本日の企画
今回は毎年行っております今年の上半期の映画のランキングを付けていきます。
昨年同様コロナウイルスの影響があったので、例年とは異なり準新作映画もノミネート候補に入れております。
ノミネート作品
2021年上半期に私が観た新作・準新作映画が対象作品となります。
①ルース・エドガー
超優等生のルースだが、ある日担任教諭がルースには危険思想があるのではないかと危惧し始める。
教師からの指摘に最初は憤りを感じていた義理の両親たちだったが、段々と我が子は本当は危険思想に染まっているのではないか……と疑い始めて……。
②のぼる小寺さん
source: のぼる小寺さん | 映画 | GYAO!ストア
クラスでも少し浮いているような小寺さん。ある日小寺さんが所属するロッククライミング部の様子をふと目にする。
彼女の一生懸命な姿がなぜかどうしても目を離せず、どんどん小寺さんの頑張る姿に色々な人が背中を押されていって……。
③スプリー
source: Spree | Watch Now |
インフルエンサーに憧れるカーシェアリングサービスのドライバーとして働く主人公。
ある日フォロワー欲しさに仕事の車の隅々に定点カメラを設置し仕事を行うことにする。
そしてその車に乗せた乗客を次々と襲い始めて……。
④デンジャーゾーン
荒廃した近未来で、主人公は犠牲をより少なくするため、命令に背いた行動を取ってしまう。
命令違反に対する罰として、危険な武装地域へと配属され、そこで出会ったのがアンドロイド兵士で……。
⑤テッド・バンディ
source: REVIEW: Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile (2019) - JumpCut Online
連続女性殺害事件で、ある男が容疑者として目星をつけられる。その男の名はテッド・バンディ。
端正な容姿と爽やかな性格から殺人鬼とは思えないような人物だが、似顔絵や、状況証拠などが彼への疑いを濃くしていく。果たして本当の犯人は……。
⑥青くて痛くて脆い
source: 映画『青くて痛くて脆い』公式サイト
誰の意見にも口を挟まないことを信条としている主人公は、ある日痛々しいほどまっすぐに理想論を語る秋好に出会う。全く関わりたくないと思っていたのだが、いつしか彼らは一緒に過ごすようになり、ある日モアイというサークルを創設することになる。
秋好の理想のような優しい世界を作るためのサークルとして二人でほそぼそと活動していたモアイだったが、徐々に規模が大きくなるに従い、秋好と主人公の関係性に変化が生じ……。
⑦好きだった君へ: これからもずっと大好き
source: Win access to see To All the Boys: Always and Forever + $100
高校生活も終わりが近づき、恋人のピーターと同じくスタンフォード大学に進学することを志していた主人公・ララだったが、残念ながら彼女は不合格となってしまい、別の大学へと進学することとなってしまう。
少しでもピーターと一緒に過ごしたいララはスタンフォード大学に近いUCバークレーに進学しようとしていたが、卒業旅行でニューヨークを訪れたことでニューヨーク大学への進学に心が惹かれるようになってしまい……。
⑧チェリー
自暴自棄になり、大した理由もなくイラク戦争へ行くことにした主人公はそこでPTSDを患ってしまう。
PTSDによってどんどん苦しめられていく主人公はドラッグや犯罪に手を染めていってしまい、どんどんと生活が破綻していき……。
source: Wonder Woman 1984 movie is fun but peculiar Assignment X
最愛の恋人スティーブを失ってから66年、ワンダー・ウーマンことダイアナは人間に紛れて生活を送っていた。
ある日彼女が働いている博物館にFBIから盗品が届けられ、そこに不思議な石があることをダイアナは発見する。同僚のバーバラとその石を調査してみると、台座に「なんでも一つ願いを叶える」と掘られていることに気づく。冗談として二人はそれぞれ願いを口にしてみたところ、二人の願いがそれぞれ叶ってしまう。
あの石には不思議な力があると気がついたダイアナだったが、石は起業家のマックス・ロードの手に渡ってしまう。マックスはこの石について長年調べており、ついに私利私欲にその石を使い始め……。
