本日の映画
『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』についてお話していきます。
あらすじ
ロンドンで路上ライブを行って生計を立てている……というよりはギリギリ生きているというホームレス生活を営んでいるジェイムズはある日薬物の使い過ぎで街中で倒れてしまう。気が付くと病院にいたジェイムズは、薬物依存者の更生プログラムに参加すれば住む場所を提供すると言われ、そのプログラムに参加することとなる。
久々に住む場所を手に入れたジェイムズだったが、シャワーを浴びている途中に部屋から物音がしたのを聞いた。強盗か？と思いながら恐る恐る部屋を覗くとそこには猫がいた。少しの牛乳をやった後、部屋から出ていくように促したが、猫は全く出ていく気配がないため仕方なく一晩だけ部屋においてやることにした。
次の日、その猫を部屋から出して路上ライブへと向かったジェイムズ。家に戻ってくるとまたあの猫がいた。困ったな、と思いながらジェイムズが猫をよく見ると、何やら犬と喧嘩でもしたようでひどいけがをしていた。飼い主を探しにあたりを探しているとある女性と出会い……。
ロンドンで実際に起こったジェイムズと猫のボブの間に起こった奇跡のような本当の話！
詳しくは以下の動画をご確認ください。
にゃんこかわいい映画だけではないけどにゃんこかわいい
source: ‘A Street Cat Named Bob’: Film Review | Hollywood Reporter
いやこんな映画マジで2017年とかに公開してました？ほんとに？ていうかこの映画マジで邦題ダサって思うんですけど別に原題も「ボブという名の猫」って感じなんで、あんまりみようと思う感じのえいがじゃないですよね。だから見逃してたのかもしれない。
ちな日本版のポスターはこんな感じ。
いやこのなんつ～～かなんかもうポスターもしかしてパワポで作った？！？！みたいな感じのデザインじゃそりゃ見つからないよ！！！ごめんね？？？？私が見逃したのが悪いんだけど本当にやってたのこれ？？？？？全然記憶にないわ。
さてさて、こんなちょっと不安になるタイトルで不安になるポスターの今作面白いの？と不安になる要素しかないんですがこれが面白かったです！いや、そういう要素がハードルをめちゃくちゃ下げてくれたから期待してなかった分おもしろかったなとかそういう要素もあるかもしれないけど、でも面白かったんですよこれが！！
ちなみになんで観てみたかっていうと、Amazon Prime Video（UK版）が執拗にこの映画を薦めてくるもんだから、「クソ～～～！！！私こんなクソダサポスター映画を観るような人間だと思われてんのか？！」と思ってググったらめっちゃレビューが高くてなんじゃこりゃ、ってなったからなんですよね。例えるならめっちゃ見た目が汚いのに評判がめっちゃくっちゃいい中華料理屋をみつけたようなそんな感覚でした。
さてさて、そんなわけでめちゃくちゃおもしろかったです、この作品！まずひとつ目に普通に猫かわいい。いやそれはマジでそうじゃないですか？猫ってかわいいじゃん？かわいい。これ前も書いたんですけどブログでこういうふうに決めつけ文書くと「犬が好きな人もいます」とかいう意味分かんないコメントとか頂いたりするんですけど、「私の世界には猫を好きな人間しか生きてないのでチャオ」以外の感想ないです。はい。でも別に猫が嫌いな人がいても全然当たり前だし、それはそれで何も悪くないよ、当たり前だけどって感じです。自分のこと愛せてればいいよ。
そんなわけでめっちゃ話がそれたけど、この映画に出てくる猫が単純にかわいい～。
source: 辰巳出版｜ボブという名のストリート・キャット
ちなみにこちらが実際のジェイムズさんとボブの様子です。マジでハイファイブできんの～～～？！？！マジ利口じゃん……。ボブかわいい～。でね、この映画マジありがたいことに、映画に出てくるボブがマジボブなんですよ。そう、この映画のために用意されたボブ（偽物）ではなくて、ボブ（モノホン）なんすよ……！だから私達も映画を通してどんどんマジボブをすきになっちゃうし、こんなにかわいかったらそらジェイムズ氏も青空の下放り出しませんわ～～（圧倒的理解）みたいになっちゃう。
まぁ猫映画で猫がかわいいのは最低条件ですわな。じゃあ他にこの映画どこが素敵って、この映画が映し出すロンドンがリアルロンドンなんですよね。
よくロンドンの出てくる映画とか観ると「あ～、ビッグベンね」「あ～ロンドンアイね」「なるほどなるほど？タワーブリッジね」ってなって終了することが多いんですけど、この映画で一番印象に残るのはコベントガーデンなんですよ ！
