きねまないと

最近映画が好きになった20代が素人目線で好き勝手に映画の感想を綴るブログ。

『名探偵コナン ゼロの執行人』を安室透ファンへの忖度なしで語る。

 

 

 

本日の映画

今回は、名探偵コナン ゼロの執行人』についてお話ししていきます。

(※今回は核心的なネタバレはありませんが、細部は結構ネタバレしてしまっているので読むのは自己責任でお願いいたします。)

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(source:劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』)

 

あらすじ

コナンがいつものように阿笠博士の家で少年探偵団たちと時間を過ごしていると、近々行われるサミット会場で爆破事件が起こる。幸い一般人の被害者は出なかったが、その日サミット会場の警備を行っていた警察官から死傷者が出てしまう。すると、ニュース映像を見た灰原が「ポアロで働いてる安室という男、もしかしたら映像に映っていたかもしれない」と口にする。毛利探偵事務所の下にある喫茶店ポアロで働く安室透。彼は新一をコナンにした組織に所属する「バーボン」である…が、その正体は公安警察「降谷零」なのだった。

数日後、降谷が所属する公安警察よりサミット会場爆破事件の捜査に加わった風見刑事から「現場に毛利小五郎の指紋が検出された」として、蘭の父親である毛利小五郎は逮捕されてしまう。父親がそんなことをするはずはないと泣きながら訴える蘭の言葉もむなしく、小五郎はそのまま連行されてしまう。

小五郎が事件に巻き込まれたことで同時に事件に巻き込まれていくコナンたち。小五郎の犯行だとは指紋以外は決して思えないこの事件、しかしなぜ公安は小五郎を逮捕したのか…。「安室さんは何を考えているんだ…?」と安室を疑い始めるコナンだが…。

 

詳しくはこちらをご覧ください。

 


劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』福山雅治主題歌 予告映像【2018年4月13日公開】

 

感想

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source:名探偵コナン ゼロの執行人 × アニメガ全国4店舗 5/6までショップ開催!

 去年安室透が主演の映画が作られると聞いたときは、正直私安室透の女ではないので「マジか~~~」と思ったんですよね。というのは、私は「名探偵コナン」という作品が大好きで、安室透というキャラクターもすきなんですが、いかんせん最近安室透に作品が乗っ取られ過ぎていて哀しかったんですね、工藤新一が好きな私としては。

グッズが出ると新一はいないのに安室さんはいるのか…とか、コナンくんのライバルは服部かキッドだからグッズはそこのふたりの組み合わせがいいなぁと思ってたのに最近は安室さんとのグッズばっかりだなぁ…とか。

そんな中での劇場版作品の安室透主演映画と聞いて、正直「終わったな」と思いましたよ。完全に乗っ取られたなと。「今まで『名探偵コナン』をご愛読いただきありがとうございました。次号から『潜入捜査官 降谷零』が始まります!」みたいなアナウンスがかかったのかな、と。そのくらいには辛かったんです。わかっています。めんどくさいオタクだっていうのは。でも言わせてほしい。20年やってる作品でポッと出てきたキャラにすべてを乗っ取られるっていうのは俺には耐えられねえ。

というすさまじい精神状態の中、半ば半ギレでこの『ゼロの執行人』観てきたんですけど、これがなんと!なんと!安室透へのこの鬱屈とした気持ちを晴れやかにぶっ飛ばしてくれる映画だったんですね。すごい!もう安室透サイコー!!みたいな。そんな映画だったんです。ただ、その一方でこの映画、昨年の『から紅の恋歌』より面白いかと言われれば個人的にはそうでもないかな、と。その辺りも含めて詳細な感想を以下綴ります!

 

①安室透…というか公安警察 降谷零だけを切り取った映画

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source:[12/16放送]劇場版名探偵コナン「ゼロの執行人」TVスポット③ - YouTube

 いい意味でも悪い意味でも今回はトリプルフェイスが売りの安室透の公安警察」としての顔だけを切り取った映画でした。バーボンとしての顔は皆無ですし、安室透も最初と最後だけって感じで、あとはほとんど降谷零として働いてました。普通に。警察官として。

それはつまりコナンくんとは全く違うアプローチでこの事件を解決するという役割を降谷零が請け負っているからなのですが、この側面としては主人公であるコナンくんとキッチリ役割をわけて、主役を食い過ぎず、かといって活躍しすぎないこともなくという線引きがうまくできていたように感じました。ここが結構私のなかですごくうれしくて、本当に主役喰われていないかどうかが不安だったんですが、降谷さんは結構一生懸命コナンくんをたててくれていて、むしろごめんね?ありがとね…?となってしまいました。