⑩モキシー 〜私たちのムーブメント〜
source: Netflix’s new coming-of-age comedy brings the energy we all need
目立たない高校生活を送っていた主人公は、校内にはびこるヒエラルキーなどに辟易していた。
そこに転校生がやってきて、転校生の嫌がらせに負けない姿勢に影響を受け、そこに母の助言もプラスして、彼女はひっそりと「モキシー」という冊子を作成し、そこで性差別や校内に存在する問題についての問題提起を行い始めて……。
⑪アイ・ケア・ア・ロット
source: FlixChatter Review: I CARE A LOT (2021) – FlixChatter Film Blog
身寄りのない高齢者の後見人を務めているマーラ。しかしその実態は、孤独な高齢者から財産を貪る"合法"詐欺師だった……。
そしてマーラとその相棒でありパートナーのフランは次なるターゲットに狙いを定めるも、その高齢者の正体は裏社会のボスの母親で……。
⑫デッドリー・イリュージョン
有名作家のメアリーは新作の執筆のためナニーを雇うことに決め、ある日やってきたグレースの子どもとのふれあい方やその立ち居振る舞いを見て彼女を雇うことを決める。
グレースと子どもたち、そしてメアリー、夫のトムは良好な関係を築いていくが、メアリーは段々とグレースの不思議な性的魅力に惹かれていき、やがて彼女と性的関係を結ぶような白昼夢を見てしまう。それが現実なのか夢だったのかわからなくなっていくメアリー。トムも段々グレースに惹かれていき、やがて一家はグレースを中心に形を変えていき……。
⑬サンダーフォース -正義のスーパーヒロインズ-
かつては良い友達だったエミリーとリディア。しかしあることをきっかけに二人は仲違いしてしまう。
工事現場で働くリディアと世界的に有名な科学者になったエミリー。全く接点もなく過ごしていた二人だったが、同窓会が行われた夜、リディアは姿を見せないエミリーを迎えに行くように言われ、しぶしぶエミリーのもとへ向かう。
リディアをオフィス内に招き入れたエミリーは、少し用を済ませてくるからオフィスのものには何もさわるなと言い聞かせてその場を立ち去るも、リディアはオフィスのもの全てを物色し始める。そしてそのままリディアは誤ってある薬を服薬してしまい……。
⑭なぜ殺したの?
source: Why Did You Kill Me? – Review | Netflix Documentary | Heaven of Horror
最愛の娘を何者かに目の前でいきなり銃殺された母親は、この犯人を捕まえるべく、インターネット上で娘の写真を用いて犯人探しをし始める。母親、警察、兄弟、従姉妹、地元の青年グループ……誰が本当のことを言っているのか、真相は少しずつ明らかになっていき……。
⑮ファーザー
source: Hollywood Looks to Rebound in 2021 – Tyrone Eagle Eye News
アンは認知症になった父親・アンソニーの世話を行い、最近は父の意味不明な言動に頭を悩まされていた。ヘルパーを雇い、介護の助けになってもらおうとするも、気難しいアンソニーはヘルパーを泥棒呼ばわりするなどして勝手に解雇する始末だった。
アンは心身ともに疲弊していく中、アンソニーも自分の記憶がどこまで真実であるかがわからなくなっていってしまい……。
⑯劇場版 鬼滅の刃 無限列車編
鬼に家族を皆殺しにされ、唯一生き残った妹・禰豆子も鬼にされてしまった炭治郎は、禰豆子を人間に戻す方法を探すべく、鬼殺隊に入隊していた。
鬼殺隊から命じられた新たな任務は鬼殺隊最強の剣士の一人・煉獄杏寿郎の補佐として無限列車に乗り込み、そこに出現するという鬼を討伐することであった。
同じ任務を命じられた伊之助と善逸とともに炭治郎は無限列車に乗り、無事煉獄と合流したのだが……。
⑰アーミー・オブ・ザ・デッド
米軍が秘密裏に輸送していたゾンビが事故でラスベガスに放たれてしまい、それ以降ラスベガスは封鎖される。
そんな中、ある儲け話を持ってきたタナカによって、ゾンビたちの巣窟の中に位置するビルからとあるものを強盗するという計画が立てられ、一攫千金を狙った傭兵たちはこの計画に参加するのだが……。
⑱私をくいとめて
source: 映画『私をくいとめて』|大ヒット上映中!
