本日の映画
今回は『ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り』についてお話ししていきます。
Source: https://www.odeon.co.uk/odeon-scene/dungeons-and-dragons-movie/
あらすじ
様々な種族、モンスターたちが暮らす世界、フォーゴトン・レルム。平和守護者であるハーパースの一員として働いていたエドガンだったが、かつて彼が捕えたレッドウィザードに妻を殺されてからは、偶然出会った戦士のホルガとともに娘・キーラを育てながら盗賊として暮らしていた。
その後、呪術師のサイモン、詐欺師のフォージが仲間に加わり、幸せに暮らしていた、フォージが連れてきた謎の人物・ソフィーナが現れるまでは……。
妻を殺された後、どうしても妻を取り戻したかったエドガンは死者を生き返らせることのできる「よみがえりの石版」を手に入れるための旅に出たが、ソフィーナの時間を止める魔法で脱出に失敗し、エドガンはホルガと共に捕えられてしまう。
その後、なんとか脱獄に成功したエドガンとホルガはキーラに再会するため、キーラを預けたフォージの元へと向かう。すると、フォージはいまだにあの裏切り者のソフィーナと共にいることが判明する。さらにフォージはエドガンとホルガは釈放されたのではなく脱獄してきた不届きものだとキーラに説明し、キーラは2人への信頼を失ってしまう。その後、ソフィーナはレッドウィザードの一員であることを明かし、エドガンとホルガを処刑しようとする。
エドガンとホルガの2人はなんとか脱出に成功し、キーラを助け出し、よみがえりの石版を手に入れるため、パーティーを探す旅に出るのだが……。
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ありがとう、ありがとう『D&D』……!!!
いや『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(以下、『D&D』)よかった〜〜!!!!実はわたし何を隠そうファンタジー作品が本当に苦手な人間でして、どれくらい苦手かというと『ロード・オブ・ザ・リング』が苦手すぎて1作目を1週間かけてちまちま観た(イッキ見することができないほど鑑賞が辛かった)というくらいです。
『ハリー・ポッター』シリーズはまだ割とよくて、というのは人間の現実と繋がっている(というかその裏にある)という設定だからなのですが、それでもそんなにハマらなかったので、本当に基本的にファンタジー作品を楽しむ神経を失っているのだな……と思っていたので、『D&D』もスルーする気満々だったんです。(しかも予告全然面白くなさそうだったので本当にスルーする気しかなかった)
が、しかし、ヒュー・グラントが……ヴィランで出てくると言うではありませんか……!!
Source: Hugh Grant Has Hilarious Reason For Joining Dungeons & Dragons Movie
今世紀最高の映画の一つ,『パディントン2』でも悪役を務めたヒュー・グラントがまたヴィランで出てくるなんて行かないわけにはいかないだろ!!!とヒュー・グラントホイホイで観に行ったんですけど、『D&D』、良!!!!!!!
いやもういいところを挙げたらほんとキリがないくらいいいところばっかりの映画なんですけど、もう何がいいって全部いい!!!!という語彙のなさなんですけど、語彙がないなりに頑張って『D&D』の良さを語らせてください。
ミシェル・ロドリゲスをキャスティングした時点で勝ち
Source: 'Dungeons & Dragons' Clip: Michelle Rodriguez Fights With Her Hands Tied
実は今作を見るまでミシェル・ロドリゲス=『ワイルド・スピード』の人、だったわけですが、もう今作を観てから「ハリウッド映画全作とりあえずミシェル・ロドリゲスを出せ!!!!」という強目のミシェル・ロドリゲスファンになりかけるレベルでミシェル・ロドリゲスがよかったです。(どうでもいいんですが、ミシェル・ロドリゲスって全然言えなくて鑑賞後感想を言うたびに噛んでました、今も噛んでます)
とにかく強くて、その強さをひけらかさなくて、とにかく強くてかっこいい!アクションも最高!彼女がいるだけでアガるとでもいうのかとにかく楽しい!かっこいい!最高!好き!という気持ちで溢れました。
彼女の演じるホルガという役、ちょっとキャスティングミスったらクリス・パイン演じるエドガンと恋仲にしか見えなくなっちゃう役だと思うのですが、ミシェル・ロドリゲスがとにかくどっしりエドガンと対等な仲間の戦士として演じてくれていたので、恋仲に見える隙がなくて(実際夫婦みたいに間違われるシーンがあるのですが、観ているこっちまで「そんなわけねえだろが!てめえ目玉ついてんのか出直せ!!!」となる)、本当素晴らしかったです。
しかもそれが女性としての魅力がないからとかでもなくて、彼女はずっと強くて美しくてそれもまた最高ポイントでした。エドガンとはどうやっても恋仲にならないほど信頼の絆で結ばれているだけ、というのをミシェル・ロドリゲスは本当に上手く演じてたなと思います。最高!