「初めてロンドンに行くし、ロンドンのことはシャーロック・ホームズの家とタワーブリッジとビッグベンしかわからねえ！」みたいな方にはぜひともコベントガーデンも行ってくれ！と言いたいくらい個人的にはお気に入りスポット。と言っても全然観光スポットなので全然あれですよ、隠れた名所とかではないですよ。
でも他の映画でコベントガーデンが出てくるようなことほぼ無い（言い過ぎ）だと思うんですけど、他にもSmithfields Marketが出てきたりとかそんなところ映してもロンドン住んでる人以外にはわかんねえ～～～！！！みたいな場所が映されたりとか結構リアルロンドンなんすよね。あんまりキラキラしてないのがわかっていただけるかと思います。ロンドン、きれいですけど別に映画の中のパリみたいにキラキラしてないです。ちなみに現実のパリは臭いです。
あとスーツが出てきたりとか、フィッシュアンドチップスとか、アフタヌーンティーとかわかりやすいロンドンは出てこないですね。強いて言うなら二階建てのバスが出てくるくらいです。これぞリアルロンドン！（※個人差があります）
source: https://www.spiritualityandpractice.com/films/reviews/view/28318/a-street-cat-named-bob
他にこの映画で私がよかったと思ったのは、結構色々な事件が起こるのに疲れすぎないところですかね。結構色々なことが起こる映画って観終わったあとに疲れることが多いんですけど（一番いい例は『ワイルド・スピード』とか『バーフバリ』とか。元気でるけど、観たあとパワーは確実に持ってかれてるよね）、この映画はそんなことないんですよね。多分当たり前なんですけど、実際にあった話が元になっているので、各出来事がちゃんと必然的につながっていく体と思うんですよね。無理がないというか。あと現実にあった話だから無理がないんですよね。ボブをジェイムズさんが極貧なのに飼う（というか相棒認定する）って決めるところくらいが「マジ？」みたいなところがないんですよ。
特に私が好きだったのは、ジェイムズがビッグイシューを売り始めたときにボブを連れて行ってたからすごく話題になるんだけど、それを見たときに「お前それずるいだろ！」って私は思ったんですよね。でもそれがジェイムズに吉に働き続けるわけではなくて、ボブが連れてくる凶の部分もちゃんと描かれるんですよ。もうこの人生ボブがいれば上がり調子でしょ～！！！って観客とジェイムズが同じ気持ちになってくるタイミングでやってくる凶ね。（しかも凶がやってくるのはこれのみではない）本当に人生って……本当に世知辛いよね……。
source: A Street Cat Named Bob (2016) - Photo Gallery - IMDb
あとこの作品実は猫かわいい～から始めておいて何なんですけど、基本的にテンションは低めなんですよね。暗いわけではないんですけど、最高にアゲ！みたいな映画ではないんですよ。『ヘアスプレー』とかがだいすき！ああいう映画しか観たくない！みたいな人にはあまり勧めるのははばかられますね。なぜならこの映画実は人が死んだり、ドラッグ描写があったり、主人公が本当にめちゃくちゃに罵られたりするんで……。そういえば私は先日見かけたスーパーの前でコソコソ何かをやってる人たちはきっとドラッグの売買をやってたんだな～ってこの映画を観て確信しました。なんとなくそうかなと思ってたけどやっぱそうだったか～ってなりました。そんな感じで基本的にちょい暗めだけどハッピーエンドです。Pixivに投稿されてる二次創作のキャプションみたいな説明になってしまったな……。
まとめ
そんなわけでにゃんこかわいい映画の皮をかぶった人生はロクなもんじゃねえけど頑張ってればいいこともあるだろ、頑張ってれば！！！！！（クソ大事）みたいな映画でした。にゃんこはかわいいです。
ちなみにちょっとこいつ猫に頼って有名になってね……？と思ったりもしたんですけど、お父さんとの関係性をもう一度築こうとしたり、ドラッグから立ち直ろうとしたり、彼女に今度こそ誠実であろうとしたりするのはジェイムズの努力だし、それはボブが勇気をくれたりきっかけをくれただけなんですよね。やっぱりジェイムズさんはすごい。
ちなみに続編『A Gift From Bob』が来週からイギリスで公開です～！やった～！
日本での公開もされますように！（そして今度こそ激ださパワポポスターではなくて、ちゃんとかわいいポスターが作られますように……。元のポスターがすでにダサいことは見なかったことにします）
映画のポスターについての記事はこちら！
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