おひとりさま生活をエンジョイし、自分の心の中にいるAと話すことで自分の心を安定させている黒田みつ子は、ある日家の近所で取引先の会社の社員である多田くんに出会う。
そこでの会話をきっかけに、多田くんはみつ子の家までみつ子の作ったおかずをもらいに来るようになる。多田くんへの恋心を自覚するみつ子は、Aに叱咤激励されながら不器用ながらも一歩ずつ勇気を出し始めて……。
⑲YESデー -ダメって言っちゃダメな日-
source: Yes Day starring Jennifer Garner | Official Trailer | Netflix - YouTube
育児をする前は何にでも「イエス」と答えていたはずだったのに、親になってからは子どもたちの言うことにすべて「ノー」というのが当たり前になってしまったアリソンとカルロス。しかし、子どもたちの担任教師から家庭での振る舞いについて再度考え直すようにと助言されてから、自分たちの育児について考え直すようになる。
そこで偶然出会った教員のディーコンに「イエスデイ」を設けることを提案される。24時間子どもたちの言うこと全てに「イエス」という単純かつ大胆なこの提案を二人は受け入れることにしたのだが……。
⑳るろうに剣心 最終章 The Final
明治初期。江戸の世から文明開化で近代化がなされていく日本の中で、剣心は神谷道場の師範代、薫や仲間たちとともに平和な日々を過ごしていた。しかし、ある夜贔屓にしている食堂・赤べこに突然爆弾が落とされ、多数の死傷者が出る。剣心はすぐさま警察と合流し、この首謀者の追跡へと向かうが、その首謀者は剣心の元妻の弟、雪代縁であることが判明し……。
㉑シカゴ7裁判
source: ‘The Trial of the Chicago 7’ is as timely as ever | The Stanford Daily
1968年、ベトナム戦争に反対する若者たちは集会やデモを行い、場合によっては警察とぶつかり合う事もあった。
その活動が扇動的であるとし、この集会で中心人物となっていた7人が法廷に立たされることとなった。7人は保守的な裁判官に対して反抗的な態度を見せ、さらに法廷侮辱罪にまで問われていき……。
㉒ピーターラビット2/バーナバスの誘惑
source: Peter Rabbit 2 (2021) - IMDb
犬猿の仲だったトーマス・マクレガーとピーター・ラビット。以前よりも関係は良好になったとはいえど、未だに喧嘩の日々が続いていた。
ある日、ピーターたちのことを子どものようにかわいがっているトーマスのパートナー、ビアのもとに彼女の作ったピーターたちをモデルにした絵本を出版しないかという話が持ち上がる。
ビアとともに街まで出てきたピーターは、出版社が用意した絵本のビルボードを見て、「自分は意地悪うさぎなのか?」とショックを受けてしまい、気づけば仲間たちとはぐれ、一人になってしまっていた。そこに現れたバーナバスに出会ったピーターは不良うさぎとして生きていく道を教えられ……。
こちらの以上22作品!転職などもあり、なかなか今年も見られませんでした……。ショック……!
第10位
source: Stranger Things' Joe Keery Stars as a Ridshare Murderer in Spree | PEOPLE.com
『スプリー』
この映画、普通のホラー映画よりももっとゾッとするような映画になっていて、本当に恐ろしかったです。
実は私この映画がホラー/サスペンス映画だとは知らなかったので、お父さんに騙されてお化け屋敷連れて行かれた小さい子のように恐怖しました。なんだよこのふざけた映画は……。
この主人公がもういきなりサイコパスなんですよね。しかも顔が可愛いというか、少年っぽいのとは裏腹に、段々とその猟奇的な行動がエスカレートしていくのでなんかもう視界から入ってくる図が矛盾しているように感じられてめちゃくちゃに怖い!
