きねまないと

最近映画が好きになった20代が素人目線で好き勝手に映画の感想を綴るブログ。

ロンドンに住んで5年目の私がロンドンアレルギーだと診断された話

 

本日の話

今回は、イギリスに引っ越して5年目にしてようやく初めてGPに行ってきた話をします。

source: 

File:National Health Service (England) logo.svg - Wikimedia Commons

 

GPとはなんぞや

GPとはGeneral Practitionerの略で、日本語に訳すとかかりつけ医のことです。イギリスはNational Health Service(以下NHS)という国民向けの医療サービスが提供されています。これは国営サービスであるので、イギリス人であれば誰でも(ほぼ)無償で利用することができます。また、外国人であっても、イギリスに居住していることが証明できれば利用することができます。

イギリスに長期滞在する際、このNHSを使用することを前提として、Immigration Health Surcharge的なものを払わないといけません。もうこの辺は記憶が曖昧になっているので、私が以前ビザを切り替えた際に書いた記事を参考にしてください。(ちなみに今年はビザの更新が待っているので更新が無事に終わったらその記事を書くか、下記の記事に追記します!)

slhukss1.hatenablog.com

で、かかりつけ医というくらいなので、別の国からイギリスに引っ越してくる際や、イギリス国内で引越しをした際には、GPの登録をしなくてはいけません。どんなGPにでも登録できるわけではなく、住所(正確には郵便番号に相当するポストコード)から登録できるGPを探します。たとえ気に入ったGPが自分の居住圏内にあっても登録できるとは限らず、新規患者の登録を受け付けているかを確認しなくてはいけません。この辺の詳しいことはNHSのサイトを見てください。

www.nhs.uk

なので、病気になったりとかした場合には、このNHSが運営するGPに行く(緊急の時と歯医者はまた別)というのがイギリスでは普通なんですが、このGPの多くが評判が良くないのですよ。そのため、私は登録の時に血眼になってGPを探し、やっとの思いで居住圏内でまぁまぁの評判のGPに登録を済ませました。(まぁまぁなだけで決して良くはない)

が、しかし。できることならそんな評判の悪いGPにはお世話になりたくないな……ということで引っ越してから丸4年、全くGPに行かずに過ごしていました。私は風邪を結構よく引く方なのですが、そういう時もGPには行かず(というか、イギリスでは風邪を引いたくらいではGPに行かないことが普通で、その理由は風邪の引き始めでGPに行っても追い返されるからです)、市販薬で凌いでました。(実際なんとかなった。)あと幸い今の所コロナになっていないのもありますね。(しかもコロナも重症患者以外GPに行くなみたいな感じなので、コロナかもと思ったら、診断キットを使って判断して、症状が重くなったら病院に行くといった感じっぽいです。。。なのでワーホリや語学留学で来る人の大半はGPのお世話にならずに買えるのではないだろうかと思っています。)

 

鼻水が止まらないし目も腫れ上がってる

そんなわけでGP嫌いを拗らせた私は時が経つにつれGPへの恐怖心を募らせていくことになったのですが、去年11月頭ごろからどうも鼻水が止まらなくなってしまいました。もともと日本にいる時から重度の花粉症とハウスダストアレルギー持ち(あと重度の猫アレルギーもある)なので、もしかしたら花粉症だろうか、と思って、市販の花粉症の薬を飲んでいました。

source:Piriteze Antihistamine Allergy Relief Tablets, Cetirizine, Hay Fever Tablets - Pack of 30 : Amazon.co.uk: Health & Personal Care

が、全く症状が良くならない、どころか目も腫れてきて辛い……。なんか結膜炎みたいに腫れてるし……。と全然症状が改善されず、外出する際にティッシュが手放せなくなり、一時期は本当化粧した途端に鼻から下のメイク全部落ちてましたし、話をするのもやっとという状態になっていました。

年を越しても全く良くならなかったのを見て、イギリス人の彼氏が「もういい加減GP行こう」と私を説得し、ついにあんなに避けていたGPに行くことになりました。

さて、最初の登録以来全く行ったことのないGPですが、予約はどうやるのかしらと調べてみるとどうやらNHSのアプリでできるようだったので、アプリから予約をしました。これは本当めちゃくちゃ簡単だったので嬉しい。数年前に泣きそうになりながらApple IDを日本からイギリスに切り替えてよかったです。Apple MusicヘビーユーザのためApple IDの切り替え=ライブラリ全消去でメンタルが死にかけました。絶対もっといい方法あったな)

www.nhs.uk

ちなみに予約する際に受診理由を書く欄があったのですが、「この欄はあくまでも参考であり、必ず医師やスタッフが目を通すものではありません」と書いてあり、「じゃあイギリスの医者はほぼギャンブルのような気持ちで最初患者と接してるのか、すげえな」と謎の感想を抱きました。日本だと皮膚科、内科、歯科、小児科とかいろいろありますが、イギリスはもう総合病院と歯科と救急みたいな分かれ方なので、GPに勤めてるお医者さんすごすぎるだろと本当頭上がりません。