クリス・パイン何もできない役似合いすぎてる
Source: ‘Dungeons & Dragons’ Proves Chris Pine, Movie Star, Can Save Anything – Rolling Stone
今回、クリス・パイン演じるエドガンはまごう事なく主人公であるはずなのですが、とにかく何もできなくて良いですね……。
なんというか、クリス・パインはイケメンだし、『スター・トレック』の印象も強くてなんとなく才能のある役を演じてるイメージが強かったんですが、今回のエドガンは特にひらめきに長けている……というわけでもなく、とにかくカリスマ性があるだけの役でこれと言って実用的な才能があるわけではないので、後から本作のストーリーを振り返ってみても「いや、こいつ実は特になんもしてねえな……」みたいな感じでウケました。本当にカリスマ性があっただけ……。
特に冒頭のホルガと共にソフィーナとフォージが支配する国から逃げるシーンがありますが、ここでエドガンは本当に何もやってくれなくて面白かったですね。一生懸命自分に付けられた縄を解いているうちにホルガが全部やっつけてくれるシーン。もちろんホルガの見せ場なわけですが、あのシーンがエドガンってこんな人だよーっていうのを観客に一発でわからせてくれる良いシーンで良かったです。
後、本当に何にも特に秀でていない人というのが主人公なのも良いですよね。善き人、良き心を思っていることが、何よりも人を動かすのに大事なことなのだ、みたいなほんとわかりやすいテーマが見えてくるようで。クサいテーマかもしれませんが、ストレートでわかりやすくて個人的には好きです。
セクシー・パラディン!セクシー・パラディン!
今作、最大の見どころであり、主役を食ったのはこの人、ゼンクです!!!!もうとにかくこれを見てくれ。
yes, @regejean is in #DnDMovie. pic.twitter.com/6OoQmGTJY4
— Dungeons & Dragons Movie (@DnDMovie) April 9, 2023
もうね、魅力に溢れすぎて公式がゼンクのための単独動画作ってしまうくらいにはこの人主役食ってるんですよ。とにかく登場から最後まで良い人すぎて、後何だか異様すぎて、胡散臭すぎるんですけど、普通に良い人っていう笑
後本当に演じているレゲイ=ジャン・ペイジさんが意味がわからないくらいイケメンすぎて逆にギャグみたいになってるのもゼンクの魅力でしたね。いつでもかっこいい人ってちょっとギャグになるんだ……と思ってウケました。これは観るまでわからないギャグかと思うんで、ぜひ本作を観てみて「ゼンクイケメンすぎて草」ってなってください。
ちなみにわたしは本作を観た後ソッコーでレゲイ=ジャン・ペイジさんのインスタとツイッターフォローしました。カッコ良すぎるんじゃ〜〜……。ぜひ今後も様々な作品でお目にかかりたいものです。
シリアスすぎない、本当に0知識で観られる!
Source: How Monty Python Inspired Dungeons & Dragons: Honor Among Thieves
あとはやっぱり今作の最大の魅力は肩の力を入れずに観られることですね。特に近年は、『MCU』シリーズをはじめに、とにかくフランチャイズ化、ユニバース化が激しくて、各作品を観るハードルが上がりすぎてると思います。特にアクション、Sci-Fi、ファンタジーなんかはそんな感じですよね。今年も『MCU』、DCヒーロー映画、『ワイスピ』シリーズ、『ミッション・インポッシブル』などなど、とにかく途方もないほど長いシリーズの続編が公開されます。
それから、これは個人的にファンタジー作品が苦手な一因なのですが、ファンタジーシリーズって設定が現実からかけ離れているからといって内容が無駄に鈍重だったり、ほぼ一切のコメディシーンがなかったりすること多くない……?『ハリー・ポッター』とか最後らへん本当疲れたんですが、わたしだけっすか……?!(あと『MCU』とかもとにかく重い話が最近多すぎる……)
それらと比較してもせずとも、『D&D』はコメディファンタジー映画な上に、今後続編があるかもしれませんが、とにかく今は1作目だし、確かに原作はゲームですがそのゲームをプレイする必要もなく、ゼロ知識で観に行って大満足で帰って来られる作品なんです!これはとにかく2023年の大作ファンタジー映画としては稀!!本当に嬉しい!!!
さらにさらに『D&D』の良いところはコメディ要素を多分に含みながらも、ファンタジー部分を妥協していないということ!とにかく映像も設定もきちんとしている!!特に魔法のシーンなんかは全シーンワクワクしますし、CGIのちゃっちさなんかは全くなくて、きちんと豪華!た、たのし〜〜!!!という感想だけを純粋に持てる!本当にありがたい!!