「あ、この人やばい人だったんだ」と気づいたときにはもう遅いといいますか、これに捕まったらやばすぎる……。というのを追体験どころか実体験として感じられる映画になっています。
それは、物語の恐ろしさもあるのですが、この映画自体が主人公が設置した定点カメラや、主人公の持っているスマホなどの映像を使ったものになっているので、臨場感がはんぱじゃないんですよね。鑑賞というよりは目撃すると言ったほうが正しいような映画です。
なかなか普通に恐ろしい映画なので、万人におすすめできるタイトルではないのですが、暑い夏にはピッタリの映画だと思いますので、ひんやりしたい方はぜひ!
第9位
source:'Why Did You Kill Me?' Trailer: New Netflix True Crime Doc Coming Soon - Thrillist
『なぜ殺したの?』
Netflixのドキュメンタリーはいつも激ヤバですが、今作は他とは少し違った作品だなと個人的には感じました。
プロットとしては、娘を殺された家族が娘の写真を使ってSNSに偽アカウントを作り、犯人につながる手がかりを追っていくという話で、それだけでもかなり面白そうなんですが、蓋を開けてみるとこの家族の方も結構やばいんですよね。
家族が一向に警察を信じないので、警察には必要な証言とかを言わなかったりして、自分たちで勝手に捜査を進めていき、SNSのアカウントづくりには被害者の従姉妹である年端も行かない姪を巻き込んだりとにかくこの中心になってるお母さんがパンクすぎて半端ねえって感じです。
お母さん、ずっと娘が欲しくてようやく生まれた美しい娘だったので、本当に殺されたのが悔しい、悲しい、やるせない、憤り、とかまではわかるんですが、犯人見つけ出したら絶対に殺してやるぞという殺意がもうなんか、復讐系の映画のあの熱量を超えてきてるんですよね。
相討ちになってもいいから殺すというまじで目がイッちゃってる感じの殺意で、このお母さんを応援するのはやばすぎて逆にこんなお母さんに目をつけられた犯人にほんの少し本当に少しだけどんまいな……と思うレベルですごい。
普通この被害者家族側を応援して、犯人が捕まってよかったね、となる映画だと思うんですが、この作品は大切な人を失うということは人の感情のトリガーを引くということであり、それがただの悲しみだけとは限らないよということを教えてくれるような、そんな映画でした。このお母さんはマジでやばい。タロットカード出てきたときは怖すぎて泣いちゃうかと思った。
第8位
source: How Did ‘To All The Boys 3’ End? — What To Know – Hollywood Life
好きだった君へ:これからもずっと大好き
To All The Boysシリーズの最終章、本当にこのシリーズはハッピーになれる作品で、大好きだったんですが、最終章で悲しい……。
このシリーズ、本当に「恋っていいよね!」みたいなのを嫌味なくっていうんですかね、背伸びせず描いていてすごく可愛くてだいすきです。
本当に主演を演じる二人も付き合ってるんじゃないかと思うほど演技がかわいくて、観ててウルトラハッピーになれてしまうので、とってもおすすめです。(2作目は正直無くてもよかったが……。)
そんなシリーズの最終章は、いよいよ卒業なのですが、今までは一緒にいるって幸せ~!みたいなことを描いていたのに対して、今作では一緒にいることだけが二人の幸せなのか、恋愛も大事だけれど、自分の人生において大切なことは他にもあるのでは?とうテーマが描かれています。
今作のいいところは、何か別のことを大切にしなきゃいけないとき、恋愛は犠牲にならなければいけない、という結論ではなく、自分にとって大切なことを応援してくれる人と一緒にいられることが本当の幸せなんだということをしっかり描ききってくれるところだと個人的には思っています。
あとやっぱり主人公を演じるラナ・コンドルが今作もめちゃくちゃにかわいい!彼女の可愛さがあってこそこの映画は成り立っていると言っても過言ではないと思います。本当にキュートの擬人化と言ってもいいくらい!かわいい!
