本日の映画
今回は『ブックスマート』についてお話していきます。
source:https://www.empireonline.com/movies/reviews/booksmart-review/
あらすじ
「私は誰よりも優秀。周りのあんなバカ騒ぎしてるやつらがくだらないことをやってる間に私は勉強をしていたんだもの」
モリーはそう信じて疑っていなかった。親友のエイミーとずっと勉強をしてきた彼女は明日、卒業式を迎え、その後イェール大学への進学が決まっていた。
イェール大学という優秀な大学へ進学できることが何よりの誇りだった彼女だったが、彼女がばかにしてたパーティーに現を抜かしていた同級生もイェール大学へ進学することを知り、愕然とする。
完璧主義な彼女は卒業が明日に迫る中で「自分も勉強と遊び、どちらも両立させてみせる!」と意気込み、高校最後のパーティーに参加すべくエイミーを連れて夜遊びへと出かけるが……。
勉強、恋愛、友情、進路を巡ったほろ苦くもさわやかな青春の2日間をあなたもモリー&エイミーの二人と過ごしてみては?
詳しくはこちらをどうぞ
8/21(金)全国公開『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』/日本版30秒予告編
「この映画は私だ!」映画
source:https://brightestyoungthings.com/articles/booksmart-is-even-smarter-about-music
最初に言っておく、この映画かーなーりー面白い!!!!!(©『仮面ライダー電王』)なにこれー!なにこれー!なにこれー!と観ながら大興奮してしまう程度には面白かったです!とにかく面白いという前評判にたがわず、本当に最高の一作でした!
コメディとしてもしっかり面白い、画面としても観ていて楽しい、なのにしっかりとドラマも見せてくれるという映画として申し分なさが半端じゃないんですよ!最高!音楽もいいし、2人が着るファッションもすごく好き!この映画が始まった瞬間全部が好きだ!と思いました。
皆さんは『勝手にふるえてろ』という映画を覚えていらっしゃるでしょうか。
松岡茉優が歌う!泣く!叫ぶ!映画『勝手にふるえてろ』予告映像
この映画が公開されたとき観た人の共通ワードは「これは私だ」でした。いやほんと良い映画だったよね、『勝手にふるえてろ』…。今でも観た時のことを昨日のことのように思い出せるほどすき。
さて、今回の『ブックスマート』題材は全く異なるにしても、「世間的に見れば少しズレてる女の子」を描いた話とざっくりまとめると『勝手にふるえてろ』と重なるところがあり、そして悲しいかな、そしてうれしいかな、そんな『ブックスマート』に出てくるモリーとエイミーの姿はなんだか私のようだなぁと思ったりするところなんかも『勝手にふるえてろ』と重なりました。
この映画の素晴らしいところはたっくさんあるんですけど、この二人の「ああ!わかる!」と思えてしまうほどの近さに加えて、そのかわいらしさだと思っています。(良香*1もそんな感じだったよね)
たとえば、タイトルにもなってる「ブックスマート」。これはモリーやエイミーのような「勉強"は"できる人」のような意味で、日本語で一番近い言葉だと「ガリ勉」なのだそうで。
でも「ガリ勉」と言っても二人とも身だしなみに気を使わないような人ではなくて、化粧もするし、彼女たちなりにおしゃれはするというか、「勉強に力を入れてるけど私ほかのことにも関心はあるんですよ」みたいなところがものすごくリアルだな~って思いました。
私も(ガリ勉ではなかったけど)かわいくなれるかわからないという不確実な可能性にかけてファッションを磨いたり、メイクを磨いたりするよりは、学校の勉強を頑張ったほうが成績ちゃんと取れそうだし確実じゃん!と思って比較的に勉強とかを頑張っていた学生でした。でも、だからといってそういう「おしゃれ」を完全にあきらめていたわけではなくて、例えば新しい服やサンダルを買ったりとか、なんかちょっとだけ化粧品買ってみたりとかそういうのはやってたんですよ。(その方向性が合ってるかどうかは別として)
なので、もちろんめっちゃガリ勉と言う人の中には何もかもを投げ打って勉強に己を捧げる人もいるかと思うんですが、たいていのガリ勉たちはそれでもゲームだとか、音楽だとか、おしゃれだとかに興味を持ってるもんだと思うんですよね。だから今作のモリーやエイミーの姿を見て「うわ~~!私!私!これは私~~~~!!!!」と暴れ回りたくなっちまったんですよね。
source:Is Booksmart One of the All-Time Best High School Comedies? - Justin Kownacki
いや一番「私……」ってなったのはパリピたちが普通にいい大学に行くことが発覚してしまい、絶望するってところだったんですよね……。
私が通っていた高校は都内で倍率の高さで有名な高校で(その当時の話なので今はどうなのか知らない)、偏差値は上の下、もしくは中の上のようなそんな高校でした。つまりは「中学校では学年10位内には入れてた」みたいなやつらの集まりでした。
私は大田区の中でも蒲田っていうスラム街出身だったものですから、おしゃれにうつつを抜かしている人=ヤンキーの方程式が頭の中でほぼ出来上がってました。しかし、高校3年生になり、受験シーズンになるといつもクラスの真ん中でキラキラしてた一軍たちはもれなく早慶上智、GMARCH*2へ行くことが決まっていたので、「なるほど。この世には頭も良くて、人生エンジョイ型の人間で、人生勝ち組ってる人間がいるのだな……」とこの世の不公平さ(※みんな受験頑張っただけで不公平ではありません)を感じました。
だからモリーがビッチみたいな女の子に「あたしもイェール大学行くけど」みたいなこと言われたとき、モリーにハグしたくなっちゃったもん……。わかるよモリー……!俺ら勉強頑張ってたはずなのに周りは全部つかみ取ってたんだよな~~!!!!!
