし)*2、とにかくヲタクで浜辺美波は『センセイ君主』を観てから更に大好きなんだよ!

radiotalk.jp

それから中村倫也を嫌いな人間なんていません。(主語クソデカ構文)

しかも題材はミステリー!小説と言えばミステリーが大好きな私。最近はあまり小説は読めていませんが、昔は本当に本の虫だったのでよく読んだものでした。

そんなわけでこんなに自分の好きが詰め込まれた映画、観ないなんてもったいない!というわけでまずは原作を読まなければだ!とAmazonKindleで原作を購入。やめておけばよかったのに…。

 

ミステリーをバカにする最高に激烈に最悪な小説

見出しでネタバレをしてしまって申し訳ないが、私はこの小説のすべてが嫌いだった。これを読む前に『蜜蜂と遠雷』を読了してしまっていた私が悪かったと言われればそれもそうかもしれない。

slhukss1.hatenablog.com

でも、これが「このミス」をはじめとするミステリー小説の賞を総ナメしているなんて*3、日本のミステリー業界はみんな目が腐ってしまい、耳も焼かれてしまったためにオーディオブックでさえ触れられず、手の感覚も失い、点字で本を読むことさえ許されなくなった、そういうことなのか?と本気で思う程度にはこれはミステリーではないだろう。

ていうかこれは普通にアニメ映画化を目論んだヲタク向けライトノベルだろ……。『ひぐらし』とか、『がっこうぐらし!』とかそういうことがやりたかったんでしょ……?それなら1億歩譲って許すよ……。いや、『がっこうぐらし!』なめんな!!!!!ってめっちゃ思うけど許す、許すよ。

とにかくこいつミステリー小説じゃなくて何でもありのライトノベルなんですよ。もう映画の公開から1年近く経つし、言っていいと思うから言うけど、これ途中でゾンビ出てくるんですよ?やばくない?

 もう読んだ直後の私混乱し過ぎてよくわからない例えしているし……。でもわかるよ、ゾンビ出てきたらもう殺人事件がどうのとか言ってる場合じゃねえんだもん。ていうかもうゾンビて。ゾンビて!!!何????いや今思い出しても昨日のことのように混乱を思い出せる。だってミステリー小説だと思ってすごく真剣に読んでた私がばかみたいじゃん。ゾンビって。もう何でもありじゃん。てかこんなせこい手を使っておいて「衝撃の展開」「予想外の展開」とか言ってネタバレ厳禁とか言うのやめろ。普通に詐欺にあった気分でしかねえわ。どうすんだよ東野圭吾の『ガリレオ』シリーズ買って最新作で湯川がゾンビになって出てきたら。キレるだろさすがに。そんで帯に「ネタバレご法度」とか書かれてみ?もう怒り狂って八つ当たりで福山雅治に鼻フックかますわ。

いや、まぁ確かに、確かにそこにトリック(らしきもの)はあったよ。ミステリーをしている風だったよ。でも、もうミステリーじゃないじゃん!!!!!ゾンビとミステリーだったら強い要素どっちだと思う?!ゾンビ!!!!!圧倒的にな!!!!!!そしてそうなるとそれはゾンビ小説なんです!!!!!タイムマシン3号だってメガネとチビっていう要素があってもデブっていう要素があればデブなの!!ってデブはカレーなのって言ってたじゃん!!ゾンビもカレーなんだよ!!!!だから『アナと世界の終わり』はすげえんだよ!!!

 

ちゃんとミュージカル要素もしっかり力入れて描いてるからすげえの!!!でもお前のそのミステリーはもうただの福神漬けなの!!!『アナと世界の終わり』のミュージカルがカレーとラーメンセットのラーメンの役割まで慣れているのに対してお前のその書いたミステリーは福神漬けなんだよ!!もう覚えてねえもん!!!どんなトリックだったとか犯人誰とか!!!

ていうかミステリーよりも刻み込まれてるのが剣崎なんとかとかいう意味わかんねえ特殊能力持ちみてえな女(浜辺美波)の設定よ。なんなんだよもう1から10までありえね~~~し、もう呑み込みづらさが半端じゃねえんだよ。こちとらこれを呑み込むのにアップアップしてんのになんでゾンビとか持ってくるんだこいつはクソ……。

しかもこいつオチもひどくて、こんなクソみてえな設定の女とゾンビとかいうもう禁じ手つーか良識のある人間だったらそんな設定盛り込まねえだろ、しかも二つも……みてえな感じなのにオチが主人公(神木隆之介)が殺人ほう助しちまってて、それが何?なんだっけ、時計だっけ?を取りに行ったみたいなそんなクソみてえなことがきっかけで、もうハ~~~~?!?!?!って感じなんすよね!!!お前まずこんなゾンビも出るかもしれねえ、殺人鬼はいるみてえな究極な状況でも取りに行きたくなる時計だったら死ぬ気で守って肌身離さず持っとけって感じだし、そんな時計のためだけに殺人をほう助してんじゃねえ!!!!!!!って感じじゃね?!?!せめててめえが何を目撃したかくらい言え!!!!剣崎とかいうBLEACH出れそうな名前してるやつに言え!!!!!!!