あと私が2年位前から激推ししているノア・センティネオくんがやっぱりアメリカというか人類の彼氏として最高の演技を見せているので、そこも要チェックです……。ノアくん……すきだ……。P.S. I love you……
第7位
『シカゴ7裁判』
配信が始まってから色んな人が観たほうがいい観たほうがいいというので観なければ観なければと思っているうちに結構な時間が経ってしまい、こりゃまずいなと義務感にかられながら観た本作でしたが、これがなるほど面白いって感じでした。
キャストが豪華だとは聞いていたんですが、まさか弁護士役でマーク・ライランスが出てくるとは……。私の中で完全に『レディ・プレイヤー・ワン』のハリデーなので*1、「生きてる!ハリデー!!生きてる!!」となりました。
しかし私実はこの映画を観るまでこの裁判については全く知らなかったので、こんなことがあったのかと驚きました。ベトナム戦争といえばアメリカの苦い歴史であることはわかっていたのですが、国内でのこのような若者の動きがあったことなどは知らなかったので、今作で改めて歴史について勉強し直せて良い機会になりました。
映画単体としてもとっても面白くて、キャストが豪華なだけあって、やっぱりいるだけで説得力のある人ばっかりなんですよね。音なしで観てもこれ面白いんじゃないのかと思ってしまうレベル。そして何より、クライマックスに向けての盛り上げ方が半端じゃなくて、私はクライマックスで大号泣してしまいました。これ劇場で観てたら大変なことになってたかも。
あと音楽の使い方がすごく独特というか、音楽のおかげでこの映画がおもすぎず、あくまでポップカルチャーである映画として触れやすいものになっているのもすごくよかったなと思いました。
個人的にはマイケル・キートンがめちゃくちゃかっこよくて、マイケル・キートンがイケメンムーブをかます度に心の中のキンブレを振りました。
第6位
『青くて痛くて脆い』
吉沢亮を追いかけ始めて今年で早10年……エッ!10年!!!!早いですね。まさか吉沢亮が大河主演を務めるまで売れに売れるとは考えもしませんでした。細かすぎて伝わらないモノマネの審査員とかもやってて驚きです。
そんな私の十年来の推し、吉沢亮と杉咲花ちゃんが主演のこの映画はポスターやキャスティングからは考えられないほどの恐ろしいサスペンス映画です。これ吉沢亮のファンの人大丈夫?観れた?途中怖すぎなかった?
物語は大学のサークルを巡って巻き起こる人間関係についてなのですが、とにかく吉沢亮が演じる主人公の醜いこと醜いこと。お前、顔面が吉沢亮だからギリギリ許されるだけで本当にしょうもないやつだぞ!!!と観ながら思ってしまいましたが、残念ながらこの主人公の気持ちもわかってしまう。にんげんだもの。
最初は疎ましいと思っていた超理想主義者の秋好に段々心が惹かれていき、このまま二人きりで何もかもうまくいくと思ってた矢先に、外野が自分たちの世界に入ってきて、主人公は秋好との二人の世界を壊されてしまう。
こういうのって現実世界でいくらでもある話で、そしてしかも今まで自分が大切にしてきたものを他人にめちゃくちゃにされてしまい、しかもそれを相手が良しとしていると、今までの自分との世界を否定されたような気分になって、ああそれならお前のその新しい世界、俺がぶっ壊してやるよってなんかもう最悪なこじらせ方をしてしまうんですよね。人間って本当にだめ、でもそんな主人公の気持わかるよ。
このタイトル通り、とにかく「青くて痛くて脆い」んですよね。現役大学生が観るとあまりに刺さってしまって死ぬと思うので、社会人以上の人におすすめです。
第5位
source: 'Extremely Wicked ...' review: As Ted Bundy's wary wife, Lily Collins excels - Chicago Sun-Times
『テッド・バンディ』
世界で最も有名な連続殺人鬼の一人、テッド・バンディについての犯罪映画。
爽やかで気遣いができて、誰からも好かれるという実在したテッド・バンディを演じるのがあの!!ザック・エフロン!!そう、あのザック・エフロンです!
