初めましての方も、お久しぶりの方も、昨日ぶりの方もこんばんは。
あやめです。
さて、本日お話ししたいのは中国映画「最愛の子」です。
では初めにざっくりとあらすじ。
妻と別れて細々と商売を営んでいた主人公の唯一の希望は息子・ポンポンの存在だった。
ある日近所の子どもたちと遊びに出かけたポンポンがいつまで経っても帰ってこない。心配になって見に行くと近所の子どもたちはすでに家に帰っており、ポンポンだけが行方不明になっていた。
監視カメラに最後に映った息子の姿は、何者かに連れ去られていくものだった。そして、息子はついに帰ってこなかった。
それから3年間、懸命に息子を探した末、ついにとある村で息子を発見する。
「父ちゃんだぞ。もう2度とどこにも行かせないからな」と話しかける彼に対して息子は警戒心を解かなかった。
まさか、俺のことを忘れたのか…。
3年の月日の間にあろうことか、最愛の息子は「よその家の子」になっていた。
息子は再び自分のことを父親と認めてくれるのだろうか…。
詳しくはこちらをご覧ください。
ということで珍しくどシリアスドラマ映画を観ました。
そしてこの作品は私にとって初めての中国映画でした。
中国映画ってこんな感じなのか…!と驚き。中国人ってなんでも器用にこなすイメージだけど、間違ってなかったです。演技がべらぼうにうまい。
特に女優さん方の演技が半端じゃあないです。
まずポンポンの本物の母親を演じたHao Leiさん。
ポンポンが誘拐されてから魂の抜けたような顔で、それから何かが事切れたようにワッと泣き出してしまうシーンがあるのですが、心に響く演技というか、息子を失った悲しさを体現していて、見ているこっちもひどく心が痛みました。
ちなみに普段はこんな感じ。
この映画の中だとこんな感じ。
別人かよ…?
そしてポンポンの偽物の母親を演じたZhao Wei(Vicki Zhao)さんの演技もまた素晴らしい。
突然息子と娘を奪われて、子どもを持つ資格なんてないんだと警察からも世間からも叩かれながらも、「母親」として二人の子どもを大切に育てたい、二人の望むようにしてやりたい、と懸命に本当に体を張って奮闘する姿がまた身を削るような頑張りで見ていて辛いほど。
「桃を食べるのはやめてあげて。その子、桃アレルギーだから」
のセリフのシーンが1番しんどかったです…。
ちなみに普段はこんな感じ。
この映画の中だとこんな感じ。
別人だろ…!!
しかしお二人とももうすでにアラフォーだなんて信じられないほどに美しい。中国どうなっちゃってんだ。美容に効く漢方でもあるのかしら。それとも小籠包いっぱい食べると白くてきれいになれるのかしら。
そしてこの話実話を基にして作られてるっていうんだからすごいですよね。
ちょっと海を越えて大陸に入っちゃうとまだ子どもの誘拐が多発している国があるっていうのが自分の中でかなり衝撃的でした。
最後にその家族とその周りの方々の現在の様子が流れるのですが、この事件はこの人たちの中できっと一生終わることはないのだなぁと考えさせられました。
英文記事になりますが、題材となった親子の話がこちら。
どうやら、実際の話では息子さんはすぐにお父さんのことがわかったみたいですが、自分の名前についてはすぐにはピンとこなかったみたいです。
自分の名前忘れちゃうってどういう感覚なんでしょうね…。
この映画を観て、子を思う母の気持ちというものに、本物だとか偽物だとかそんなものは関係がないのかもしれないと思いました。
というより、便宜上「偽物の母親」と呼んでしまいましたが、きっとどちらも彼にとっては本物の母親であったはずです。母は強しということがよくわかる映画でした。
この映画にはハッキリと「こいつが悪い!」「主人公かわいそう!」という割り切れるような部分は少なくて、観ているこっちも頭を悩ませてしまいます。
子どもを大切に育てたいだけなのにどうしてそれがかなわないのだろうか、という両者の思いの間で観客がうんうん唸らされるような作品だと思います。
あとこの映画のおすすめポイントとしては妹ちゃんの可愛さです!
ぜひ観ていただきたい!と思うほど可愛いです。ほっぺが桃みたいに赤くて目がまん丸でかわいい〜〜…。そして演技力も抜群という。
完成度そして満足度ともに高い作品です。
TSUTAYAでレンタルできる作品となっていますので、ぜひご覧ください。
最近のTSUTAYAではお取り寄せレンタルが検索機でできるようにもなったので、お近くのTSUTAYAになければそちらもよければお試しください。
(これがなかなかに便利なのでちょうオススメです。でも泊数は選べなくて1週間固定でした。)
この作品のようにすこし考えさせられるような映画が好きなあなたには妻夫木聡さん主演の映画「ブタがいた教室」がオススメです。
こちらも実際にあったお話を基に映画作品が作られたものです。
妻夫木さん扮する小学校教師が、生徒に命の重みを本当の意味で知ってほしいと思い、「ブタを飼って、最終的にその肉を食べる」
という「命の授業」を始めます。
しかし、ブタにPちゃんと名前をつけ、みんなで一生懸命育てているうちに生徒の中にはPちゃんを食べることに疑問を持つ子たちが出始めます。
果たして、彼らは最初に掲げた目標通りPちゃんを食べることができるのでしょうか…。
という作品。Huluで見られますので、よかったら見てみてください。
ちなみに生徒たちによるディスカッションシーンは、実際に子役たちが思ったことをそのまま収録したもので、半分リアルという…。大人でも答えなどわからない問題に子供たちが一生懸命討論する姿は心を揺さぶられます。
なんだか今日は、「最愛の子」で愛について考え、「ブタがいた教室」で命について考えるというなんとも道徳的なブログになりました笑