しかしGPの予約取れたんですが、一番早くて2週間後みたいなスロットしか空いてなかったので、予約してから本当にその当日までマジで嫌すぎて子どものように暴れてました。「行きたくない行きたくない行きたくないよ〜!!!!!!!(28歳社会人の叫び)」と本当に2週間ドキドキしながら過ごしていた。合格発表以来のドキドキ期間だったな……。

 

いざゆかん、戦いの地

そんな感じでめちゃくちゃ嫌だ〜!!!!!という気持ちを抱えながら当日、GPへ向かいます。上述したように、自己診断で花粉症かハウスダストアレルギーだな〜と思っていたんですが、市販薬でこうも治らないとなると、全く別の可能性があるなと思い、その場合私は医療英語なんか一切わかりませんので、彼氏を通訳役として念の為連れていくことにしました。

GPに着いて「16時30分からの予約のものです」と伝えると、受付の方から名前を聞かれて、そのまますんなり待合室へ。しっかし16時半になっても全然呼ばれず、17時になっても呼ばれず「病院っつーのはどの国でもこんな感じなんだな」と痛感。(地元のちっさい病院で意識朦朧としながら2時間待ったことある)(ババァがおっさんの医者と話に花を咲かせていたことが原因)(診察5分で終わった)

そしてついに呼ばれる私の名前!!コーヒーチェーンと一緒で全然正しく発音されない(そりゃそう)。ドキドキしながら開けた先に待っていたのは……超優しそうな若い女性の医師(せんせい)でした〜〜〜〜〜(ガッツポーズ)(ハッピ〜〜〜〜)!!!!!!

source: https://www.pexels.com/photo/a-woman-in-white-lab-gown-8376221/

*画像はイメージです

医師「こんにちは、今日はどうされたんですか?」

私「あ、ちょっと鼻水が止まらなくて。。。」

とスムーズに進む会話に大感激。先生は全然高圧的じゃないし本当に嬉しい!(本当にたまにだけど私の顔を見て私が一言話すとネイティブじゃないとわかっていきなりため息つく人がお店とかでいて本当に辛い)

医師「……そちらの方は?」

しまった。安堵しすぎて通訳(彼氏)のことを完全に忘れていた。私が外国人なので念の為連れてきた通訳です〜と説明。医師も「念の為ね、どんな人かわかっておかないといけないから!」と優しく受け止めてくれて感謝カンゲキ雨嵐。(これいつ聴いても「あ、この曲が「感謝カンゲキ雨嵐」なのかと思うくらい曲とタイトルを合わせて覚えていないのに曲名が好きすぎる)

youtu.be

こうして診療がスタートです。

 

鼻水と目の腫れの正体は________?!

というわけで、医師に11月ごろから鼻水が止まらないこととそれに合わせて結膜炎(英語だとconjuctivitisかpinky eyesというらしいです)が出てきて辛い、そしてこれは花粉症かハウスダストアレルギーではないかと思っている話をします。

医師「鼻水はずっと止まらないの?鼻詰まりの時もある?」

私「最初はずっと鼻水がでっぱなしだったんですけど、しばらくしたら時々鼻詰まりの日も出てきました」

医師「どうして花粉症かハウスダストアレルギーだと思うの?」

私「日本でもともと花粉症とハウスダストアレルギーがあって。。。」

医師「なるほどね。。。その時は家庭用吸引機を使ったりしてた?」

私「そこまでは……」

医師「なるほどなるほど……」

と進んでいく会話。ちなみに割と英語は普通の会話で、医療専門用語とかはあまり出てこなかったので、自分の英語力だけで大丈夫でした。だから英語力が不安でGP行く必要があるのに迷ってる人はGPに行ったほうがいい!!!最悪Google検索して画像とか見せたらいい!!(一回吸引機が分からなくて見せられてわかった)

医師「ここまでの話を聞く限り、あなたの症状は……」

医師「ズバリ、ロンドンアレルギーです」

alu.jp

その後、もちろん医療用の正確な単語ではないのだけど、と説明されてから、もともとアレルギー体質だった人がロンドンに来て、その症状がぶり返したり、悪化したりすることを、一般的に「ロンドンアレルギー」と呼ぶのだそうです。私の場合には、秋冬と寒い時期になって、ロンドンでは一般的なセントラルヒーティングのような暖房器具が多く使われることが原因で埃などが多く舞うことになり、それがもともと持つアレルギーを悪化させたのではないかとの話でした。

