本日の映画
今日は、欅坂46の圧倒的センターといわれる平手友梨奈さん主演、月川翔監督作品『響 -HIBIKI-』についてお話していきます。
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あらすじ
あわただしい編集室。そこに届けられたのは、手書きで原稿用紙に書かれた新人賞への応募作品。要項には電子ファイルでの応募と書かれていたため、編集部員はすぐにその作品をゴミ箱へと捨ててしまった。そのままその作品はゴミになってしまうはずだった。ある編集者がゴミ箱から拾い上げるまでは…。
この春高校生になった鮎喰響(あくい・ひびき)は「全員が部活動に所属しなければならない」という校則に従い、趣味である読書ができる文芸部へと幼馴染とともに足を運ぶ。しかし、文芸部は名ばかりでそこにいたのは上級生の不良グループだった。出ていけという不良たちと全く退こうとしない響。「殺すぞ」と上級生が声を荒げ、響の胸ぐらをつかんだ、その時だった。響はためらいもなく、胸元をつかむ彼の親指を、まさに「赤子の手をひねるがごとく」、曲がるはずのない方向へと折ったのだった。「殺すといわれたから、私は殺されないようにしただけ」と言い放ち、響は文芸部へと実力行使で入部を決めた。
そんなある日、彼女は自らが出版社に応募した作品が賞レースに参加していることを知って…。
天才と凡人。常識と信条。世間と自分。いくつもの境界線が入り乱れていく圧倒的なエンターテイメント作品!
詳しくはこちらをご覧ください。
2018年邦画界に衝撃を巻き起こしているのはこの男、月川翔!!
source:【単独インタビュー】月川翔監督に聞いた映画『君の膵臓をたべたい』大ヒットの裏側 | Fan's Voice〈ファンズ・ボイス〉| ポップカルチャーのファンメディア
作品について語る前に、私は月川翔というこの監督のすごさについて皆さんに知ってほしいです!!!
私はもうこの監督を『センセイ君主』で知ったわけなんですけど、この人、間違いなく天才です。本当にすごい!素晴らしい!私映画観まくっているくせに好きな映画監督エドガー・ライトくらいしかいないっていう人間だったんですが、今後はこう言います。エドガー・ライトと月川翔が好きだって!!(本広克行監督はなんというか好きだけど、なんというかあれだから、趣味趣向が似ている友達みたいな感覚だから)
で、この人の映画何がそんなにいいってまず予告編ね。予告編のつくりが午すぎない?まずは世間で大ブームを起こした『君の膵臓を食べたい』。(私こんだけほめといてまだ観ていないです…。すみません…。観ます…。)
この予告のいいところ、それはこの2分のうちで浜辺美波に恋するところなんです。さらにこの予告、セリフがかなり印象的なのにセリフがあまり出てこないんです。そして最後に「君の膵臓を食べたい」という衝撃的なセリフをやさしい声で読まれてしまって「この映画どんな映画なんだろう…」と最後には不思議にも思ってしまうという。素晴らしい出来です。
でもこんなのまだまだ序の口!
映画『センセイ君主』<TWICE主題歌>予告【8月1日(水)ボンババぼん公開!!】
個人的2018年ベスト映画級の『センセイ君主』!!!!!
