きねまないと

最近映画が好きになった20代が素人目線で好き勝手に映画の感想を綴るブログ。

Amazon Primeオリジナル作品『A2Z』がダサすぎて絶句 平成のセンスでドラマを作るな

 

本日の作品

今回はAmazon Primeビデオオリジナル作品、深田恭子さん主演の『A2Z』についてお話ししていきます。

Source: https://news.goo.ne.jp/article/thetv/entertainment/thetv-1114251.html

 

あらすじ

文芸編集として働く夏美(深田恭子)は、同じく文芸編集者であるが、別の会社で働く夫・一浩(田中圭)より、突然他に好きな人がおり、もうすでに1年以上付き合っていると伝えられる。突然の報告に怒りを露わにする夏美だったが、一浩はなぜか夏美を手放すことになるとは思わなかったと口にする。夫の言動に頭を悩ませていた夏美だったが、訪れた郵便局の窓口で働く青年・成生(片寄涼太)に食事に誘われる。

今まで成生のような年下の男性と交際したことがなかった夏美は、成生との学生のような質素でありながら全てが輝いて見えるような時を楽しみ、だんだんと成生に心惹かれていく。しかし、時折気まぐれに帰ってくる一浩との時間がまた夏美の気持ちを惑わせ……。

 

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こんなものを令和に流そうと思ったやつは誰なの?

Source: https://www.cinematoday.jp/page/A0008691

もう本当にこのドラマに関しては全てが時代遅れというか、全てがダサいし、外してるしでなんでこれを令和の時代にしかも配信ドラマで流そうと思っちゃったかな〜……という思いでいっぱいです。

このドラマは原作が山田詠美の同名小説なのですが、その小説が刊行されたのが2003年で、実に20年も前のものなんですよね。インターネットが普及してから、流行りや人のライフスタイルは大きく変わっているので、20年も前の小説を原作にするなら、2023年に合わせた改変を行うべきだと思うのですが、今回のこのドラマはせいぜい登場人物たちがスマホ使っているくらいで特に2023年のこの時代に合わせてここはアップデートしましょうみたいな会議とか特になかったんだろうなと思わせる出来になってて、「いや何も変えないなら2003年設定でやってくれよ」と思いました。

個人的にめっちゃキツかったのは成生が年上である夏美が自分の彼女であるということに自分自身が信じられてないせいもあるのか、基本的に夏美に対してずっと偉そうというか、ところどころに男尊女卑的な意識が見られるセリフが続くのがですね〜……。私はエンターテイメントっていうのは未来に少し希望が持てるような内容にしてくれるといいなといつも思うので、27歳という若者である成生が男尊女卑的発言を繰り返すのはかなりどうなのかな、、、と思います。あと途中で一浩が夏美をビンタするシーンがありますが、そのシーンももっと一浩って最悪だなという印象を持たせるべきだと思います。暴力なので。最低じゃん。どんな理由があれど、暴力は絶対に許されないというのをもっと強く押し出すべきだったと思います。

 

深キョンを勝手におばさんにしないで下さい

Source: https://www.cinematoday.jp/page/A0008691

今回、深田恭子さん(以下深キョン)が演じる夏美は40歳近い女性という設定で、片寄涼太さん演じる成生は27歳という設定なのですが、もうずっと深キョンがおばさん言動をするのです。明確に「私はおばさんだから」というようなセリフがあるわけではないのですが、ずっと成生に「成生は若いから」みたいな発言をするんですよね。私はそれに耐えきれなくて……!!深キョンこんな可愛いのにどうして歳が40歳だからっておばさんですみたいなこと言わなきゃいけないのかわからんです。成生も「どうしてそんなこと言うのか」って強く言えよ!!!彼女だろうが!!!!

