きねまないと

最近映画が好きになった20代が素人目線で好き勝手に映画の感想を綴るブログ。

名作映画?違うね!こいつは「萌え」映画の革命児だ!!!『グラン・トリノ』

 

 

 

初めましての方も、お久しぶりの方も、前回ぶりの方もこんばんは。

あやめです。

 

本日は、クリント・イーストウッド監督のグラン・トリノについてお話ししていきます。

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source:Weekly Suggestion # Movie | Gran Torino | WLG

 

 

あらすじ

主人公ウォルト・コワルスキーは妻を亡くして、喪に服していた。葬式に参列しにきた孫たちは礼儀がなっておらず、息子たちも自分を厄介者扱いしている。そんな現状にイライラしていたウォルトが最近一番気に食わなかったのは、自分の家の隣に越してきたのが黄色人種の野蛮人だったことだった。

ある日の晩、ウォルトはガレージから妙な物音がしたため、朝鮮戦争で自身が用いた銃を持って向かうと、隣家の少年がガレージに忍び込んでいたのだった。ウォルトは彼を撃退し、さらに隣家への印象を悪くした。

しばらくすると、隣家に妙なチンピラがやってきているのを見かける。チンピラたちは無理に少年をひきずり、集団リンチしようとしていた。いけ好かない隣家がどうなろうが知ったことではないが、自宅の芝生が汚されることを警戒したウォルトはチンピラを銃で脅して撃退することに成功した。すると、隣家の人びとに感謝されるようになり、彼らはウォルトの家に惣菜や綺麗な花束を置いていくようになる。

その後、ウォルトのことを気に入ったスーという少女がウォルトと仲良くなっていく。ウォルトもスーのことだけは認めてやり、そこから段々と隣家に住むモン族の人びととの交流を深めていく。すると、スーは、あの晩ウォルトのガレージに忍び込んだ少年・タオを自分の弟だと言ってウォルトに紹介する。

人生に迷う少年と、生々しい戦争の記憶に苦悩する気難しい老年男性の紡ぐほろ苦い絆の話。

 

詳しくはこちらをご覧ください。


グラン・トリノ 予告編

 

感想

今作については名前とポスターは以前から知っていて、いつか観ようとぼんやり思ってた程度だったんですが、Amazonプライムビデオで観れるぞ!ということがわかり、早速ダウンロードして視聴してみました。

が、そしたらなんというかもう思ってた印象とか予想をいい意味ですごい勢いで裏切ってくれまして!!もうその勢いたるやすごかったので皆さんと共有させてください!!

 

①『グラン・トリノ』は「枯れ専」のパイオニア?!

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source:バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~:テレビ東京

 今ではこんなドラマも作られてしまって、すっかり「萌え」ジャンルの一つにまで成長した「枯れ専」。ちなみに私は「バイプレイヤーズ」のキャスト陣の中では寺島進さん一択です。だいすきです。一度でいいからお会いして「バーロォ!!!」って言ってほしい。

さて、今作、『グラン・トリノ』も主演、そして監督も務めているクリント・イーストウッドさんの魅力が満載の「枯れ専映画」となっております。枯れ専の方にはたまらん120分がここにあると言って間違いないね。ほんとに。私枯れ専ではなかったんですけれども、この作品を通して新たなトビラを開けてしまった感があります。(余談ですが、私のなかでマッツ・ミケルセンは全く持って枯れていないので、あの方は枯れ専の枠外とします。)

ところでみなさんは「枯れ専」という言葉がいつごろからある言葉かご存知でしょうか。今回わたくし、ちょっとばかし文明の利器インターネッツを使ってめちゃくちゃ簡易的ですが、調べてみました!*1

(その過程で「C専」なる言葉を発見して、ある界隈ではショタコンのことが一時期「チャイルド専門」という意味で「C専」と呼ばれていたのだとか、呼ばれていなかったのだとか、ということを知りました。)

そこで行き着いた現存する最古の記事かおそらくこちら。

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引用元:「枯れたおじさま」に萌える女子たち - Excite Bit コネタ

こちらのエキサイトニュースさんの2008年2月5日の記事です。なんと今年は「枯れ専」という言葉が世の中に浸透して10周年のようです。おめでとうございます!

さて、そんな枯れ専という言葉が世の中に知れ渡った2008年。そう、この2008年こそがなんと『グラン・トリノ』の劇場公開年なのです!(ナ、ナンダッテー?!)とはいっても、日本公開は2009年1月ですので『グラン・トリノ』が大ヒットして「枯れ専」という言葉ができたわけではないのですが…。

しかし、この「枯れ専」という言葉が普及して日本で使われるようになったタイミングでこの「枯れ専映画」を世の中に売り出したクリント・イーストウッド監督すごくないですか?!強運すぎない?!つまりはこの映画、「枯れ専映画」のパイオニアなわけです。めちゃくちゃ飛躍して言えば、「バイプレイヤーズ」もさかのぼってさかのぼっていけば『グラン・トリノ』に行きつくわけです!(?)すごい!

なので、「枯れ専」を自称している方は今すぐに『グラン・トリノ』を観てください。頼む。なんでもいいから観てくれ。

 

②この映画は、笑えるぜ!!!

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source:Hmong get a mixed debut in new Eastwood film | Minnesota Public Radio News

実は私ポスターと名前は知っていたんですが、この映画のないようについては全く知らずに視聴しました。ポスターの印象だとクリント・イーストウッドが一人で車と写っているだけなので、かなりさみしい印象を受けました。

が、ところがどっこい本編マジで面白い。マジゲラゲラ笑ったかんね。すごいよ。あのポスターでゲラゲラ笑うの想像つかないっしょ、でも笑うから。めっちゃウケる。やばい。この映画、めたくそに面白い。ということだけは今日覚えて帰っていただきたいです。ほんとに面白いです。声出して笑ったシーンが何回かありました。決してコメディではないんですが、なんというかシュールギャグというか、おかしくて笑ってしまうシーンが結構あるんですよね! 