Source: What Monsters Were in the New Dungeons & Dragons Trailer?
あとドラゴンがタイトルに入ってるだけあって、たくさんの生き物が出てくるのもワクワクポイントの一つですね。
言葉の通じないドラゴンのような生き物もいる一方で鳥人間もいたりとか本当に様々な種族が住む世界なんだな〜というのを説明なしで見せることで観客にわからせてくれるのも良かったです。あの不憫な鳥人間、次回作とかでも出てきて欲しいな……。(どうでも良いですが鳥人間言い過ぎて笑い飯の鳥人思い出しました。)
やっぱりヒュー・グラント、一生間抜けでムカつくのになんか好きなヴィランやってて欲しい
Source: Hugh Grant didn’t notice the link between DnD and his best movie | The Digital Fix
さっきも書いたのにまだ書くのと思われるかもしれないんですけど、これ本当ゼンクの次に主役食ってるのがヒュー・グラント演じるフォージなんですよね!本当キャラクターとして良すぎて!!
鑑賞後の印象が「ヒュー・グラント本当良かったね」で埋め尽くされる人がいてもおかしくないくらい、やっぱりヒュー・グラントには今後も間抜けなヴィランをやっていて欲しい!!と思います。すぐ裏切るし本当ムカつくんですけど、ちゃんと報いを受ける(でも死なないしまた迷惑かけにくる)みたいなヴィラン本当似合います。本当にずっとこんな役やっててほしい。
Source: The Best Dungeons & Dragons: Honor Among Thieves Easter Eggs You Might Have Missed | Den of Geek
それから上で話しそびれてしまいましたが、エドガンとホルガのパーティーに加わる呪術師のサイモンと姿を変幻自在に変えることができるドリックもめちくちに魅力で溢れていてとにかくパーティーとして最高でした!というかですね、エドガン以外はみんな技術力に長けていてすごいのです。サイモンとかは普通の映画だったら『ハリー・ポッター』でいうようなロンみたいな立ち位置で特に何かが秀でてるわけじゃないけど、めっちゃ良いやつな上に最後まで主人公を裏切らないのはこいつみたいな役になってもおかしくないのに、実はめちゃくちゃに魔法使えるし、なんならこのキャラが今作最大のキーとも言えるくらいなのが本当『D&D』、好き!!!
ドリックも人間に近い姿をしているときは小さくて守ってあげたくなっちゃうようなキャラだな〜って感じなんですが、変幻自在に姿を変えることができるので大きなモンスターとかにもなれるし、実はめちゃくちゃ起点が効くしで「本当はエドガンなんかよりもドリックが作戦を考えるべきなのでは……?」と思うシーンが結構あったくらいです。え、こうやっていうと本当エドガンなんもできねえな……。あいつ可愛いのが仕事だったんか……?クライマックスのシーンもドリックはチーム戦の中で要の役割ですし(というかパーティー全員がいなければいないキャラクターにちゃんとなっているのがすごい!)、とにかくパーティー全員好きでした。え、もしかして『D&D』で「ダンジョンズ&ドラゴンズ」と「誰でも大好き」のダブルミーニングだったかな……。
まとめ
Source: Dungeons & Dragons: Honor Among Thieves is the most fun movie of 2023
本当に全てが素晴らしかった『D&D』!まだ劇場でやってるうちにぜひ鑑賞いただきたいです!なぜなら続編が観たいから……!
あと日本と本国と同時期公開だったのも良かったですよね、やっぱりインターネットが普通の時代なんで、世界で同時に盛り上がれるのが嬉しい……。
それからこれは超個人的な話ですが、今作割とイギリス人が出てくるのが面白かったです。「あ、このゾンビイギリス人だ!」とかなんか英語聞いててイギリス人多めだなと思って笑 やっぱりファンタジー作品だとヨーロッパっぽくしたくなるみたいなので、そうなるとイギリス人多めになるんですかね。パーティー自体はサイモンだけブリティッシュアクセントで話してましたが、実は演じるジャスティス・スミスはアメリカ人で、ヒュー・グラントもジャスティス・スミスがイギリス人かアメリカ人が全くわからなかったそう。
アメリカ人の役者のブリティッシュアクセントはよくイギリス人のネタになってますが、ジャスティス・スミスのブリティッシュアクセントは本当に本物じゃん!って感じなので、英語学習者の方はそこに注目して観てみるのも良いかもしれないですね。
ちなみに彼がアメリカンアクセントで普通に話してるのはこちら。
いまだにこれを観てもわたしは彼がアメリカ人だったとは……と衝撃を受けております……。