きねまないと

最近映画が好きになった20代が素人目線で好き勝手に映画の感想を綴るブログ。

『ファンタスティック・ビースト 黒い魔法使いの誕生』は正直「面白い映画」だったのか?

 

 

今回の映画

前作から2年ぶりの新作『ハリー・ポッター』ワールドの新シリーズ『ファンタスティック・ビースト』シリーズ、『ファンタスティック・ビースト 黒い魔法使いの誕生』についてお話していきます。

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source:FANTASTIC BEASTS: THE CRIMES OF GRINDELWALD – Official Movie Site

 

 

あらすじ

ニューヨークでの事件の際、魔法使いと人々の平和を脅かす存在・グリンデルバルトは牢に入れられ、これまでの罪を償うはずだった…が、彼はアメリカからヨーロッパへの移送中にいともたやすく脱走し、その姿を消してしまう。

一方ニュートはイギリスで愛する魔法動物たちの研究を続けていた。ただし、ニューヨークでの彼の「失態」は彼に海外旅行を禁じさせていた。ニュートはさらなる魔法動物の研究のためにその禁を解いてもらおうと魔法省に出向くも、そこでニュートは海外旅行の許可と引き換えにニュートがこの世でいちばん相容れない職業である「闇祓い」になり、逃走したグリンデルバルトよりも先にクリーデンスを探し出し、殺害せよという条件を突きつけられる。クリーデンスは死亡したと思っていたニュートだったが、なんとクリーデンスはあの後も生き残り、ヨーロッパで彼の家族を探しているのだという。オブスキュラスというクリーデンスの持つ強大な力を求めるグリンデルバルトから彼を救いたいという気持ちはありながらも、闇祓いになることだけはどうしても受け入れられなかったニュートはその場を出て行ってしまう。

魔法省で闇祓いとして働くニュートの兄・テセウスはニュートを何とか引き留める。

「誰もがどちらかの側を選ばなくてはいけないときになったんだ、ニュート。お前でさえもだ」

グリンデルバルトによる脅威はすぐそこに迫っていると伝えるテセウスだがニュートは聞く耳を持たなかった…。

 

詳しくはこちらをご覧ください。

 


映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』 US版予告【HD】2018年11月23日(金・祝)公開

 

感想

世の中、そしてもちろん私も「うぃー!うぃーる!うぃー!うぃーる!ろっくゆー!!!!!」とか「ンッ ママーーーーー!うーうーう~~~!!!!」とか高らかに歌っていたらいきなり『ファンタビ2』が始まってしまってびっくりですよ。もう少しドンドンパッ!ってしていたかったな…。でも応援上映に行けたからもういいんだ…。

さて、話が逸れましたが『ファンタビ』。初日は友人の協力もあり、なんと主役のエディ・レッドメインをはじめとする豪華キャストによる初日舞台挨拶にも参加したりなどして、結局3日連続で鑑賞してしまいました。(通常上映×1、IMAX×1、IMAXレーザー×1)

一応ネタバレは避けてお話していく予定ですが、ところどころ本編の話もしますので、予告以上のことを知りたくないよー、という方は注意してください。

 

①Rotten Tomatoes40%、正直わかる

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source:Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald (2018) - Rotten Tomatoes

(画像は2018年11月26日23時11分のものとなります)

 今回の『ファンタビ』、3日連続で観ておいてなんなんですが、私の正直な気持ちを言うと「期待していたほどではなかった」、です。

1作目の『ファンタスティック・ビースト 魔法使いの旅』は本当に面白かったんですよね。これまでの『ハリー・ポッター』シリーズにはなかった要素がたくさんあって、『ハリー・ポッター』と世界を共有しつつもまた全く別の作品としてしっかりと確立していて、そこが本当に面白かったんです。

しかし今回の2作目は全体的に「もう見た」という印象を持つものが多かったです。ニュートが魔法動物を手なずけるのがうまいことを前作同様表すのはいいのですが、それ1作目となんら変わりない方法では?とか、誰かさんと誰かさんが勘違いしあって仲がこじれていくっていうの『ハリー・ポッター』でもう見たし…とか。

あとは魔法の使いまわしが多いんですよ。同じ魔法が何回も出てくるんですよね。いや、わかるんですよ。その魔法がめちゃくちゃに便利なのは、わかるんですけど、あまりにもそればっかりすぎてもしかして「ネタ切れ?」とか思ったり。

逆にその魔法なんのためにやるんだ?とかその展開は何のためにあるんだ?ということや設定の甘さが結構目立ったりだとか。

ちょっと今回の2作目、1作目に比べて穴が多いような気がしました。もちろんまだ2作目なので、今後の3作品によって補完されていく部分も大いに存在するとは思うのですが、なんだかなーと思うところがあったのも事実です。

それから個人的に気になったのは『ハリー・ポッター』を観ていないとわからないことが多すぎるのがちょっと…。もちろん『ファンタビ』だけでも楽しめるのですが、『ハリー・ポッター』を観ていないと魅力が半減というのはいかがなものかな、と思います。