あとはなんといってもやっぱり恋愛ですよ。主人公モリーの親友であるエイミーは中性的な魅力を持つライアンという女の子に片思いをしてるんですけど、もうこれが陰キャの恋愛すぎてもうしんどい!でもかわいい!!!
冒頭らへんでモリーに言われて無理やりライアンに話しかけに行くところとかもう高校生あるあるじゃないですか?「○○くん来たよ!話しかけてきなって~」「え、話すことなんかないけど」「なんでもいいじゃん~!暑いねー、とかなんでもあるじゃん!いってこい☆」みたいな。マジでなんも話すことないけど話したいし無駄に背中押されちゃったし行くかつって行ってみるんだけど、やっぱ話すことなくて気まずくなって「しにて~~~!!!!!」ってなるあの感じ。
エイミーに私は共感し過ぎて、プールのシーンはエイミーーーーーーー!!!!(号泣)となってしまったんすよね。プールのシーンは完全にネタバレなので何も言えないんですけど、あの水面からあの場面に出くわしてまさに「頭が冷える」つーか……もう……監督、天才では……。
ちなみに『ブックスマート』の監督、オリヴィア・ワイルドさんがスパイダーバースシリーズの新作の監督を担当することが大決定しております。
— olivia wilde (@oliviawilde) 2020年8月19日
し、か、も!女性主人公の映画になることがわかってるらしいんで、個人的にはスパイダーグウェンちゃんの主演実写映画にならないかな~~!!!!と期待しております。あのコスチュームがだいすきだから実写でも見たい!
source: The leads of Olivia Wilde’s Booksmart want to queer up the teen movie genre | Dazed
そしてなんつってもやっぱ二人の友情なんすよね。この二人が最高にクールだな~って思うのは、お互いめっちゃお互いのことをばかみたいに褒め合うこと!本当にお互いのことをかっこいいと思ってるからつるんでるんだよ、だいすきなんだよ!というのが前面に出てて「うっわすっき……」ってなっちゃうんですよね。
2人のシーンがほとんどなのですが、そんな2人のシーンでどこがすきかって言われたら(ネタバレなしで)、ピザ屋のおっさんを脅すシーンですかね。あのシーンは予告で使われてるけど、ほんとうにばかばかしくてめっちゃ笑う。おじさんの呆れ具合とかも合わせて笑う。(あのおじさん、2人に絡まれたの一から十まで悪夢でしかなくて可哀想)
もうこの二人の最高さは見てもらうしかないって感じなのでほんとに観て!!!!
source: Booksmart: why the costumes in the Olivia Wilde comedy are so good - Vox
それからこの映画に出てくる人はみんな魅力的なんですよね。観終わるころにはみんなだいすきになっちゃうっていう。しかもしっかり最近のアメリカ映画の潮流にあるように多様性が大事にされているのが素晴らしいんですよね。LGBTQ+にしろ、人種にしろ、スクールカーストにしろ、みんなそれぞれ十人十色だから綺麗なんじゃん!みたいな。
source: Eduardo Franco on the 'Booksmart' Role That Was Created Just for Him
特に私は人種の面がすごくいいバランスだな~!と思ってて、お調子乗りのテオはメキシコ系アメリカ人、彼と一緒につるんでる男子も日系アメリカ人!アメリカと言う国には本当にいろんな人が住んでるのだという当たり前さを映しています。
しかし、これらの人種や性的指向が(強く)フォーカスされることはなくて、当たり前にそういう人がいるよねという描かれ方なのが素晴らしいんですよね。確か『スパイダーマン ホームカミング』に対する町山智浩氏の発言で、多人種が混在しているあの描かれ方はアメリカのリアルだ、というものがあったと思いましたが、まさにその通りなんですよね。今までスクリーンから排除されていた本当は存在している人種が2010年代後半からようやくスクリーンに現れ始め、本当のアメリカの姿を見ることができるようになってきたというのがすきです。
「スパイダーマン ホームカミング」の高校のモデルになった、というかトム・ホランド君がリサーチしたのはブロンクスのハイスクール・オブ・サイエンス。
— 町山智浩 (@TomoMachi) 2017年8月15日
実際は映画よりももっと白人が少ない。https://t.co/3FonSOjQsB
まとめ
source: 'Booksmart' is a generation-defining, must-see movie: review - Business Insider
というわけで今回は『ブックスマート』についてお話ししてきました!久々に章を組まないでダーーーッと書く形式にしてみました。作品のすべてがすき!!!!という恋に落ちたような感覚になればなるほど、いいブログを書くのが難しいです。もうただただ観てほしいという気持ちしかなくなってしまう。
ちなみに『ブックスマート』の日本版公式HPもかわいいので覗いてみてください。
来週には『TENET』が劇場公開予定の英国です!絶対観ます!絶対観ますけど、たぶん、意味は、わからん!!!!!!