つ~か普通に降谷零すごくかっこよかったよね。あの問題のワイルドスピードシーンとかよかったよね。いい塩梅でこの人やべぇ人なんだなってわかって面白かったよね。降谷さんとドライブデートに行くときはヘルメットと一応防弾チョッキと酸素マスク必須かなみたいなね。

一方で、最初に言った通りこの降谷零という人間は「安室透」「バーボン」としても動いている人間なので、こんなに公安警察として働いてしまっては、ベルモットから急に連絡がきたときとかどうしてしまうのかな?と結構疑問に思ってしまいました。というのは、すごく普通に警察官として働いてしまっているので、「…これ普通にジンに見つかるんじゃあねえのかな…」と観ているこっちが無駄に心配してしまいオロオロしてしまうレベル。お前スパイなんだろ、テレビに映ってる場合じゃねえだろ、と。だって哀ちゃんが見つけられちゃうレベルですよ。(といっても哀ちゃんもなんであれでわかったんだよっていうレベルなんですけど)

なので、この降谷零というキャラクターの良さというか唯一無二の「トリプルフェイス」を全く活かさないこの映画にはちょっとがっかりしました。確かにどこかに依存しないとコナンくんよりも目立ってしまうので仕方がないのかもしれないんですけれど。

 

②単純に話難しすぎるだろ

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source:名探偵コナン ゼロの執行人の上映スケジュール・映画情報|映画の時間

今回の話の主軸として警察庁、警視庁、検察庁が出てくるのですが、これがもう「名探偵コナン」という客層は一般的にはこども(小学生)がターゲットとされているであろう作品としては異例の話の難しさで、御年23歳の私も友人と観に行って、鑑賞後に「一回話整理したいからちょっとドトールかなんかでお茶を飲もうぜ」と誘ってしまうくらいには話が難解でした。多分私の隣の隣に座っていた小学生の女の子たち途中でびっくりするくらい黙ったんで全然話わかってなかったと思います。

今回脚本を担当されている櫻井武晴さんですが、元々テレビドラマ「相棒」の脚本家として有名な方でして、多分ですけど、推察ですけど、この方警察ものの脚本をすごく得意とする脚本家さんなのです。ウィキペディアとか見ていただくとなんとなくそんな感じがすると思うのですが。 櫻井武晴 - Wikipedia

だからこそ、今回の話はめちゃくちゃ難しい。多分櫻井さんめちゃハッスルして書いたんだと思うんですけれど、いかんせん普段IQ2くらいのテンションで生きてる人間なので難しすぎて途中もうコナン君と安室透の顔を楽しむタイムが私のなかで着てしまうレベルでした。

と言っても、全くもって面白くないわけではないのです。ただ、櫻井さんの脚本でいえば『名探偵コナン 絶海の探偵』はすごく良作だったので、あのレベルを求めてしまうと、ちょっと今回は「コナン映画」である必要性が全く見られず、そういう意味ではつまらなかったです。ストーリーは複雑だけど、面白い!ただ、コナンに求めているのはこういうものじゃない…という思いがすごくありました。

 

③蘭姉ちゃんのアクションシーンがない!!!

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source:名探偵コナン 3wayブランケット 2 工藤新一&毛利蘭|ホビーの総合通販サイトならホビーストック

 劇場版コナンといえばやっぱり外せないのが蘭ちゃんの人間離れしたアクションシーン。さきほど出した『絶海の探偵』ではブルースリーも顔負けといったような本格アクションを繰り広げ、『業火の向日葵』では新一にふんしたキッドに頼まれ鉄の扉を蹴破り…など挙げればキリがない伝説の数々を持つ蘭ちゃん。個人的にはこの蘭ちゃんのかわいいだけじゃなくて、実はこの蘭ちゃんというキャラクターだけでも一本漫画書けますよねという強烈なキャラ付けがすごくすきなのです。なんというか、「座ってにっこり笑ってるだけがお仕事」みたいなヒロインじゃないところがすごくすきなんですよね。