あとこれは原作と製作陣の問題だと思うのですが、40歳からみた27歳像が酷すぎます……。27歳って大学出てたとしても卒業して5年くらい経ってて、ていうかあと3年で30歳ですよ?!?!なんでガラスのワイングラス持ってなくて家にプラスチックのグラスしかないの??ヤバない????てか「成生、『いかがわしい』なんて言葉知ってるんだ」って何?!?!27やぞ??????どう考えても知っとるやろが……。「粉塵爆発」とかならまだしも「いかがわしい」やぞ!!!!なめんなよ!!!!!!

と言った具合にですね、27歳というのがどういう歳なのかが製作陣側がよくわかっておらず、27歳っていうかこれ18歳ですね……みたいな扱われ方をしていて(これ全話見たけれど全話通してこんな感じですごい)、先日28歳になったばかりの身としては「40歳になると27歳っていうのがどういう生き物なのかわからなくなっちゃうのか……」と恐ろしくなりました。

 

演出全部ダサいのはこれが本当はコメディドラマだからとかですか

Source: https://trilltrill.jp/articles/2973673

このドラマで最大の苦痛は演出の全てがクソダサいというところです。まずタイトルが「A 2Z」とある通り、このドラマは主人公の心情がAからZまでの英単語に準えて表されるんですが、これがもう壊滅的にダサい。「Untitled(シャランラ〜みたいなSE流れながら文字がキラキラしながら出てくる)」……いやWord覚えたての小学生みてえな編集をしてるんじゃねえよ!ダサいわ!!!!!家で一緒に見てたイギリス人がダサすぎて笑いころげるから文字が出てくるたびに一時停止するハメになったわ!!!(最終的にダサすぎて「またこのドラマ見るの?」と文句言われた)まじで本当に高校生の自主制作作品じゃねえんだぞったくよ〜……。というか令和にもなってそんな平成初期みたいな編集をすなマジで。パソコンソフト触るの初めてなんか。

それからクソダサいのはですね、次の話に続くみたいな各話の終わりがほぼ主人公たちの静止で締められるのですが、これが映像を止める形ではなく、演者たちがしばらくそのまま止まっている形で静止させられていてですね、いや、だから、まだ専業主婦がゴロゴロいた時代に主婦が暇つぶしに見る昼ドラじゃあねんだからよ……と私は絶句しましたよマジで。何?昼ドラを作ってくれっていうAmazonからの依頼だったの?もしそうだったらごめんね?でもこれAmazon出資なんだとしたらこれAmazonのセンスだと思われるんだからAmazonも配信する前に1話とかだけ完パケでもらってGoかどうか判断した方がいいよ……。ネトフリもたまにやべえドラマ出してくるけど演出がだせえとかは思ったことがないから本当に演出だけは今時にアップデートした方がいいよ……。いや全部アップデートしてほしいが……。

(ていうか令和の時代にそんな静止の方法すると、こっち側は「なんだ?インド映画とかインドドラマ見すぎたんか?」っていう印象になってだんだん面白くなっちゃうから本当にインド作品リスペクトとかでない限りマジでやめた方がいいよ)

 

「オカマ」といえばこう、みたいなキャラクター出すのいい加減どうなんですか

Source: https://www.oricon.co.jp/news/2263839/photo/7/

深キョンの働く編集部には長田成哉さん演じるおそらくゲイである小池という同僚がいるのですが、「オカマ」の同僚みたいな感じで……。なんというか、今こうしてLGBTQ+の人たちの差別をやめようという議論が巻き起こっていて、もちろんこうした差別にはエンターテイメントが助長した面も大きいわけで、だからゲイだからって必ずしもイコールオカマっぽい言動をするわけじゃないということを今の作品なんだから示せたはずなのに、そういうアップデートがないのはどうなんだろうとおもいます。

もちろん、現実にもゲイで、いわゆるオネエと呼ばれる人もいて、そういう人を出すのが悪いとか言わないんですけど、今までずっとゲイといえばオネエというキャラクター作りをしてきたのだから、もういい加減オネエキャラに頼らないゲイが出てきたっていいんじゃないですか……。