これは『ファンタビ』に限らないのですが、最近の映画シリーズを全部観ていないと楽しめない映画が多すぎると思いませんか。『アベンジャーズ』などのMCU、『スーサイド・スクワッド』『ジャスティス・リーグ』のDCEU、『スター・ウォーズ』シリーズ、そして今回の『ファンタビ』。正直観なきゃいけないものが多すぎて、映画館に運ぶ足が減るのも納得してしまいます。もっともMCUやDCEUは1本でも楽しめる作品を提供しているときもあるのですべてがシリーズ作品だから観られないわけではないのですが、やっぱり基本は「知らないとわからない」。『ファンタビ』に私は「『ハリー・ポッター』を読んでいれば120%楽しめるが、観ていなくても100%楽しめる」という映画を期待していたので、ここに関しては本当に残念。

あとこれは余談なんですが、『ハリポタ』ってそんなに必修課程なんだろうか。私は『ハリポタ』を読んでいないし、映画は全部観たけどそんなに必死になっては観ていないので正直名前とか呪文とか全然覚えていないんですが、それを言ったら結構な確率で驚かれてしまって、まさに「ありえない」みたいな反応されてしまって、ちょっとしんどい。『ハリポタ』を知らなくても『ファンタビ』を好きでいてはいけないんだろうか…。

 

ジョニー・デップジュード・ロウという豪華キャストの添える花が大輪すぎる

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 source:Home | Australia | W3LiveNews.com - World’s #1 news aggregation site

 今回闇の魔法使いグリンデルバルトを前回に引き続きジョニー・デップが、そして『ハリー・ポッター』シリーズでもおなじみのダンブルドアジュード・ロウが演じているのですが、正直私が先に話した文句がすっ飛ぶくらい良かったです。

まずジョニー・デップ。私生活が荒れに荒れているとは思えない(むしろそれだからこんな演技ができるのか)圧巻の演技でした。特に私が好きだったのは、魔法動物をかわいがってから窓からノールックで投げ捨てるシーンと、赤ちゃんを見つめるシーンと、クイニーに対峙するシーン。それぞれ自分より明らかに「弱い」ものを見ているシーンなんですけど、それぞれの表情が本当にいい演技しているのです。本当に。特に赤ちゃんを見つめているシーンはよかったですね。なんというんだろう。あのまさに蟻を見ているときの子どもみたいな。特に大したこと考えていないくせに当然かのように踏みつぶすことは前提として考えているみたいな…。ちょっとなんて言ったらいいんですかね、難しいんですけど、とにかくそんな感じです。

そしてジュード・ロウジュード・ロウは飄々と生きている人が似合いますねぇ。ダンブルドアに選ばれたのがなんとなくわかる気がします。あの爺さん絶対昔からこんなんだったんだろうなっていう説得力がすごい。「私はお前が嫌いだ」って言われるときのダンブルドアの立ち居振る舞いすきです。あとそこの前後で「ハッ」って笑ってあきれて口がふさがらないみたいなシーンがあるんですが、そこの笑い方とかも気分を害してこない上品な呆れってあるのね…と感心させられました。すげぇなジュード・ロウ。個人的にはニフラーを見てフッと笑うシーンがすごくよかったです。もちろん鏡を見つめて首をすこしかしげるシーンもよかったぜ…!せつねえ…。

とにかく観終わった後、私はもちろんストーリーのせいもあるのですが、この二人の印象がかなり強く残りました。世界観は壊さず、しかししっかりと存在感は残していく二人の演技ぜひとも劇場で。

 

③セリフ回しにご注目

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 source:Fantastic Beasts: Crimes of Grindelwald Photos: Jude Law, Johnny Depp – Variety

 やっぱり脚本を務めている原作者でもあるJ.K.ローリングはもともと小説家であることから、セリフ回しがうまいなというのを改めて感じさせられました。もちろん彼女のすごいところはこの壮大な世界を一人で創り上げてしまったところにもあるとは思うのですが、それは大前提として今回はセリフの一つ一つに注目してご覧いただきたいです。

私がズシーンと心に残ったのはやっぱり「You are crazy.」と「Everyone has to choose a side,even you,Newt.」の二つでした。

ちなみに字幕訳でなるほどなー、そう訳しちゃったのかー、と思ったのはリタのセリフ。「あなたはどんな生き物でも愛せる人だから」という字幕だったのですが、元のセリフは「You never have monsters which you cannot love.」*1です。このセリフは「あなたに愛せないモンスターはいないから」という意味になります。これ全然元のセリフと字幕だと意味が違ってくるというか、リタという人間とニュートという人間の関係性だとかリタの思いだとかが違ってくると思うんですが、どうでしょう。元のセリフはお気に入りの一つです。

 

④キャスティングが天才すぎる

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source:Fantastic Beasts 2 Reveals Young Newt Scamander Flashback Photo /Film

 なにがそんなに天才かというと、今回上の画像にもあるように若いときのニュートがでてくるんですが、このニュートのニュート感がすさまじくてですね!!(笑)

しゃべり方からたたずまいから目線から髪型まですべてがニュートなんですよね。よく見たら顔全然似ていないんですけど、だんだん声まで似てるんじゃねえのかと思えてくる程度には似ています。キャスティング大正解。ちなみにこの若いころのニュートを演じているのはニュート・シーアさんという俳優さん。IMDbを見る限りこの映画が出演2本目っぽいので大抜擢の大出世です。

www.imdb.com

そして忘れちゃならないのがニュートの兄・テセウスを演じるカラム・ターナーくんでしょう!今年日本公開だった『さよなら僕のマンハッタン』で主演を務めるなど今大注目の俳優さんです。いやもう『さよなら~』を観た時に「めちゃくちゃエディ・レッドメイン』に似てるなぁと思ったんですが、まさかニュートの兄を演じていたとは(笑) キャスティングの方とはいいお酒が飲めそうです。

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 source:Casting directors are movies’ matchmakers. This...