だってあんな気難しそうな(というか実際キレる)おじいちゃんがめっちゃ嫌ってた黄色人種の隣家に行って

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「エッ 何この料理めっちゃいい匂いすんじゃん…」

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(パクッ)

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>>>うめぇ!!<<<

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source:Gran Torino Hollywood Movie Trailer | Review | Stills

「おかわりできるか?」

ってなる流れめっちゃ面白くない…?やばくない…?「萌え」でしょ…。笑うでしょ、すごいでしょ…。(ここで頭を抱える)

 

 

③やっぱり歳の差の友情って素晴らしい 

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source:Avez-vous vu Gran Torino? - L'Express

ここでも何度か言っているように、私は『レオン』だいすき芸人です。

 

slhukss1.hatenablog.com

 

『レオン』は傑作ですよ。マジで。まだ観ていないなら観てください。最高なんで。もうこの映画と出会ってしまったせいで映画好き加速したって言っても過言じゃないくらいすきです。

そんな『レオン』、何がいいって

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source:11 Expert Facts About Léon: The Professional | Mental Floss

人としてどこか欠如してる大人がなめくさってた少女と出会って人として成長していくってところなんですよ!

もちろん少女もそれと一緒に成長していくわけです。これは2人の成長物語なのです。決してどちらか片方ではなくて、一緒に、しかもそれも図らずして成長していくところがたまらん!たまらんすぎます!

私はこんな作品が大好きでして、たとえば『ヴィンセントが教えてくれたこと』

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source:St. Vincent | Official Site

ダメおじいちゃんと有能な少年の話です。コメディなのに最後は泣ける、そんな作品です。これは本当にめちゃくちゃ(かわ)いい作品なので、『レオン』が好きだという人には必ず観ていただきたい作品です。

あとはこれはちょっとずるいんですけど、『アイアンマン3』とか。

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source:TR Interview: Ty Simpkins, the Iron Man 3 Kid | The Robot's Voice

富豪でアイアンマンなトニー・スタークが死にそうになってたところにこの生意気な少年が現れて「なんだよ、まったく」とか思ってたんだけど、最終的には友情を築いてしまうっていうね!そんなトニー・スタークが観たかったに決まってんじゃねえか!!!みたいな。まぁ映画としては3はほんとに…ひどかったんですけど…、このエピソードはかなりすきでした。

邦画でいえば、永い言い訳とかもこの類ですよね。

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source:本木雅弘が子煩悩パパ!? 『永い言い訳』西川監督が子役の演出を初体験 | cinemacafe.net

 

slhukss1.hatenablog.com

 

これは近年の邦画の中で私の個人的な1位ですね。相変わらずずっと1位にいます。『怒り』とか『ユリゴコロ』とかもよかったんですけど、やっぱり駄目な大人×子どもの構図がすきすぎてこれが圧倒的1位です。本当に『永い言い訳』はポスターとか予告編のイメージを全部捨てて観に行っていただきたい!本当に馬鹿みたいにかわいい映画なので!

 

そんな「(比較的ダメな)大人×こども(とか年の離れた人)」がだいすきなので、『グラン・トリノ』好きに決まってた…!!!!!って感じです。やられたー…!!!

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source:http://www.wisewords.ie/index.php/2009/05/good-great-gran-torino/

クリント・イーストウッド演じるウォルトは、この世のすべてが気に入らねえみたいなおじいちゃんなんですけど、いつまで経っても朝鮮戦争での「殺人」の記憶を忘れられず、人知れず苦しんでいるという人なんですね!そんな人が、隣家のイエローだなんだとか言って蔑視してた家庭の少年・タオとひょんなことから行動を共にするようになって、というか師弟関係みたいになって、最初は(というか最後までウォルトはそう思ってたかもしれないけれど)ウォルトがタオに物事を教えてやってるぜとか思ってたかもしれないんですけど、このタオとの関わりを通じて、彼はようやく人との関わりという幸せを実感できたと思うんですよ…。

もう、サイッッッコー…じゃない…?うあ…すき…ってなるでしょ…。すきと言え…。

 

まとめ

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source:Review: Gran Torino - Top 10 Films

 私の性癖にめちゃくちゃに突き刺さった『グラン・トリノ』、本当に出会えてよかったです…。私の気まぐれとAmazonプライムビデオに感謝…。

 

グラン・トリノ (字幕版)
 

 上の画像の手で銃を作ってチンピラに向けるウォルトおじいちゃんめちゃかわいいし、かっこいいんでほんとに本編で確認してください…。ほんとにかわいい…。こんなの発想の勝利だよ…。サイッコー…だ!

 

しかし、ずっとかわいいかわいいと言ってしまったんですが、結構バイオレンスというか、痛々しいシーンもありますし、ウォルトは前述したように過去の朝鮮戦争のことを引きずっていますし、全体的なテーマの一つが「生と死」というめちゃくちゃ重い映画でもあるので、私のレビューの雰囲気だけで観るのは危ないかもです!(笑)

で、でも本当にかわいい映画なのは補償するんで…!!!!

 ちなみに『グラン・トリノ』はHuluでも見放題です!

www.happyon.jp

*1:まず「枯れ専 出現 いつから」でグーグル検索→出てきた記事の公開された日付を確認→Twitterで「枯れ専 until:2008-04-01」で検索→すでに2月には「枯れ専」という言葉を使っている人を発見→「枯れ専」をグーグルの検索ツールを使って2008年2月より前に使っている記事があるかどうかを探す。