こちらの予告も「胸ボンババボンだっつーの」「俺を落としてみなよ」「こんの恋愛バンビちゃんがー!!!!」など、もう絶対忘れられないようなセリフが盛り込まれていながら、実はあまりセリフが盛り込まれていない予告です。
TWICEの楽曲の使い方と、それに合わせた場面選びが圧倒的なセンスを感じるし、この1分30秒で浜辺美波に抱く感情が先ほどの映画とは全く違うのにやっぱりちょっと恋しちゃうし、それから何よりこの映画ゼッテーーーバカ映画じゃねえか!!!!というのが92秒ですぐに理解できるのが素晴らしい。
そして今作、『響』の予告はというと(既出なのでこちらでの紹介は省きます。上のリンクを参考にしてください。)、なんとこれまでの2作と異なり、圧倒的なセリフ!セリフ!セリフ!そう、セリフが出まくってくる予告となっているのです。そして最後の「響」「響」「響」「響」と繰り返される主人公響の名前であり、今作のタイトル。疾走感あふれる予告となっており、2分もたっていたなんて思えないほど。とにかく主人公、響の常軌を逸したような雰囲気を前面に押し出した作品となっています。そして締めくくられる「文句があるなら私にどうぞ」というセリフ。私には月川翔監督の「今作は傑作なので、文句があるならかかってこいや」というメッセージにも聞こえました。予告だけでこんなに面白い作品撮れる監督いる?!月川翔、やはり天才では…。
とにかく15歳の少女、響が魅力的
source:単純な憑依などではない 欅坂46 平手友梨奈の演技が『響 -HIBIKI-』鮎喰響に重なる理由|Real Sound|リアルサウンド 映画部
さて、先ほど紹介したように、予告ではその異常性ばかりが前面に押し出されていた響ですが、ふたを開けてみれば実は意外にも普通の15歳の様子も残る少女でした。確かに、彼女は自分が思う「正道」を往くという大胆な生き方をしているけれど、かわいい服をもらってうれしい、自分の書いた小説を読んでもらって感想を聞くのがドキドキする、友達と一緒に出掛けて楽しい、など最近だとよく見られる「天才=何を考えているかよくわからない」というキャラではなく、ただただ自分の感情に正直な女の子だということが描かれていてかわいらしいです。
あとやっぱり響を演じる平手さんがかわいいですね。私は申し訳ないのですが、欅坂についてはまったくというほど存じ上げておらず、知ってる曲も「サイレントマジョリティー」のみというひどさなのですが、(「二人セゾン」は欅か…?それとも乃木坂…?わからない…わからない…)やっぱり平手さん、かわいい!私が特にすごいな!と思ったのはロリータファッションに身を包んだ響のシーン。そりゃスタイリストさんもすごいけど、あんなにゴテゴテの(というように私には見える)ロリータファッションをあんなにも着こなしてしまう平手さん、かわいい。あと、好きな作家に会うと毎回響は「あなたの小説すき、握手して」というのですが、その言い方、かわいい。とにかく響、かわいい。これを機にちょっと平手さんを応援しようかな、と思うくらいにはかわいい。とにかく見て。平手さんの可愛さ。
完全なる敗北宣言、それが気持ちがよい
source:小栗旬、実写「響 HIBIKI」に出演!小説家・山本春平役で平手友梨奈と激突 : 映画ニュース - 映画.com
映画『響』のよいところは、ある意味その圧倒的な敗北宣言とも取れる潔さにあると思います。それは何かというと、小説の中身が全くと言っていいほど明かされないのです。響の書いた小説の概要はざっくりと話されますが、人々が「すっごい面白かった」「傑作」「天才だ」とほめるシーンは本当に畳みかけるようにあるのですが、実はその小説の中身については北川景子が響に感想を述べるシーン以外では明かされないのです。
この潔さ、半端じゃないですよ。だってこれつまり、「私にはそんな大傑作の小説は書けません」ということをある意味で明示しているので。だって本当はあったほうがわかりやすいじゃないですか。宮沢賢治とか、芥川龍之介とか、宮部みゆきとか、よしもとばななとか、東野圭吾とか、そんな感じで圧倒的な文章力!!!みたいなものを見せられたほうがわかりやすいじゃないですか!だけど、それを、しない!だってできないから!!というのがあまりに潔い。
そして、どんな小説かわからないから私たち観客が好きに想像することができるんですね。「響の書く小説って村上春樹みたいな感じ?それとも綿谷りさ?それとも伊坂幸太郎?それとも…」という感じ。なので響の天才性に劇中一度も陰りが見えないというか、そこは疑いようがないようにうまくできているんですね。ちょっとでも響が小説の一文でも心のうちで読んでしまったり、北川景子が私あのセリフがすき!とか言い出したらこの映画駄目だったと思います。でもそんなことがないんです。だって、何度も言うけど、制作陣が天才小説家ではないから!!!!!えらい!!!!
これは昔ライムスター宇多丸さんが、映画『20世紀少年』について、主人公・ケンヂの歌う歌がひどすぎて、あんな歌がはやるんだったら俺はそんな世界滅亡してしまえばいいと思うといっていた話と同じですね。ちょっともう公式の書き起こしやポッドキャストが無いようだったので非公式の動画を載せておきます。宇多丸さんの怒りがすごくて面白いのでよろしければ。
映画『響』はバーフバリの「首だーーーーーー!!!!」が104分続く映画だと思ってほしい
超ロングラン上映しているインド映画『バーフバリ』。皆さんもう一度は絶対見たでしょ?