 ちなみに、弟を演じるエディが現在36歳、兄を演じるカラムくんは現在28歳という逆転兄弟を演じている二人。私も2回目に観ていたときに「あれ?そういえばカラム君のほうが若い気がする」と思ってググってその事実を知ってエディ・レッドメインの童顔っぷりに驚かされました(笑) ほんとに兄設定なのか?*2と思い、一応調べてみたんですがしっかり兄っぽいです。最終章が公開される頃でもエディの童顔は保たれているのだろうか…。イギリスの安達祐実か、エディ・レッドメイン…。

 

⑤しんどいので「仮面ライダーアマゾンズ」かと思う

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 source:Is Fantastic Beasts The Crimes of Grindelwald Good? | POPSUGAR Entertainment

 最後にこんなバカみたいなこと言い出してほんとに特オタってやつは節操がねえとか言われても仕方ないなと思うんですけど、本当にみんな『ファンタビ』の1作目観に行くようなテンションで観に行ったらこの世に失望して山手線止めることになるから「仮面ライダーアマゾンズ」のseason1の8~9話見るくらいのテンションで観に行ったほうがいいよ。マジで。3回も観てきた私が言うんだから間違いないよ。観終わって一言目が「J.K.ローリングってイギリスの小林靖子なの?」だった私が言うんだから間違いない。下手したら靖子よりも凶悪な気がしてきた。

 

まとめ

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 source:New 'Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald' Trailer Introduces a Historic 'Harry Potter' Character | Entertainment Tonight

 今回は『ファンタスティック・ビースト 黒い魔法使いの誕生』についてお話いたしました。いやもうマジでみんな①~④は忘れてもいいから⑤だけは肝に銘じて映画館に行こうな。

正直今回の『ファンタビ』個人的には1作目のほうが好きだったなぁという感じなのですが、ファンであればあるほど2作目のほうが好きという人は多そうですね。ひとえにこの映画は誰向けなのかということがはっきりと示されているのでそこの対象かそうでないかでまた評価が分かれそうな気がします。

私個人としては好きな映画ですし、面白かったですが、1作目のあの高揚感を味わってしまうと「映画」シリーズの2作目という観点でいえばちょっと期待外れでした、ということを改めてここで言わせてほしいです。『ハリポタ』読んでいれば面白いんだと思いますが。それはもちろん。

そんな私はこの間まで一番のお気に入りキャラクターはクイニーちゃんだったんですが、今回からテセウス兄さんに…担降りしてしまいましてね…。テセウス兄さんのことを思いすぎて3回目ドン引きされるほど泣いてしまったのはいい思い出です。テセウス兄さんについてお話ししたい気持ちはめちゃくちゃあるけど、ネタバレ直結なのでできないのが悔しいです。なので端的に言います。テセウス兄さんのことを愛せるのは君だけだ!

 

以下おまけ

大ヒット『ボヘミアン・ラプソディ』について少しだけ述べておきたい

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source:Bohemian Rhapsody movie review: Rami Malek's film wants it all but can't rock you | Entertainment News

冒頭でもちらっと話したんですが、『ボヘミアン・ラプソディ』最高でしたね…。ちょっと脱線しますが、許してください。『ボ・ラプ』を観るまで実は私はフレディ・マーキュリーがクイーンのメンバーだったことさえも知らなかった無知な人間だったんですが*3そんな私でも最後は全員の名前を憶えて曲をDLしまくる程度には最高の映画だったんですよね。

応援上映も行ってきたんですが、今までの応援上映とは一味も二味も違うまさに「コンサート」「ギグ」に参加するような感じで、『バーフバリ』などとは異なり本当にC&Rをするような応援上映で、なんだか自分がクイーン全盛期にタイムスリップした気になれて最高に面白かったです。正直『ボ・ラプ』をIMAXでジャンジャカ流してほしかったので、なぜ『ファンタビ』と公開時期をずらさなかったのかと公式に殴り込みに行きたいくらいなのですが、仕方がないですね。その代わり川崎チネチッタさんがLIVE ZOUND充実させてくれてるのでそれで楽しむことにします!ありがとう!

No time for losers 'cause we are champions!

*1:ちょっと曖昧です。ニュアンスでとらえてください。

*2:英語では「brother」としか言われないので弟の可能性あるんじゃないか?!と思った次第

*3:クイーン世代の母に小一時間叱られました