それから一番許せねえのは、明智中村倫也)早々にゾンビになってんじゃね~~~~~よ!!!!!!俺がこの小説を読んでるのは中村倫也が最高のいでたちをしてたからでお前がゾンビになるなんて聞いてネンだよクソ!!!!!!俺が観たかったのは天下一大五郎みたいな中村倫也だったんですぅ~~*4!!!!クソ…………。クソ…………。

 

クソ作品に心を病ませるのやめたい

もう死にそうになりながら読み終わって思ったことは、これはたとえ推しが出ていたとしても絶対に観たくないということだった。すまない、推し、すまない。先に言っていたことと180度矛盾していることは自分でもわかっている。けど、物事には限度ってものがありますということをね強く言いたい。てかもう読者ナメんなって感じなんですけど、これ実際売れてるし、世間~~~いいのかこんなうっすい小説で……。世の中には『怒り』とか『八日目の蝉』とかもっと面白い小説がたくさんあるというのに……いいのか……。京極夏彦の『死ねばいいのに』とか読んだほうがいいのではないのか世間……。

そして推しのマネージャ~~~~!!!お前はそれでいいのか~~~?!?!担当のタレントがこんなよくわからんコンドームよりも薄い内容の映画っていうかゴムある?!生では?!?!みたいな内容の映画に出演してしまうことでキャリアに少しでも傷がつくとは思わんのか~~~~?!?!?!?!

もうほんと、ほんとに……こんな面白くないものを一生懸命読んでしまったのは生まれてこの方初めてかもしれないと思うほどつまらなかった。これなら全然知らないジャンルの再録同人誌(1200円)買った方がよっぽど面白かっただろうと思う程度には面白くなかった。こんな気持ちになるのはハンサムフェスティバル以来だよ……*5。ていうかこれ事故でしょ。慰謝料請求したい。

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読み終わった直後にした友人とのLINE

訴えたい……。こんなものを読むために私の目は二つあるわけじゃないのに……。つらい……。

 

まとめ

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source: 映画『屍人荘の殺人』公式サイト

 というわけで推しのことがどれだけすきでも、推しを何人人質に取られてようと、人間には限界と堪忍袋と地雷があるという話でした。

一番何がムカつくってこの本、商業臭がやばすぎるんですよね。どうやったらいいものが書けるかではなくて、どうしたら本が売れるかしか考えてない感がある。だってこの本の中でなんでゾンビが存在してしまっているのか全く明かされないで、それについては続編の本で書いてるらしいんですよ。おかしいでしょ。続編ありきなんて。ゾンビが存在する理由についてもちゃんと1本の本の中で書けや!!!!!!!!!!!いやこの作者がこの作品より以前にめっちゃ評価されてた人とかなら4億歩譲ってわかるが?!?!?いやわかんねえよ!!!!日本でゾンビやぞ!!!!!埋葬文化ちゃうんやで?!?!火葬文化やで?!?!?!なんでゾンビおんねん!!!!!!ちゃんと1冊の中で説明しろ!!!!!!誰がどうやって殺したかよりゾンビの原因の方がはるかに気になるわ!!!!何……?バイオテロって何……?ゾンビ作りたくなっちゃったのなんで……????もう全然呑み込めねえんだよクソ!!!!!

すごいな、読んだの去年の12月なのにここまで文句が言えるとは思いませんでした。自分の熱量に感心します。そして『アンナチュラル』の中堂さん並にクソクソ言ってしまいました*6。『屍人荘の殺人』、強敵だった……。もう二度と出会いたくないクオリティだった……。これもう一回読むなら全然『ハガレン』とか『DEATH NOTE Light up the NEW World』とか観たほうがマシ……。

 

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*1:地下俳優のヲタクたちは福田雄一氏よりもはるかに有害と言っても過言ではない鈴木おさむ氏がプロデュースなどする「ホストちゃん」シリーズをはじめとしたクソみたいな舞台を推しが出ているからというただそれだけのために観に行ったりしているので本当にお気持ちお察ししますとしか言いようがない。ちなみに私個人としては鈴木おさむ氏にはハンサムフェスティバルでの恨みが本当にひどく脳に刻まれているのでマジで許さん。

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*2:こんなことをしてくる程度には好きでした。

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*3:

作家・今村昌弘のデビュー作品。第27回鮎川哲也賞の選考において、選考委員(北村薫辻真先加納朋子)の満場一致で受賞が決定された[3]。ほかに「このミステリーがすごい!2018年度版」「週刊文春ミステリーベスト10」「2018 本格ミステリ・ベスト10」において第1位を獲得、そして第18回本格ミステリ大賞を受賞し、国内ミステリーランキング4冠を達成した[4]。

引用元:屍人荘の殺人 - Wikipedia

*4:東野圭吾による小説『天下一大五郎』シリーズの主役。私が個人的に中村倫也で見たい。

*5:何度でも記事を出しましょう。

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*6:今を時めく脚本家・野木亜紀子氏によるドラマ。石原さとみ主演。石原さとみのライバル?役である中堂系(演・井浦新)の口癖が「クソ」でおなじみ。

www.tbs.co.jp