観てない人はHuluで見放題だから早く観て。なんで観てないのとか言わないけどなんで観てないのって思っているので早く観て。
よし、みんな『バーフバリ』観たな。よし、観たということを前提に話を進めるぞ。
というわけで、映画『バーフバリ』でやっぱりみんなが大好きなシーンは「首だーーーーーーー!!!!!!」だと思うんすよ。違うシーンが1番好きって人も5本の指には入る勢いであのシーンがすきでしょ。私はちなみにキスするかしないかのところでバーフバリ(父)とデーヴァセーナ様が顔を近づけて白鳥の船で歌うシーンがすき。色っぽいよね。
ちょっと脱線したけど、とにかくあのシーン、何が最高ってバーフバリ全然正攻法とってないんですよね。だってあの場って一応国王による裁判が行われていて、ちゃんとその法に一応則ってデーヴァセーナに裁きが下るはずだった場面。そこにバーフバリが現れ、身重の妻が鎖につながれ、挙句の果てにはセクハラ(※未遂)に遭っていたと聞いて理性プッツーーーーンなって、男の首を撥ねるわけです。全然ダメですよね。重罪です。でも、観ている観客からすると「やったーーーーーーー!!!!!!!!キターーーーーーーーー!!!!!」と踊り出さんがばかりかごとく上がるシーンじゃないですか!
映画『響』は104分ずっとそんな感じの映画なんですよ。(※お家芸の暴論)とにかく正しいときもあるんですけど、響が信じる「正道」に則って、響による私刑が繰り広げられていく映画なんです。確かにそうだけど、その方法はダメだろ!と思うようなシーンばかりなんですが、でもでもでもでも響かっこいいし、とにかくやたらスッキリするんです!!!うおおおお!!!いけーーーー!!!やっちまえーーーー!!!とでもいうんですかね。とにかく響が最高の方法で最高の言動で最高の顔のかわいらしさでボコスカときったねえ奴らをブッ飛ばしていくのが快感です。何度でも言いますが、響は正しくないんです!聞いていると「ん?」と思うようなことも多々あるんですが、心情的には「わかる」となるので、気持ちよく観ることができます。
なんでみなさん『バーフバリ』は観たのに『響』、観てないんですか!
柳楽優弥は天才である
最後にこれだけは言わせてほしい。この映画に出ている天才、柳楽優弥に注目してほしいと。
実は今作での柳楽優弥、セリフが多く見積もっても10個くらいしかないほどにはちょい役で出てきます。なのに見せつけるその圧倒的な存在感。まさにこのテーマの一つでもある「才能」、彼は確かに持っているな、と体感させられます。
柳楽優弥
— 月川翔 (@sho_tsukikawa) September 13, 2018
面白い俳優でした。
台本に「心が震えたよ!」という台詞があります。
熱演するだろうなと思ってました。
しかし彼は「心が震えたよ?」と抑えて演じました。
それは響と対峙したことのある彼が、
「俺は知ってるよ?」
と優越感を込めたような含みがあり、表現の深みに痺れた。#映画響
まさにこの月川翔監督が言っている通りで、このセリフ一つとっても柳楽優弥という俳優の才能に押しつぶされそうになってしまいました。ぜひ、柳楽優弥の演技に注目して『響』観ていただきたいです。彼の演じる役は全部「本当に居そう」という抜群の説得力がすごい。素晴らしい。『ピンクとグレー』なんかはもっとよくわかるのでそちらもぜひ。
まとめ
source:欅坂46・平手友梨奈が発案、映画『響 -HIBIKI-』原作5巻までの表紙を再現 - 映画・映像ニュース : CINRA.NET
本日は映画『響』についてお話しいたしました。もうマジで周りの友人が誰も観てくれないのでこぶしで殴る勢いで『響』すすめまくってます。
平手さん主演映画だからアイドル映画だと思われてんのかなー。演技がなーとか思われてんのかなー。でもこの映画の平手さん、演じるとか憑依するとかでもなく、ほんとにこの人鮎喰響っていう人間として今まで生きてきたんじゃないのかなーって思うくらい説得力というか、あまりにも「鮎喰響」なので観てほしいですね。(※原作漫画は未読なので、原作に忠実かどうかはわかりません。ごめんなさい)
あと主題歌の「角を曲がる」が本当に素晴らしいです。平手さんにも『響』にも響にもあってる。
『響』本当にいい映画だったんですが、平手ちゃんの歌う主題歌「角を曲がる」もすごくすごくよかったんですよ 主人公響のことや、おそらく本人の本意ではない取り上げられ方をされてきたことを考えるとすごい気持ちになるエンドロールです 秋元康えっぐいなと思いましたhttps://t.co/1Guq4zKSPP
— 体重:蜃気楼(禁酒) (@slhukss1) September 18, 2018
とにかく映画『響 -HIBIKI-』、一見の価値大有りなので、ぜひ、劇場でごらんください!