しかし本当にびっくりです。ロンドンアレルギーって……。早く出てけよって言わんばかりの対応だなぁイギリスよ。まぁ東京の花粉症も言うならば「東京アレルギー」だから基本的に都会が合わんのだろうか。私は都市以外で生きたことがないので都市の外で住む方法を知らんのですが……。とショックに打ちひしがれながら、医師の話を聞いて、処方された薬を薬局まで買いに行くことに。

 

処方箋を持って薬局へ

日本では処方箋を紙でもらってそれを薬局に持って行って渡すのが一般的なのかなと思いますが、イギリスは場所によっては処方箋をそのままGPから薬局に直で送ってくれるので処方箋を受け取ることがない場合もあることを今回知りました。なので、診察が終わってそのまま指定された薬局へ向かいます。

source: NHS highlights effectiveness of local pharmacies with new ad campaign | UK Healthcare News

薬局に着くと、名前と生年月日を聞かれました。私が使用した薬局では用意された(マジでクソ適当に古いカレンダーとかを切った裏紙みたいな)紙に名前と生年月日を書いてカウンターの人に渡す仕組みでした。

そうすると、薬剤師さんが処方箋に従って薬を用意してくれるので、少し待つ。そうして、用意されると名前が呼ばれるので再びカウンターへ。

薬剤師さん「住所をお願いします」

alu.jp

な、なぜだ……。もう薬が目の前で用意されているのに住所……?!わざわざ発送する気なのか……?!と思いながら住所を伝えると、住所が間違っていると言われます。「別の方じゃないかな」と言われ、初めて「GPに登録している住所、引越しする前の住所だ……」と気がつきます。その住所に住んでいたのは2020年の春までなのでマジで覚えてなくてやばかったですが、家の部屋の番号でもいいと言われなんとかことなきを得ました。あとで彼氏に聞いたところ、この住所確認は処方箋を持ってこない代わりに本人であることを証明するために聞かれるもののようでした。

また、薬はお金がかかります。処方してもらった薬の場合、処方箋代がかかるから薬局から直接買いたいというと安く済むよ!とGPの先生が教えてくれたので(マジで優しい)、そのアドバイスに従って薬局から直接買うようにしました。処方箋代というのは薬一つにつき何ポンドというような形でかかるらしく、薬をたくさん処方されればされるほど高くなるとのことでした。みんなもその場合は直接薬局から買うようにしよう。(優しい薬剤師さんの場合には、何も言わなくてもそうやって対応してくれるっぽかったです)

 

まとめ

というわけで今回は初めてGPに行ってきた自分を讃える記事でした。実は11月には初めて歯医者にも行ってました。その話はどこかに書いた気もしますのでここでは簡単に。結果、ゴリゴリに虫歯でした。今も治療続けてます。イギリスは歯科の費用がクソ高いから(NHSの歯科もあるけど歯科だけは診察が無料じゃないので結局安いけど金はかかります)気をつけよう!

www.nhs.uk

私は会社が保険に入ってくれているのでプライベート歯科に行ってますけど、保険がクソ弱なので結構な金額払ってます!マジで日本に1回くらいいける航空券代(往復)くらい払っとる!マジで虫歯になるのやめたほうがいいよ!歯を磨こう!(あたりまえ体操)私は勉強代として黙って治療費を払っています。。。

とにかくGPは(そして歯医者も)心配していたほど辛いことは待っていなかったので、勇気が出なくてGPに行けていない方や、これからイギリスに来るけど病院てどんな感じ〜?!と思っている方の参考になっていれば幸いです。

 

......ちなみにこれは本当全然関係ないんですけど、Amazon Prime Videoで最近配信された"Saltburn"て映画観ました?!(日本でも観られます)あれイギリスで大流行りしているんですが、マジでイギリス色が強い上に映画としてもパンチ効いてる作品だから観てほしいです。個人的にマジでめちゃくちゃ混乱したけど最終的に大好きになった作品でしたので。。。。「バスタブのシーン」もしくは「墓場のシーン」というだけで今イギリスで友達が簡単に作れるくらい流行っとる。すごいぞ、"Saltburn"。一言で言うと、陰キャ陽キャのBL映画の皮を被ったイギリスに残る階級制が生んだ激ヤバクソ胸糞映画です。ぜひご覧ください。

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Saltburn

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