普段俳優ヲタクの10人に11人が「推しに殺人鬼役やってほしい~~~」という鳴き声を発していますが(過言)、この映画は珍しくそれを叶えてくれる素敵な映画でした!
そしてこのキャスティングが見事!ザック・エフロンという誰もが認めるイケメンが演じることで「あれ…?こいつ本当は無実なんじゃないか……?」と史実を知っているこちら側でさえ、登場人物たちと同じく彼のことを信じたくなってしまいます。
そう感じさせてしまうのはもちろん作り手が意図してそういう風に観客に思わせるように、実際にテッドが女性たちに手を下すシーンなどが意図的に排除されているため、観客は彼のいい人の面しかほぼ見ないまま話が進んでいきます。
そして最後の最後であのシーンが来て、心の底からゾッとするわけです……。ああ、こいつは絶対にやった、と……。
この最後のシーンがお見事すぎてこの映画個人的に大満足でした。あのシーン、多分一生忘れないと思うし、これからもザック・エフロンには定期的に殺人鬼の役をやってほしいとさえ思う。
ちなみに「テッド・バンディ」その人自身についてのウィキペディアは日本語版もウィキペディア文学並みに読みごたえのあるものなので、もしお時間が許す場合はぜひ。
ウィキペディアの写真を見ると少しロバート・ダウニー・Jrに似てる気もするので、彼がもう少し若ければ、彼が主演してこの作品を撮っていたのかも?と思ったり。
第4位
『私をくいとめて』
大九明子監督×綿矢りさ原作の最強タッグ再び!『勝手にふるえてろ』では観た人の8割近くが「これは私だ!」というなど(過言)、とにかく話題を呼びまくったわけですが、今作もめちゃくちゃによかったですね。
なかなか人には言えないけど、誰しもが必ず出会うような人生の中における自分への失望とそれを認めたくない自分。自分は自分で頑張ってるし…、今のままで満足だし……と自分に言い聞かせて毎日を生きてしまったり。
好きな人ができても「どうせ私なんか」と思ったり、過去の恋愛を思い出してじぶんのことが嫌いになったり。かつてはずっと自分と一緒で、いつまでも自分と一緒にいてくれると思ってた友人が、ふと気づけば全然自分とは違うフェーズに行ってしまって、どんどん追いていかれてしまうような感覚になったり。
私はこれを観ながら「私かよ~~~!!!!」ってなっちゃいました。私も新卒で入社した会社をやめて、自分だけいつまでも新人のような気持ちでいるのに、周りの友達はすでに社会人4年目とか5年目とかで、中堅クラスになってたりして、私はどんどんおいていかれている気持ちになっていたので、もう苦しいほどこの作品が刺さってしまいました。
この作品を観ると、自分のペースで自分を愛してあげればいいんだってことに気づけるので、今自分がどうしても好きになれない人とか、「なんで自分ばっかり」と人生に不満がある人に特におすすめです。
第3位
source: The deliberately disorientating décor of The Father - Film and Furniture
『ファーザー』
こんな静かに怖い映画ある……?ってくらい怖かったですね。『アリスのままで』とかとも似ているような恐ろしい映画でした。
アンソニー・ホプキンスが演じる認知症の父親がめちゃくちゃリアルなんですよね。『アリスのままで』ではどんどん病気が進んでいくアリスを観客が俯瞰的に観られるのですが、今作では観客はこの父親と同じ目線に立たされて、何が真実で何が間違いなのかが全くわからなくなっていき、混乱と恐怖を味合わされるんですよね。
誰かが自分から離れる度に世界のルールと世界そのものが変わっていくというか、孤独がより一層怖くなっていくというか、とにかく何も信じられないようになってしまう。
これは間違いない、と思ってたことが次の瞬間にはその真実がなくなってしまう。自分が一回寝る度に、次のドアを開ける度に世界が変わってしまう、そんな映画なのです。