ただ、今回小池がゲイである必要があるからゲイの役なわけではなくて、職場にゲイの人がいるってだけとして描かれていたのはかなり良かったなと思います。別にヘテロじゃなくても、シスジェンダーじゃなくても、そういうキャラクターが理由なくそこにいるというのはとても大事なことだと思うので……。(今後の展開に必要だからLGBTQ+の役を配置しているわけではなく、世の中に当たり前にいるんだから展開やストーリーに関係なくLGBTQ+の役が出てくるのが当たり前になるために……)

 

田中圭を起用したのは天才

Source: https://www.cinematoday.jp/page/A0008691

このドラマ他にも「それ以外にBGMなかったんか?」と思うほど同じ曲をいつも流したりしてくるのですが(多分主題歌だから使わざるを得ないのでしょうがあまりにもダサくて吐きそうになる)、感心せざるを得ないところもありまして。

まず一つは夏美の夫役に田中圭を起用したところでした。ていうかですね、こんな意味わからん言動をしてくる夫、田中圭しかできないですし、田中圭が演じるせいでめちゃくちゃリアルで本当に私は画面越しに田中圭殴りたくなりました。田中圭って本当に「自分がやってることが悪いことなんだろうな〜と思いつつもどれくらい悪いか分かってなくてまぁでも最終的には許されるよねと思ってる自己愛の強い男」を演じるのがうますぎますよね。本当に田中圭ってそういう人なんじゃないかと最近疑ってるんですが、田中圭さん、すみません。(でもそういう役ばっかやってない?!田中圭がいい人の役やってるの一回も見たことない)

Source: https://thetv.jp/news/detail/1122779/

あとこのドラマで素晴らしいのはやっぱり深キョンて可愛い……ってところに尽きるのですが、深キョンしか着れねえだろそんな服〜!!!みたいな衣装が多くて本当に可愛いです!私は詳しいわけではないので、憶測で話しますが、多分スタイリストさんが骨格診断とかにかなり詳しくて、深キョンは骨ストだと思うので、骨ストに合わせた衣装を用意してくれていたのかな〜と思います。どれも結構甘め(それか少なくとも甘めx辛めの組み合わせ)の衣装なのですが、甘すぎず、仕事ができる感じにも見せつつ、しっかり可愛いのが良かったです!深キョンに似合う!

ただ、私は個人的には深キョンのメイクがもう少しフェミニンな感じで薄めのメイクだったら良かったのかなとも思いましたね。今回の作品では結構目元のメイクがガッツリした感じだったんですが、夏美は気が強いわけじゃなくて、芯がしっかりしている人なので、目元のメイクがしっかりとかよりは、目元を明るく見せて自信がある人に見せた方が会ってたのかなと思います。

 

まとめ

Source: https://www.oricon.co.jp/news/2266159/photo/3/

というわけで、今回はAmazon Primeビデオオリジナル作品『A2Z』についてお話ししてきました。なんだかこの作品は日本の作品の問題をたくさん孕んでいて、見ててめっちゃキツかったですね。つい先日『今際の国のアリス』と『ガンニバル』がとても良かったという話をしたばかりなので、「結局生き残り系じゃない作品はこんなもんかよ〜!」とがっかりです。

 

slhukss1.hatenablog.com

基本的に本当にこのドラマ「ダサい」「つまらん」「意味わからん」に尽きるのですが、上で挙げきれなかった良い点としては、吉村界人さん演じる永山翔平はかなり良かったです!新人小説家だけどどっしり構えている感じ、だけどやっぱり新人でというのが上手く表されていて、この作品を見て得られた一番のプラスはこの吉村界人さんに出会えたことかもしれません。

本当に時代を逆行するような激ヤバドラマ『A2Z』、2023年現時点でワースト作品です。製作陣、大いに反省してください。