ただ、今回の劇場版では蘭ちゃんはお父さんが逮捕されてしまい、途方に暮れて泣き続けてしまうという正統ヒロインのポジションなんですよね…。残念…。私の他にも多分3000万人くらいは蘭ちゃんのアクションを楽しみにしていたと思うんですが…。来年の映画に期待です。

今回の劇場版でいただけなかったのは、小五郎が逮捕されてしまったときに「新一に助けを求めて電話をする」というシーンがあるのですが、どう考えても不敗記録を持つ弁護士の母親に真っ先に電話をかけてほうがよくないですか?蘭ちゃんは頭がいいのでそこは新一ではなく、妃英理さんにかけると思います。私は。私はね。

 

④主役と犯人がわかりづらい

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source:名探偵コナン1時間SP、18年前の人気エピソード放送!安室透登場の映画プレストーリーも - シネマトゥデイ

 今回の映画、話が複雑すぎると言ったのですが、それとは別問題で主役もわかりづらければ犯人もわかりづらいという決定的な弱点が…あるんですよね…!!!!

まずコナンくんと安室さんが別の役割を担って安室さんが主役として(言葉は悪いですが)出しゃばりすぎていないというところは本当にかなり良かったと思うんです。ただ、コナンくんが主役として全くと言っていいほど立ってない!!!いいところがほとんどない!最後のいつものようなお決まりのシーンだけ!!!辛い!!!!

(個人的には高木刑事とのシーンが面白すぎてあれはもう大爆笑だったんですが、)コナンくん今回の映画で何をしたんだろう?というくらいには何もしてないんです。何もしてないんですけど、最終的には犯人を突き止めてしまう。なぜ…。

今回は結構少年探偵団と阿笠博士が大活躍でして、この子たちが主役だったのかな…と。そしていろいろなしがらみにとらわれている風見さんの頑張りがめちゃくちゃフォーカスされるので「風見さん…!」と私は安室透よりも風見さんの女になって帰ってきてましたよ。誰だよ安室透の女になるとか言ったやつ。『ゼロしこ』ちゃんと観たのかよ?目ぇかっぴらいてもっかい観てこいやとか悪態つきそうになるレベルには風見さんが輝いていました。

そんな主役もわかりにくい中で、なんと肝心の犯人までよくわからない。なんだこれは。ネタバレになってしまうので何とも言えないのですが、「(わかりやすい)伏線がほぼ何もなかったから私にはこの人が犯人っていうのがもういきなりすぎて納得できないよ?」となってしまいました。というか動機とそれに伴う犯行がガチャガチャすぎるだろう!それは!!!!まだこの点に関しては全然納得してないぞ!

 

まとめ

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source:映画『名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん)』 - シネマトゥデイ

 というわけで今回は『名探偵コナン ゼロの執行人』についてお話しさせていただきました。安室透のファンの方には大変申し訳ございませんと言わざるを得ない記事になっていまいました。本当にすみませんでした。安室透のことは好きです。すみません卵を投げるのはやめてください。

ただ、私この映画めちゃくちゃよかったな…!!!というシーンが3つほどあるので、リピートを劇場でするかどうかは微妙ですが少なくともディスク化したら複数回観てみようとは思っています。

あとすごく今回悲しかったことがありまして、というのは来年の映画の予告が映画の最後にあるんですが、それを見る前にTwitterでネタバレをね…されまして…。

いいんですけど、いいんですけど、いやよくねえだろ!!!!!!!!!!!!こっちはアレを一番の楽しみに観に行ってるんだからね!?!?!本編のネタバレじゃないからいっかって思っちゃった?!ダメだよ!!!!!!

というわけで、コナンの次の映画のネタバレ、ダメ、ゼッタイ。

 

追記

2018年5月9日水曜日…。そう、ついにこの男の人気がすさまじすぎてこんなものが…!!!

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mainichi.jp

 すごい!すごすぎるぞ安室透!!!!正直先述した通り私は安室というキャラクターのファンではないのですが、実は安室さんとポアロで働く梓さんの関係性は限りなくだいすきなので、kindleでうっかりサンデーを購入して読んでみたんですが、もう小学館の「安室の夢女も赤井と安室でなんかいろいろ妄想している女も梓さんと安室の組み合わせが好きな女もとりあえず全員金をよこすんだよ」というヤクザかチンピラみたいな殴るような漫画ができあがっていて笑いました。

それにしてもスピンオフ漫画が出るよって言う記事がまさかねとらぼとかでもなく毎日新聞で報道されてしまう安室透、強いなぁ…。