チャドウィック・ボーズマンが受賞すると思われていた2021年のアカデミー賞でしたが、実際にはアンソニー・ホプキンスが受賞し、大番狂わせになったわけですが、これを観るとそりゃあアンソニー・ホプキンスが獲るよね……と思ってしまうほどの圧倒的な演技。娘・アンを演じるのもオスカー女優のオリヴィア・コールマンなので、静かな映画なのにずっと目が離せない映画でした。
フランス人は英語を話さないからな!を繰り返すアンソニー・ホプキンス、可愛くて大好きでした。
第2位
source: のぼる小寺さん : 作品情報 - 映画.com
『のぼる小寺さん』
とにかく観て!観てくれ!としか言えない良さ!小寺さんが一生懸命クライミングに励むのを見るだけでなぜかこっちまですごく元気づけられてしまう。
とにかくこの工藤遥さん演じる小寺さんが無我夢中でクライミングに励む姿が本当にきれいで、自分も自分の好きなことをもっともっと一生懸命突き詰めていきたい、もっと頑張りたいという気持ちにさせてくれるんですよ。
工藤遥さんの演じる小寺さんが本当に自分の世界にのめり込むっていう深さをよく表しているのと同時に、他人へのリスペクトも忘れない小寺さんのことを誰もかれもがすきになってしまうのがスクリーンからちゃんと伝わってくるのがいい!
あとこの小寺さんのすごさに気づけない人にはどこまでも小寺さんは変な人にしか見えないので、小寺さんの凄さに気づけたあなたもすごいみたいな感じがする。そして、実際その凄さに気づいた登場人物たちはどんどん登るように成長していくんですよね。
キャスティングが他の映画よりも地味めなのであまり注目された作品ではないのがもったいない!もしこの記事を読んでくださってる人でこの映画のことを知らなかったとか、未視聴だという方にはぜひ鑑賞していただきたいです。こんなに気持ちのいい映画も珍しいです!
きねまないと的2021年上半期ワースト映画
source: I CARE A LOT – Review by Lois Alter Mark – ALLIANCE OF WOMEN FILM JOURNALISTS
『アイ・ケア・ア・ロット』
この映画、ゴールデングローブ賞とか獲ってるんですけど、本当に?もしかして審査員たちみんな目隠しして耳栓しながら鑑賞しちゃった?みたいなくらい面白くなくて本当にびっくりでしたね……。
調子乗ってた詐欺師が裏社会に喧嘩売っちゃって激ヤバ展開になっちゃって~とかは面白いな~と思うんですけど、この主人公の詐欺師たちが大して痛い目に遭わないんですよね……。最後とかもそんなんでいいのかよ、とか思っちゃったりして。
主人公がゲイで詐欺師でとか2021年っぽくていいなとも思うんですけど、衣装もかわいいなとも思うんですけど、なにせストーリーが全くおもしろくないっていうか、こんな虚無の2時間過ごさなくていいよって思っちゃいます。この映画本当に観ないで大丈夫です。なんの得にもならない。『ヲタ恋』みたいに怒りに狂うほどの熱とかもわかないし、ホント観なくて大丈夫です以上のことが言えません。ほんと、以上です。
鑑賞後すぐは熱があったみたいなので、気になる方は以下のスレッドを見てみてください。
孤独な老人の身元引受人となってる主人公は実はその立場を利用して違法に心身共に健康な老人たちを介護施設に閉じ込めて彼らの財産を貪っているのだがある日ロシアンマフィアの母親をターゲットにしてしまったことでトラブルに巻き込まれていくというはなしなのですが、 https://t.co/V7idu8Cku0
— Amy a.k.a. 下呂あやめ (@slhukss1) March 18, 2021
第1位
『モキシー 〜私たちのムーブメント〜』
最高~~~~!!!!!!!!!!優勝優勝優勝!!!!!!!!!!
まずイケメンで感じが良くて誰にでも優しいという主人公の憧れの存在がニコ・ヒラガな時点で34億点出てるんですよね!!!!!!!キャスティングが神!!!!!!!そしてこのニコ・ヒラガは最高にかっこが良い!!!!!そりゃ主人公も好きになる!!!!!
そんで主人公が白人の女性なのがちゃんとストーリー内で生かされてるのがよい!女性という弱い立場でありながら、他人種から見たら圧倒的に有利な立場であるというホワイトな彼女というのがちゃんと劇中でも触れられているんですよね。本当にありがとう……。そしてこの主人公が必ずしも常時正しいことを言っているわけではないのもすごくよかったです。「自分が常に正しい」と思ってしまう恐ろしさとかもちゃんと描いていて本当に真摯に作られた映画だな、と。
あと、ツイッターでも言ったんですが、黒人の女の子が自分の髪について話すシーンがあって、これは欧米でよく見られる無自覚的な差別だったので、本作でそれに触れるのも素晴らしくて、本当に今を生きる人みんなに観てほしい映画でした。
フェミニストとして活動するというとどうしても真面目すぎるようなイメージが湧いてしまいますが、この映画はフェミニズムって女の子のためだけじゃないよ、とか、こういうことにみんなが気づけたらこんなにハッピーなんだよ、とかをもっととっつきやすく描いた作品になっていて、めちゃくちゃ元気をもらえる映画でした。パワフルで楽しい、そして最後はボロボロ泣いてしまう、そんな超ガールエンパワメント映画です!おすすめです!!!!
まとめ
source: Marvel's Shang-Chi: Trailer, Poster and First Images Revealed - IGN
今回は私の超個人的な2021年上半期ランキングを発表いたしました~!皆さんの予想と同じでしたでしょうか?それとも全然予想を裏切ったような形でしたでしょうか?
冒頭でもお話した通り、やっぱりこの上半期はあまり映画を観られなかったのが悔やまれるので、下半期はもっと映画を観ていこうと思います!
早速8月に向けて『ジャングルクルーズ』『スーサイド・スクワッド』(ジェームズ・ガン版)が公開になるので楽しみです!
そしてMCUでいうとアジア人としてはやっぱり『シャンチー』がどれだけ面白い作品になっているか楽しみだな~~!!と思っています。オークワフィナがどんな役をやってるのか楽しみです……。『シャンチー』はこれからもシリーズ化されるのだろうし、オークワフィナが今後もMCU作品に出てくるのかもと思うと本当に嬉しいです♡
そして12月には『キングスマン』や『スパイダーマン』の最新作もやってきますし、2020年公開映画が少なかった分、今年は忙しくなりそうですね!楽しくなってきた~~~!!!!!!
ちなみに今回こちらの記事で触れられなかった映画についてはツイッターで話していますので、よろしければツイッターを覗いてください!
以下のツリーに映画の感想をつなげています。こちらでは旧作も含めてぜんぶ一応短めですが話しているのでぜひ!
39日目(2020年1本目)『君の膵臓をたべたい』
— Amy a.k.a. 下呂あやめ (@slhukss1) January 2, 2021
月川翔監督が好き!と言っておいてずっと観れてなかったけどようやく観れた〜!よかった〜!浜辺美波がずっとかわいい!!最高!実写版『からかい上手の高木さん』みたいなところがある。最高。北川景子のクライマックスシーンの演技もすごくよかったな…… pic.twitter.com/MC4lsIFrlK
以下、過去のランキング記事です!こちらもぜひ!
*1:『レディ・プレイヤー・ワン』…スティーブン・スピルバーグ監督作品。様々なゲームやアニメ、映画キャラクターが登場し、日本からはガンダムやキティちゃんなど様々なキャラクターが登場している。